はじめに

 畑耕一(明治19年~昭和32年)は、広島市堀川町(現 中区)出身の小説家、劇作家、評論家です。大正2(1913)年に文壇へデビューすると、文筆活動の一方で、新聞記者を経て映画製作に携わり、また、大学の教壇へ立つなどジャンルを越えて活躍しました。空襲を避けて東京から可部町(現 安佐北区)へ疎開し、戦後は、被爆によって深く傷ついた郷土の文化、文芸復興を願って広島で活動しました。
 当館の広島文学資料室では、広島に深いゆかりのある文学者の一人として、畑耕一関係資料を収集しています。このWeb広島文学資料室では、著作のほか、自筆原稿や愛用品など、畑耕一の多彩な活躍を伝える資料を通して、その生涯と作品をご紹介します。
 現在、畑耕一作品のほとんどが絶版となっており、手に取る機会は限られています。このページをきっかけに、畑耕一とその作品へ関心を深めていただければ幸いです。
 畑耕一資料の充実のため、これまでにご遺族をはじめ、生前の畑耕一と親交のあった方々など、多くの皆様よりご理解、ご協力をいただきました。あらためてお礼を申し上げます。