タイトル
07.(画像ギャラリー)手書き原稿で味わう原民喜の世界
 
原民喜の主な自筆草稿類リスト

資料名
出版事項
目録整理番号
枚数
冒頭部分
備考
(草稿の検証等)
1 小説原稿「雑音帳」 1〜63p、p7欠
896
62
彼が書斎に座って静かに黙想に耽っていると  
2 〃「死と愛と孤独」 400字原稿2枚
897
2
原子爆弾の惨劇のなかに生き残つた私は  
3 〃「(ガリバー旅行記第1)小人国」 400字原稿84枚(p70欠)
898
84
「大騒動」
私はいろいろ不思議な国を旅行して、さまざまの珍しいことを、
 
4 〃「(ガリバー旅行記第2)大人国」 400字原稿90枚(p86〜175)
899
90
「つまみあげられた私」
私はイギリスにもどつて二ヶ月もすると、また故国をあとに、ダウンスを船出しました。
 
5 〃「(ガリバー旅行記第3)飛島」 400字原稿61枚(p1〜61)
900
61
「変てこな人たち」
私が家にもどると間もなく、ある日
 
6 〃「(ガリバー旅行記第4)フウイヌム」 400字原稿63枚(p1〜63)
901
63
「馬の主人」
私は家にもどると、五ケ月間は、妻や子供たちと一緒にたのしく
 
7 〃「(ガリバー旅行記)あとがき」 400字原稿5枚
902
5
ガリヴァは十六年と七ケ月の間、不思議な国国を旅行して来ました。  
8 〃「永遠のみどり」 400字原稿37枚
903
37
梢をふり仰ぐと、嫩葉のふくらみに優しいものがチラつくやうだつた  
9 詩稿「朝の闇」 400字原稿1枚
904
1
眼にただよいて朝の闇しろがね色の朝の闇  
10 詩稿「梢」 400字原稿1枚
905
1
散り残つた銀杏の葉が、それがふと見える窓が、昼のかすかな  
11 詩稿「死について」 200字原稿1枚
906
1
お前が凍てついた手で最後のマツチを  
12 詩稿「一つの星に」 25×19cm原稿1枚
907
1
わたしが望みを見うしなつて暗がりの部屋に横たはつてゐる  
13 詩稿「一つの星に」 30×21cm原稿1枚
908
1
わたしが望みを見うしなつて、暗がりの部屋に横たはつてゐる  
14 詩稿「不眠歌」 400字原稿1枚
909
1
罪咎なれば耐え得べしこんてんこん朝ぼらけ  
15 詩稿「鈴木その子嬢に」 B4ザラ紙1枚墨書き
910
1
明日、太陽は再びのぼり花花は地に咲きあふれ、  
16 原稿「暗室」(部分) 紀伊国屋400字原稿用紙8枚p13〜20
911
8
た、コツプを離して、「どうも蛭のようなものがちらちらする。」と  
17 草稿(部分) 横線鉛筆引き17字×12字用紙4枚p34〜37
912
4
よつと度肝を抜かれた。  
18 草稿「火の子供」(部分) 仙花原稿用紙400字10枚
p3,5、6、7、8、9及び、p4、5、6、7の2稿
913
10
私は何かいつも人間の精神の悲惨に見入つてゐるやうな気がする。  
19 草稿(部分) 山田紙店400字原稿用紙5枚※裏面も使用
914
5(裏面も5)
(表)「あの男もこの頃になつて、僕のこと頻りに憶ひ出したりなんか
(裏)私の父は大正六年二月二十七日夜半に死んだ。
表:原稿「玻璃」(部分)(p.20〜24)
裏:草稿「雲の裂け目」
20 草稿(部分) 山田紙店400字原稿用紙1枚※裏面も使用
915
1(裏面も1)
(表)と何か考えてゐる。支那人は牛に乗つて進んでゐる積り
(裏)死と愛と孤独(わが心の自我像)
表:草稿「不思議」(p.4)
裏:草稿「死と愛と孤独」
21 草稿(部分) 山田紙店400字原稿用紙1枚※裏面も使用
916
1(裏面も1)
(表)吉に応酬して、うまく大吉を撃退した
(裏)伊作は中学生の頃から、あの軍歌で喚きあふ出発の
表:草稿「不思議」(p.31)
裏:草稿「鎮魂歌」
22 草稿(部分) 山田紙店400字原稿用紙1枚※裏面も使用
917
9(裏面も9)
(表)まれてゐて、黒くギラギラ光つてゐた。
(裏)出没怪童1もう真夏をおもはすやうな、くらくらする光が
表:草稿「不思議」(8枚)(p.11,25〜30,32)、原稿「玻璃」(1枚)(p.26)
裏:草稿「鎮魂歌」(題名「出没怪童」)
23 草稿(部分) 山田紙店400字原稿用紙1枚※裏面も使用
918
1(裏面も1)
(表)雄二は答へた。すると、皆はつまんなさうな顔をした。
(裏)弘が汗だくでリツクを本に詰めてゐると、傍に叔父が来て冷かした。(内容:疎開時の会話、手紙の下書き、メモ)
表:草稿「不思議」(p.33)
裏:未検証
24 草稿(部分) 山田紙店400字原稿用紙1枚※裏面も使用
919
1(裏面も1)
(表)瞼が自然にとろんと重なつて行つた。資料番号918の続き
(裏)私は秀子の肉体を知つたのだから、それでもう大人になつたのだらうか。
表:草稿「不思議」(p.34)
裏:未検証
25 草稿(部分) 紀伊国屋400字原稿用紙1枚※裏面も使用
920
1(裏面も1)
(表)すると、三郎は咽喉が乾いてゐたとみえて、
(裏)伊作の独白僕は何かをまだ探してゐる。探しているやうだ。
表:原稿「暗室」(p.33)
裏:草稿「鎮魂歌」(定本民喜全集Wp.403一部掲載有)
26 草稿(部分) 山田紙店400字原稿用紙1枚※裏面も使用
921
1(裏面も1)
(表)ガタガタ慄えた。ところが芳枝は
(裏)伊作はぷつんと立ち留まる。急に世界が逆転する。
表:原稿「暗室」(p.34)資料番号920の続き
裏:草稿「鎮魂歌」(定本民喜全集Wp.403〜404一部掲載有)
27 草稿(部分) 紀伊国屋400字原稿用紙1枚※裏面も使用
922
1(裏面も1)
(表)た。馬の横腹がピカピカ光つてゐて、おそろしく元気がよさそうだつた。
(裏)伊作はH町にたどりつくと、父母の居所をたずね
表:原稿「暗室」(p.36)裏:草稿「鎮魂歌」
28 草稿(部分) 紀伊国屋400字原稿用紙1枚※裏面も使用
923
1(裏面も1)
(表)子を返せ!」と號んだ。男達は暫く困つたらしく立留まつて、
(裏)その朝、順平は何となく気が重くて学校へは出て行かなかつた。
表:原稿「暗室」(p.37)資料番号922の続き裏:草稿「鎮魂歌」
29 草稿(部分) 紀伊国屋400字原稿用紙1枚※裏面も使用
924
1(裏面も1)
(表)呼ぶ声がしたので、振向くと、何時の間にか娘は元の姿で
(裏)京都の叔母の家に立寄ると、はじめて伊作は広島の消息が少しわかった。
表:原稿「暗室」(p.38)資料番号923の続き
裏:草稿「鎮魂歌」
30 草稿(部分) 紀伊国屋400字原稿用紙1枚※裏面も使用
925
1(裏面も1)
(表)とんとんと勝手な方向へ消えて行つてしまつた。
(裏)伊作がその兵舎から解放されて、汽車に乗れたのは九月のはじめだった。
表:原稿「暗室」(p.39)資料番号924の続き
裏:草稿「鎮魂歌」
31 草稿(部分) 紀伊国屋400字原稿用紙1枚※裏面も使用
926
1(裏面も1)
(表)持の先生だつた男とそつくりの紳士がゐた。
(裏)彼が廣島を離れた最後の頃の全景がぐらぐらと眼さきを掠めた。
表:原稿「暗室」(p.40)資料番号925の続き
裏:草稿「鎮魂歌」
32 草稿(部分) 紀伊国屋400字原稿用紙1枚※裏面も使用
927
1(裏面も1)
(表)したか、こいつはどうもワハハハ、まあ奥さん、あのおつこちた蜜柑の格好
(裏)それを聞いた瞬間、眼の前に閃光が走り無数の真暗なものが
表:原稿「暗室」(p.41)資料番号926の続き
裏:草稿「鎮魂歌」
33 草稿(部分) 紀伊国屋400字原稿用紙1枚※裏面も使用
928
1(裏面も1)
(表)手に?いでゐた。再びヂヤラン、ヂヤランと楽器が鳴つて
(裏1)伊作は廣島の街が壊滅する一ヶ月前に招集を受けて北海道へ出発して行つた。
(裏2)僕が死とすれすれに生きて行かうと思つたのも僕には小説を書くほか
(裏3)彼はシベリアから三年目に戻つて来ると廣島の姉
表:原稿「暗室」(p.42)資料番号927の続き
裏:草稿「鎮魂歌」
書き出しが3つあり。
裏1は伊作が北海道へ出発し回想。
裏2は2行のみ
裏3は2行のみ
34 草稿(部分) 紀伊国屋400字原稿用紙1枚※裏面も使用
929
1(裏面も1)
(表)だつた。しんは胸騒がして、気色が悪くなつたので、
(裏)一瞬の閃光で中空を舞つてゐた鳶はすぐ煙になった。
表:原稿「暗室」(p.43)資料番号928の続き
裏:草稿「鎮魂歌」
35 草稿(部分) 紀伊国屋400字原稿用紙1枚※裏面も使用
930
1(裏面も1)
(表)しんは周章して荷馬車のところへ飛出し、「これは私の娘です。何か悪いこと
(裏)廣島の悲劇を背景に観念的抒情的幻想的ロマン
表:原稿「暗室」(p.44)資料番号929の続き
裏:草稿「鎮魂歌」(構想メモ)(定本民喜全集Wp.402〜403掲載有)
36 草稿(部分) 紀伊国屋400字原稿用紙1枚※裏面も使用
931
1(裏面も1)
(表)當つておいて黙つて行過ぎるつて法もないのだ」
(裏)荷物が家にはこばれ、トラツクが帰つて行くと、私は八畳の間の
表:原稿「暗室」(p.45)資料番号930の続き
裏:草稿「もちの樹」(資料番号932)の続きと思われる
37 草稿(部分) 紀伊国屋400字原稿用紙1枚※裏面も使用
932
1(裏面も1)
(表)てゐた顳?の辺が段々窄つて、ギラギラ輝いてゐた眼も霞み、
(裏)もちの樹そこの家の雨戸を開けると、もちの樹の若葉がパツと私の眼にうつつた。

表:原稿「暗室」(p.46)資料番号931の続き裏:草稿「もちの樹」(全体に斜線左上に番号「3」)
38 草稿(部分) 紀伊国屋400字原稿用紙2枚
※裏面も使用
933
2(裏面も2)
47(表)ザザザと走つて行く兵隊の靴の音がする。
47(裏)妻が死んで間もなく、空襲がほんものになつて来た。
48(表)飲むのであつた。やがて、叔父が立上つて、
48(裏)いたち薄暗いうちから、運送屋はやつて来て、庭先でせつせと荷作をした。
表:原稿「暗室」(p.47,48)資料番号932の続き
裏:草稿「いたち」
39 草稿「女性と手紙」(部分) 400字原稿用紙1枚
934
1
私は未知の婦人から六七通の手紙をもらつたことがある。 (定本原民喜全集Up548〜549掲載有)
40 詩稿・メモ 25×18cmノート紙1枚※裏面も使用
935
1(裏面も1)
(表)日は水のごと往きしかど今はたひとりそのかみの
(裏)あせ、あくび、尿、むれかへる人間の憎愛
表:「一九四六年秋ここでは夜明」の記入あり裏:メモ

※このほかにも、細かなメモ類あり。詳細は、原民喜文学資料目録6−(2)をご覧ください。
※原民喜文学資料目録6−(2)はじめ、目録の作成にあたっては、尾津訓三氏をはじめ「広島文学資料保全の会」の皆様のご協力を得ました。なお、草稿の検証に関しては竹原陽子氏の協力を得ました。


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