沿革・コレクション

アメリカから贈られてきた20世紀前半の子どもの本 ─ベル・コレクション調査報告─

6.おわりに

 「ベル・コレクション」の魅力は、その多様性にあると最初に述べているが、その魅力をどのように分析し、わかりやすく、順を追って述べていくのかは難題であった。ひとつ、ひとつの作品を関連付けながら、「解題」から書き進めていったが、その過程で、関連付けの困難な「なぜ、ここにあるのか」という疑問にぶつかる作品も出てきている。

 ただ、結果として、20世紀前半のアメリカの子どもの本の実態を、ある程度、解明できたのではないか、とも思っている。調査にかかる前には、考えてもみなかった結果である。ただ雑多な集まりにしか見えなったのものが、そうではなく、既存のアメリカの子どもの本の歴史には全く扱われていない作品群を通して、家庭と学校と図書館とでは、子どもの本に対する考え方に温度差のあることが、鮮明に浮かび上がってきたのだった。

 資料面では、「大衆的」とみなされた作品は手がかりが少なく、やっとサイトで名前を見つけて検索すると、「この作者のことを調べているが不明なので、手がかりを持っている方は連絡をください」と、書いてあって苦笑したこともある。また、筆者の力不足でマンガ家やマンガがもとになっている作品、Percy Crosbyの181 Skippy, 1929やEdgar Martin原作243 Boots and the Mystery of the Unlucky Vase, 1943などに触れることができなかったのは心残りでもある。

 この調査報告が、「ベル・コレクション」の稀有な作品群を「発見」し、作品に触れる手がかりになることができればと願っている。

主な参考文献

  • Something about the Author, vols1-292, Gale, 1971-2016
  • Daniel Hahn: The Oxford Companion to Children’s Literature 2nd ed. 2015
  • Newbery Medal Books:1922-1955 The Horn Book, Incorporated 1957
  • Caldecott Medal Books, 1938-1957 The Horn Book, Incorporated 1957
  • Leonard S. Marcus: Minders of Make-Believe. Houghton Mifflin, 2008
  • Barbara Bader: American Picturebooks from Noah’s Ark to The Beast Within. Macmillan, 1976
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