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中国新聞「子どもたちへ本の招待状」
(2023年2月)に掲載された本の紹介

カテゴリー:こども図書館
記事分類:お知らせ公開日:2023年3月10日

こども図書館職員が中国新聞「子どもたちへ本の招待状」(2023年2月)で紹介した本をまとめました。
本選びの参考にいかがですか?

2023年2月6日掲載(対象:小学校中学年向け)

『マグナス・マクシマス、なんでもはかります』
キャスリーン・T.ペリー 文 S.D.シンドラー 絵 福本 友美子 訳(光村教育図書)

あるところに、物をはかることが大好きなマグナス・マクシマスというおじいさんがいました。気になる物は何でもはかり、何でも数えます。

子どもの背丈や足の大きさ、クラゲがどのくらいプヨプヨするか、シチューに豆がいくつ入っているか、歯ブラシの毛は何本あるか。いつもはかることに夢中で、他のことは何も目に入らないほどでした。

ところがある日、マグナスの眼鏡が壊れてしまいます。修理に出している間、何もはかることができなくなりますが...。

細かく描かれたユーモアあふれる絵を、じっくり見るのも楽しい1冊です。

2023年2月20日掲載(対象:小学校高学年以上向け)

『台所のマリアさま』
ルーマー・ゴッデン 作 猪熊 葉子 訳 C・バーカー 絵(評論社)

忙しい両親に代わり、グレゴリーと妹の世話をするのは、ウクライナから来たマルタという女性でした。いつも寂しそうなマルタが、時々ぽつりぽつりと語る故国の思い出は、兄妹の心を動かします。

「この家には『いい場所』がない」と嘆くマルタのため、「いい場所」に飾られているという聖母子の絵を贈ろうと、グレゴリーは決心しました。人と関わるのが苦手な彼でしたが、絵のありそうな所を訪ね、手に入れる方法を探します。

大切な家族を幸せにしたいと行動し、自身も孤独から解放されていく少年の姿が、聖母子のイラストとともに印象深い一冊です。

2023年2月27日掲載(対象:中学生以上向け)

『鬼の橋』
伊藤 遊 作 太田 大八 絵(福音館書店)

不注意で妹を亡くした篁(たかむら)は、やるせない思いから五条橋を蹴り、阿子那(あこな)という少女に叱られます。その後、妹が落ちた井戸に吸い込まれ、たどり着いた冥界で鬼に襲われます。

そこで篁を救ったのは、3年前に死んだはずの坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)でした。無事に現世に戻れたものの、橋を守ろうとする阿子那や、突然現れた大男非天丸(ひてんまる)を巡り、再び鬼に立ち向かうことになります。

平安時代に実在した小野(おのの)篁や坂上田村麻呂など、史実や伝説を巧みに織り交ぜ、少年時代の篁の葛藤と成長を描く物語です。なお、東広島市河内町入野は、篁生誕の地だとする伝承もあります。