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中国新聞「子どもたちへ本の招待状」
(2022年5月)に掲載された本の紹介

カテゴリー:こども図書館
記事分類:お知らせ公開日:2022年6月28日

こども図書館職員が中国新聞「子どもたちへ本の招待状」(2022年5月)で紹介した本をまとめました。
本選びの参考にいかがですか?

2022年5月2日掲載(対象:中学生以上向け)

『クラスメイツ 前期
『クラスメイツ 後期
森 絵都 著(偕成社)

中学1年生のクラスメイト24人、その一人一人が主人公の連作短編集。入学したてで緊張しつつも新しい自分を模索する千鶴、小学校時代の経験から女の子3人組の危うさを不安に思う志保里、人気者になりたいのに空回りばかりの蒼太など、それぞれの視点で描いた1年A組の1年間です。

気が強くて悩みがなさそうに見える女の子も、クラス委員長で人気者の男の子も、実はいろいろな思いを抱えていて、教室で見せるのはほんの一面でしかないことに気付かされます。

新しい環境にまだなじめずにいるかもしれないお子さんにそっと手渡したい一冊です。

2022年5月16日掲載(対象:小学校低学年以上向け)

『路線バスしゅっぱつ!』
鎌田 歩 作(福音館書店)

お出かけするのに気持ちのいい季節になってきました。バスや電車などの公共交通機関を利用して、少し遠出してみるのも楽しいですね。

日曜日に公園へ行くつばさくんたち4人は、初めて子どもたちだけで路線バスに乗ることになりました。路線図や時刻表も調べて、計画を立てていきます。4人がバスに乗る様子とともに、車内にあるたくさんの装置や案内表示、運転士さんの仕事も詳しく描かれています。

読み終わると路線バスの乗り降りの仕方が分かり、実際に出掛けてみたくなる絵本です。新しいことに挑戦するきっかけにもなるかもしれません。

2022年5月23日掲載(対象:小学校中学年以上向け)

『数字はわたしのことば』
シェリル・バードー 文 バーバラ・マクリントック 絵 福本 友美子 訳(ほるぷ出版)

18世紀、フランス革命のさなか、昼も夜も数学のことばかり考えている女の子がいました。彼女の名前は、ソフィー・ジェルマン。詩人が言葉を使うように、数字を使って宇宙の謎を解き明かすのが、彼女の夢でした。

女の子が学校に行くことさえできなかった時代、決して諦めることなく、好きなことを貫き通したソフィーの生き方は、勇気を与えてくれます。数学が大好きなソフィーの気持ちを表現した独創的な絵も魅力です。

さまざまな偏見や困難に遭いながらも、ひた向きに研究を続け、偉大な功績を残した女性数学者の姿を描いた伝記絵本です。

2022年5月30日掲載(対象:小学校高学年以上向け)

『ようこそ、難民!』
今泉 みね子 [著](合同出版)

2015年から約2年間、ドイツに120万人ともいわれる難民が押し寄せました。シリアなど中東で起こった紛争を逃れてきた人々です。

この本は、ドイツに住む少年マックスの目を通して、難民の子どもやその家族の状況、周囲の大人たちの難民に対する考え方の違いが物語形式で描かれています。

文化や習慣、宗教の違いなどから誤解が生じ、受け入れに反対する人が増える中、支援を続ける人もいます。相手を尊重しつつ、共生していくことの難しさを問い掛ける本です。

紛争や迫害のニュースが絶えない今、親子で考える機会になるといいですね。