こども図書館職員が中国新聞「子どもたちへ本の招待状」(2025年7月)で紹介した本です。
本選びの参考にいかがですか?
『ある晴れた夏の朝』
小手鞠 るい 著 (偕成社)
米国の8人の高校生が夏休みの間、4回にわたり、原爆投下の是非を問いながら、戦争と平和を考える公開討論会を行う。中国系、ユダヤ系、アフリカ系など、さまざまなルーツを持つメンバーは、肯定派・否定派に分かれ、資料を集め、分析し、議論の戦術を練る。主人公の日系米国人のメイは、原爆否定派として、峠三吉の詩「八月六日」を紹介する。お互いに異なる意見を浮き彫りにし、差異を受け入れていく討論会の勝敗は...。
世界平和を望むことを前提に、一人一人が多様な視点を持つことの大切さを知る物語です。平和を考える第一歩として読んでみませんか。
『番ねずみのヤカちゃん』
リチャード・ウィルバー さく 松岡 享子 やく 大社 玲子 え (福音館書店)
ドドさんの家の壁のすき間に、「やかましやのヤカちゃん」と呼ばれている子ねずみがいました。お母さんねずみからは、決して音をたててはいけないと教えられていましたが、ヤカちゃんの声はとてつもなく大きかったため、ドドさんに家にねずみがいると知られてしまいます。ドドさんは、ねずみ捕りのわなをしかけたり、猫を飼ったりしてヤカちゃんを捕まえようとします。そんなある晩、ドドさんの家に泥棒がやってきて......。全ページに挿絵があり読みやすく、ヤカちゃんと一緒に声を出したくなる楽しい物語です。