こども図書館職員が中国新聞「子どもたちへ本の招待状」(2025年4月)で紹介した本です。
本選びの参考にいかがですか?
『ものぐさトミー』
ペーン・デュボア 文・絵 松岡 享子 訳(岩波書店)
トミー・ナマケンボは電気仕掛けの家に住んでいます。朝になるとベッドが自動的に動き出して体を起こし、寝間着を脱がし、熱いお湯のお風呂に滑り落とします。お風呂では、電気水かき回し機が体を洗います。浮輪式のベルトで支えられ、体を乾かすのも、歯を磨くのも、着替えや食事もすべて自動です。
ところがある夜、停電でベッドが動かなくなり、トミーは何日も眠り続けてしまいました。そしてまた、電気が流れるようになると...。
こんな便利で夢みたいな生活をしてみたい。そう思うか思わないかは読んでのお楽しみです。
『山をつくる』
菅 聖子 文(小峰書店)
東京都檜原村にある林業の会社「東京チェンソーズ」。春は苗木植え、夏は下草刈り、秋から冬は枝打ちや木の伐採と、木の育成サイクルに沿った作業を毎年繰り返します。1本の苗木が木材として使えるようになるまでには、通常50年から60年かかります。その成長成長に合わせた手入れも欠かせません。育てた木は無駄なく喜んで使ってもらえるよう、木の各部分を紹介するカタログの作成、魅力を引き出すおもちゃ作りと、みんなでアイデアを出し合います。未来を見つめ、職人としての誇りを持ち、林業の楽しさや理想を追求する情熱が伝わってくる作品です。