第7回21世紀広島市図書館計画検討委員会議事録
1 日時 平成14年12月19日木曜日 午後1時30分〜4時30分
2 場所 広島市立中央図書館3階セミナー室
3 出席委員 委員長 田村俊作 副委員長 柴田幸子
委員 岡原重則 熊本裕子 小池源吾 田中聰司 山田宏美
4 欠席委員 委員 久保田貴美子 中村隆行 前田香織
5 事務局 中央図書館長 こども図書館長 安佐南区図書館長
まんが図書館長 中央図書館管理課長・事業課長 外4名
6 議題 21世紀広島市図書館計画の提言の決定について
7 公開・非公開の別 公開
8 傍聴人の人数 0人
9 会議資料名 1 「まちの図書館化」をめざして -21世紀広島市図書館計画の提言(案)- 
2 「まちの図書館化」イメージ図2種
3 市民意見に対する考え方(提言に盛り込まなかったもの)
(委員長) 今日が最後の委員会である。今日は提言(案)をまとめる。提言(案)の内容の修正、イメージ図の検討、提言に盛り込まなかった市民意見についてどうするかという順に検討を行う。まず、提言の本文について、3人の委員からあらかじめ意見が出ているので、検討していく。
(委員) 「はじめに」の部分について2点ほど修正した方がいいと思い、出した。一つは、1ページの下半分の「政令指定都市という・・・」のところで、様々な今日的課題が書いてあり、長期的なビジョンを描くのは非常に難しい時代なので、本委員会においては2010年を目途にしてという言い方になるが、それにしてもパラグラフが見えにくい。また、長期的なビジョンがなかなか描けないというネガティブな表現が強すぎて、提言としては腰を引いているような言い方になっているので、重過ぎないような言い方に変えた方がいいと思う。それから、もう一点は、1ページの下から2ページにわたるところで「図書館の基本的な在り方を 「まちの図書館化」を基本テーマとした。」と書いてある。論理的にはおかしくないが、書名 というのは何を意図するかという問題意識がそこに表れたり、理念を表したりする。そういう意味で言うと「まちの図書館化」というのはまさしく提言の理念であり、シンボライズしたフレーズである。どういう意図を込めて「まちの図書館化」という言葉を標題にしたかということを高くうたいあげて、その理念を具現化するためには、図書館の有り様というのを「出会う」、「つなぐ」、「ふれあう」、「支えあう」という四つの機能を重視するというところに着目したという論の進め方の方がいい。しかも提言の標題に「まちの図書館化」をめざしてとある訳だからそういう言い方からすると2ページに「まちの図書館化」という説明があとから入るが、それよりは「図書館サービスを市民の生活の場面にくまなく行き渡らせ、それによって市民の誰もが、いつでも・・・仕組みづくりを目指して「まちの図書館化」を基本テーマにした。」、そして「その基本テーマである「まちの図書館化」を実現するために「出会う」、「つなぐ」、「ふれあう」、「支えあう」というところに図書館の在り方というものを考えていこうとする。」、そういう言い方の方が言いと思い、意見を申し上げた。
(委員長) 最初の「政令指定都市が・・・」というところだが、この部分が少しネガティブすぎるという意見だが、どうか。
(委員) 「政令指定都市が・・・」という部分はいらないのではないか。生かすとすれば、「政令指定都市という大都市が持つ活力や・・・経済構造の変化などに対応するため、第4次広島市基本計画に沿いながら、市民アンケート調査の・・・ご意見などを参考にしながら、つくった。」と要約すればいいと思う。
(委員長) 「政令指定都市が・・・」という段落はなくして、次の段落の「したがって」もなくして「本委員会においては、・・・」というところからどうするかだが。
(委員) 要素としては、「政令指定都市が持つ活力や利便性を生かし、少子高齢化、高度情報化など時代潮流を踏まえて策定された第4次広島市基本計画を踏まえ、図書館に対する市民アンケート調査結果も参考にしながら、」こういうものをまとめたという趣旨の文章でいいのではないか。
(委員長) 具体的な文案はあとで考えるとして、「政令指定都市」という段落はカットして、いくつかを次の段落にもってくる。その上で、文章としは「本委員会において」の次に何か入れて「第4次広島市基本計画を踏まえ、その目標年次である2010年を概ねの目標として」ということでいいか。前の段落は簡単にしかも趣旨としては前向きに書く。では、2番目の話についてどうか。
(委員) おっしゃるとおり、最初の「まちの図書館化」のことだが、うしろに出てくる「誰れでも、いつでも、どこでも利用できるという方向を目指して、「まちの図書館化」を基本テーマにした。」と言っておいて、それを受けて「県立図書館や大学図書館などと違って、より市民生活に結びついたきめ細かいサービスを提供する機能を持つような仕組みをつくることである。」という言い方にし、「330万冊・・・」というところにつなげればいい。最初にキャッチフレーズの意味を説明しておく。同じ公立でも県立図書館などとは違うということを入れておけばいいのではないか。
(委員長) 「本提言は・・・」からの部分だが、「本提言がねらうものは「まちの図書館化」である。」と言って「すなわち、図書館サービスを市民生活のいたるところに行き渡らせ、市民の誰もがいつでも、どこでも、図書館サービスを受けることができる仕組みをつくる」ということか。
(委員) ここのところは前段に「図書館サービスを行き渡らせ」としたが、後段も「図書館サービスを誰れでも受ける」ということにすると非常に受身である。「誰れでも図書館を活用できる」などという言い方にした方がいい。
(委員長) 「市民の誰れもが、いつでも、どこでも図書館サービスを活用することができる仕組みをつくることを目指す。」「それにより、「出会う」、「つなぐ」、「ふれあう」、「支えあう」という図書館の基本的な在り方を広島市において実現する」などにすればいい。それが「本提言は」から「基本テーマとした。」までの段落がそのようになる。そこまではよいか。次のページにある最初のところはなくなった訳だが、「330万冊」のところをどうするかだが、「市民生活に密着したきめ細かなサービス機能の実現を目指し、330万冊の豊富な資料群の構築とその管理体制の確立、インターネットの活用や分館の計画的配置などきめ細かなサービスの」の、きめ細かなは重なるので取り、「配置などサービスの実現、中央図書館の再整備とサービスの高度化など10の目標を設定し、その施策例を示した。」でどうか。最初にこの委員会が提言したいのは、「まちの図書館化」なのだということである。「まちの図書館化」とはこういうことである。「まちの図書館化」を実現するための具体的な目標はこうである、ということをその次に出す。その2点はよろしいか。
(委員) 言葉の問題だが、このページの上から7行目「映像文化ライブラリーや文学館の在り方の問題など」のところだが、在り方を図書館あるいは我々が考えるのではなくて、この検討委員会としてはそれらの施設と図書館のかかわり方、連携についての在り方までだと思うが、この書き方はどうだろうか。
(委員長) これは、あくまで本委員会が教育委員会に対して提言するものであるから、これでいいと思う。教育委員会の立場からすれば、全体としてこういう種類の機能をどう配置するかという、そういう全体的な視点に立って検討してほしい、図書館だけで考えるのではなくという部分がここに含まれていると思うので、これでいいのではないか。
(事務局) 図書館と非常に関連の深い機関であるが、今回の委員会では検討しなかった。だから、改めて中央図書館を建て替える時にいっしょに考えてほしいという趣旨である。
(委員長) 次が、学校教育との連携の強化をもっと議論したはずではないかという意見があったが、そのことについて検討する。今回の資料では18ページの「(2)さまざまな人々へのサービスの充実の エ 学校教育との連携の強化」のところである。(骨子)に目標と施策展開の各見出しが載せてあるが、このままでは学校連携が出てこない。学校との連携というのはむずかしいところがあり、担当の先生などで左右されるので、組織的な連携体制をとった方がいいのではないかということであった。本文ではこのような書き方になるだろうが、どうか。
(委員) 項目として一つ出してはどうか。
(委員長) あるいは「(2)さまざまな人々へのサービスの充実」の中頃あたりで学校などとの連携の強化にしてはどうか。
(委員) 重点施策の2番目の枠の「大学図書館・専門機関及び他の教育・文化施設との連携と情報のネットワークの形成」というそこの要素になるのではないか。
(委員長) そちらにも関係あるが、学校は強調したいという話であった。
(委員) その次にでも学校を入れてはどうか。小・中・高校との連携であるとか。
(委員長) 入れることにしようか。他の方はどうか。
(委員) インターネットで小学校からも図書館に通じるようにしてほしいし、どこに入れるかはよくわからないが、前の方のインターネットを活用しての連携というところか、「さまざまな人々へのサービスの充実」というところか、どちらかにインターネットでの連携も含めて入れていただきたい。
(委員長) では、重点施策に独立とした項目としてあげることにするか。
(委員) 独立した項目として出す方がいいのではないか。
(事務局) 18ページの(2)が「さまざまな人々へのサービスの充実」で、エが「学校教育との連携の強化」だが、その部分を独立させて(3)にして、(骨子)の方にも「さまざまな人々へのサービスの充実」の下に改めて一項目をつくるということでいかがか。
(委員長) (3)として、「学校教育との連携の強化」ということにしよう。エを(3)に格上げする。
(委員長) 「また、情報活用を図るため、学校ネットワークとの連携をすすめる。」というような文章をもう一文入れてはどうか。(3)で、アが「児童・生徒の読書環境を整える。」ということ、イが「情報活用を図るため、学校ネットワークとの連携を進める。」ということでよろしいか。
(委員) 「児童・生徒への読書指導の援助」というのはどうか。
(委員) (3)にア、イ、ウとして入れてはどうか。
(委員) 学校図書館の充実のためにさまざまな選書の援助などという形で入れる。そのあとにインターネットなどということで入れてもいいと思う。学校教育との連携をあげるのであれば、生涯学習関連機関、もしくは社会教育との連携強化というものもあっていいのではないか。
(委員長) 趣旨としては、公民館のことがかなり強調して書いてあるので、その中でそれは入れてもいいのではないか。「ニコニコ図書館」の「公民館図書室の図書館分室化・オンライン化の推進」というところはどうか。
(事務局) 19ページの7の「(1)コミュニティ文化活動の支援」のところへ生涯学習機関との連携の支援というのを入れているが。
(委員) 含んではいるが、読んだ人が納得できるような書き方になっていない。例えばコミュニティ活動とかコミュニティ文化のというのはさまざまな地域におけるグループ、サークル活動への援助というのを基本的にイメージする。それはいいが、生涯学習関連機関との連携の方が整理がつきやすい。
(委員長) 場所としては、今の文章が利便性の向上にかかわる話のところである。連携の話は「ニコニコ図書館」のところの方が、学校も5番のところより7番の「ニコニコ図書館」の方がいいと思う。「学校教育との連携強化」は7の方へもっていき、それと今の意見も「(1)コミュニティ活動の支援」という見出しを考えて、もう少しふくらませる形でいいのではないか。やはり「ニコニコ図書館」のところが連携の話なので、一番いいと思う。そうすると「学校教育との連携強化」は(2)でいいと思うが、どうか。「読書普及活動の推進」は(3)、「図書館の利用の促進」は(4)ということにする。(1)「コミュニティ文化活動の支援」を「生涯学習機関との連携の強化・コミュニティ文化活動の支援」にする。今の文章の中に二つの内容が含まれているが、これでいいか。
(委員) 「(2)読書普及活動の推進」に2として生涯学習機関との連携があり、課題別にまとめてあるが、機関別にまとめるのであれば、この項目がいるのかどうか。
(委員長) (2)の2は生涯学習機関と連携した講座の開催ということである。そうすると趣旨は、はっきりする。(2)は「学校教育との連携の強化」で、読書環境を整えるという話と学校ネットワークとの連携の話ということである。話としては、最初の「読書環境を整えるため」というところを分解するようなことになる。「学校教育との連携を強化するため、協議組織を設置する」、それから「学校訪問、図書館招待、資料の案内などを通じ、学校教育への支援を強化する。」ということでよいか。3番目がネットワークということで、そうするとやることが項目別にわかれることになる。7の「(2)学校教育との連携の強化」は3点あげることにしたい。
(委員) 元にもどるが、5の「(2)さまざまな人々へのサービスの充実」のところだが、問題はおきないだろうか。社会的弱者に対して特化したサービスをということで文章がつくられているが、こういう使い方をして問題はないだろうか。
(委員長) 図書館関係の提言では、だいたいこういう話が出る。今のところ、それで問題になったことはないと思う。
(委員) 市民の意見を中心に拾っているので、整理がついていないが、公民館については、20ページになるが、蔵書の充実・オンライン化について書いてあるが、巡回場所に公民館の位置づけをしてもらったり、あるいは読書に関する交流活動の場を設けるようなことが市民意見の中にあった。他にも市民意見の中でこれはと思うものをあげている。
(委員長) では、あとで「市民意見に対する考え方」について話しあうので、その時に、いっしょに議論したいと思うが、いかがか。今までにいただいた意見については、これでよろしいか。それ以外の部分で順番に見ていきたい。「はじめに」はよろしいか。(骨子)についてはあとで行うとして、「基本的在り方」についてはいかが。
(委員) 「つなぐ」のところの4項目だが、2番目の「もっと知りたいと・・・」を先にもってきた方がいいのではないか。その次が「専門的な資料や・・・」それから「大学や専門機関と・・・」という順の方がいい。「ふれあう」も最後の「ちょっと立ち寄り、・・・」を最初にして、それから「本を仲立ちにして・・・」という順番にした方がいいと思う。
(委員長) いかがか。確かにその方がいい。では、「つなぐ」の最初と2番目を入れ替える。「ふれあう」の「ちょっと立ち寄り・・・」を最初にする。
(委員) 「出会う」の3行目「子どもが」のあとに「、」を入れないと文がまぎらわしい。
(委員長) 「子どもが、忘れられない・・・」でいいか。
(委員) 上の行の「幼児が」のあとも「、」が必要ではないか。
(委員長) 幼児が、はじめて・・・」にする。ほかはよろしいか。では、次の「2 広島市図書館の現状と課題」の全体で、修正などはないか。
(委員) 6ページなどの全角部分は半角にお願いする。
(委員長) なければ、次の「3 施策展開の考え方」について何かないか。
(委員) 12ページの8行目だが、「「まち」のさまざまな場所に図書館サービスがさりげなく存在する。」という文章がある。この3については、とても大切な部分だと思い、読んだが、さりげなくとう謙虚な言い方ではな く、もっと積極的な当然のようにあるという言い方の方がいいのではないか。もっとアピールした言い方の方がいいと思うがいかがか。
(委員長) 当たり前のようにということか。「自然に存在するとか」、「当たり前に存在するとか」そのような言い方にする。その次の下の行だが、先ほども言われたように「どこでも図書館サービスを活用する」という言い方の方がいい。ここは確かに大切なページである。
(委員) その下の方で「図書館で対応できないものについては、専門機関につないでいく・・・」という部分だが、つないでいくというイメージがわかない。「協力を得ていく」とか、「専門機関と連携を図りながら」という表現方法の方がよいのではないか。図書館で対応できなければ、次の専門機関への紹介を図る訳だから、それを「つなぐ」と表現してもまちがいではないが。
(委員長) 「基本的な在り方」にあわせるような形であるので、これでいいと思うが。
(委員) 先ほど言われたところだが、「「まち」のいたるところで図書館サービスと出会う。それにより市民の誰もが日常的に図書館とふれあい、いつでもどこでも・・・」というようにしてはどうか。
(委員) そこは、「「まち」のいたるところで「図書館」と出会う。」とし、図書館サービスのサービスというところはなくてもいいのではないか。
(委員長) では、そのようにする。ほかはよろしいか。
(委員) 下から2つ目のパラグラフ、これは文章がおかしい。「別の言い方をすれば、・・・」と言って、最後何で受けるかというと「連携を図りながらつくりあげていくということもできる。」というのは終わり方がおかしい。
(委員) 「つくりあげていくことである。」でいいのではないか。
(委員) 13ページ最後の「ニコニコ図書館」のところで「単に本や資料を借りたり必要な情報を」というところがあるが、本、資料、情報、あるいは図書館資料という部分もある。イメージとしてはわかるが、図書館資料なのか、情報なのか、適切な言葉の使い方があると思うが、言葉の整合性がとれていないのではないか。
(委員長) あまり厳密にはあえてしていないが、本や資料というのは、確かに本やその他の資料と言った方がいいと思う。読みものというような印象で話をする時は本でいいと思う。学習・調査・研究にかかわる部分は知識や情報の方が、要するに中身の方が大事だということで、そういう言い方の方がいいだろう。資料というのは両方にまたがるような言葉だと思う。おおまかにはそういうことで、学術論文を書いている訳ではないので、厳密には言わなくてもそれぐらいでいいのではないか。
(事務局) その問題は、文章をつくる中でもいろいろと議論した。いわゆる資料選択や収集のところなどは図書館資料という表現にし、ある程度使いわけてはいるつもりである。
(委員長) あまり「本や資料」という言い方はしないように思う。「本や資料」というと、ダブっているような印象を与える。そこは言葉を少し考えたい。ほかにはいかがか。では、「4 目標と施策の展開」に移る。
(委員) 15ページの見出しや16ページの4行目の「10分の1」も全角であるので、半角にしていただきたい。
(委員長) 前に申しあげた全角を半角に揃えきれていないものがあるので、揃えていただく。
(委員) 18ページの「6 ホスピタリティ」という言葉が出てくるが、これはどうしても使わないといけない言葉なのか。
(委員長) 必要だろうか。なくても「くつろぎの快適空間の創出」でいいと思うが。
(委員) 「ホスピタリティに満ちた」というところはいらないのではないか。
(委員長) 端的な方がいいので、これは消す。「くつろぎの快適空間の創出」にする。
(委員) 17ページの「3 次代につなぐ・・・」のところだが、ここに書いてあることを(1)にして、最初の行の「啓発に努める」を削って(2)に、返却の遅れている貸出本の回収に向けてボランティアの協力など回収策に努めるという性格のようなものを入れてほしいが、どうか。それと閲覧室の死角をなくすなどという意見もある。各施設の構造の改善など工夫をこらしてなどというようなことと、市民への啓発を入れるとここが充実するのではないかと思う。
(委員長) 啓発に努めるが、一つある。
(委員) 「貸出手続確認装置などの機器を設置して紛失を防止し、図書館資料の良好な保存・管理に努める。」というのが、まずあって、2番目に返却が遅れている貸出本の多角的な回収策に努めるというようなことを、保存・管理の問題ということで入れてはどうか。
(委員長) ボランティアの協力を得て、回収ということになるとプライバシーの問題が出てくるので、表現がむずかしい。
(委員) 一つの方策としてあげただけで、そこまで書くということではないが、何らかの方策が必要である。
(委員長) 「延滞本の回収策を講じるなど」という表現で最初の方に入れてはどうか。図書館では紛失本とセットで考えることが多いと思うので、「紛失本を防止し、延滞本の回収策を講じるなど」でいかがか。1番目がそういうことにして、2番目が死角とか構造の問題になるが、ねらいは何か。
(委員) き損とか紛失をなくすということだと思うが。
(委員長) 広島市の図書館は、ほかの都市に比べれば、構造はわりに考えられていると思うが。
(委員) 紛失本というのはどうしても出てくるものだと思う。図書館にBDS(ブック・ディテクション・システム)を設置すれば、これは死角があろうがなかろうが、解決するのではないか。
(委員長) 死角をつくらないというのは、図書館をつくる時の原則である。施設面での配慮ということだが、一般的な言い方になってしまうが、「図書館資料の適切な管理のため、死角をなくすなど施設面での改善を行う。」というのでいかがか。3番目に「図書館資料が市民の共有財産であるという認識を深めるため、市民に対する啓発に努める。」ということになる。
(委員) 啓発が最初ではないか。装置をつけて、死角をなくし、啓発が最後ではおかしい。
(委員長) では、1番目を啓発にする。ほかはどうか。
(委員) 18ページの(2)の障害者という言葉は、言い方としてあまり適切ではないように思うが、どうか。
(委員) 抵抗感のある言葉ではあるが、例えばここだけであれば、高齢者を高齢の人、障害者を障害を持つ人という言い換えはできるが、全体にかかわってくるであろうし、言い換えれば済むということでは終わらない。
(委員長) 言い換えも考えられるが、言い換えて、逆に課題がぼやけることがある。高齢者にしても障害者にしても外国人にしても、いわゆる図書館の課題で、出来ていないところということでどちらかというとはっきり書いた方がいいかなと思う。結局、どれもサービスとして出来ていない、ノウハウも蓄積されていない部分であるし、障害者もライフワークでもそうだが、単純に施設だけ整えていればいいという訳ではなくて、受け入れる体制というか全体をつくっていなければだめである。そういう観点が今は足りない。 そういう訳で、ここはこのままでどうだろうか。具体的な課題を明確にする意味では書いておいた方がいいと思うが。
(委員) 市民意見の中に「貸出中の本や貸出の期間や、返却がいつになるかをわかるようにしてほしい。」というものがあったが。
(事務局) それについては、現在検討中のコンピュータのシステムの中で登録してパスワードをお持ちの方には自分の情報だけ、インターネットを通じてわかるようにすることを考えている。文章でいうと18ページのウの「インターネットにより24時間利用できる本の検索や予約などを実施し、」の「など」の中に入っている。
(委員長) 一応、実現できる体制に入っているので、具体的に書かなくても「など」でいいのではないか。
(委員) 「イ 人々の生活様式の多様化・・・開館時間の延長などを検討する。」のところであるが、「早起き老人であるとか、特に夜働く人のために」という市民意見や週休2日間制に対応して、早朝開館や夜間開館を入れた方がいいのではないか。職員の問題なども伴ってはくるが。
(委員長) 夜間などでいいのではないか。
(委員) 時代の要請に応えるのであれば、既成概念にとらわれず、24時間とまではいかなくてももっと具体的にこれぐらいの言葉は入った方がいいと思うが。
(委員長) 早朝といってもどれぐらいの時間をさすのか、イメージがわかない。夜間というぐらいの方がいいのではないか。
(委員) 夜間開館ぐらいでいいと思うが。
(委員長) 一応、夜間開館ぐらいでいかがか。夜間などで入れることにする。イメージ図について検討する。図については2種類ある。中央図書館が真ん中にあるものと、市民と図書館が左右に並んでいるものとあるが、ご意見をお願いする。
(委員) 図書館が真ん中にある方が、わかりやすいとは思うが。
(委員) イメージ図の入るスペースを考えると、少しゴチャゴチャしているような気がするが。
(事務局) スペースについては、図に盛り込む内容により、大きく取ることもできる。
(委員) 「まちの図書館化」といった時に、それが具体的なイメージとして反映されている方がいい訳で、そういう意味では建物がある方がいいと思う。右側に市民のいろいろな生活が描かれ左側に図書館が別にある。例えば、いろいろな機関とのネットワーク化というのは、図書館を媒介にしながら県立図書館や大学図書館などとつながるそういったシステムになると思うが、そうなると図書館の右側ではなく左側にくる方がいいのではないかと思った。
(委員) 公民館も左側だと思う。
(委員長) 公民館も位置が違うし、もっと図書館と密接だと思う。
(委員) 全部は描けないにしても、図書館が市民にとってどういうシステムかというのが、わかるような図であることが必要である。そういう意味では図書館が中央にある方がいいような気もするが。
(委員) 図書館が真ん中にあってそれぞれにつながっていく方がいいと思う。市民とつながることを強調したいということで市民を右側にもってきているのだろうが、つながるところのそれぞれに市民の絵を描くことによって市民と交わるイメージにはなると思う。
(委員長) 図書館が真ん中にきた図で、それぞれのポイント、ポイントで市民と接触するような感じにした方がいいということか。
(委員) 21世紀の図書館を考えると、図書館と市民が左右にある図の方がいいと思う。右側の市民というサークルの中に職場や学校、家庭の環境の中にすべてパソコンがあり、そのパソコンを通して、左側の図書館にアクセスしている。21世紀というイメージはこちらの方がある。いつでもどこでも誰でも図書館にアクセスできる、図書館に行かなくてもいいということでは、イメージがわく。市民が中心になって図書館へアクセスできる21世紀の図書館の在り方としては見てとれる。
(委員) そういう目で見ると、見えなくもないが、職場の図などは仕事をしているようにしか見えないのではないか。
(委員) 図書館と市民ということであれば、真ん中に図書館ある方がいいと思う。1つずついろいろなものとつないでくれば、真ん中に図書館ある方がわかりやすいと思う。
(委員) 「まちの図書館化」というものがわかれば、どちらでもよい。
(委員長) 配置として真ん中に図書館群があり、同心円上というわけでもないが、まわりにいろいろなものを配置すればいい。コンビニと、駅・バスターミナルは近くで、公民館はもっと大きくして真ん中近くに寄せて、図としてはカウンターで本を借りるだけではなくて、公民館活動をやっているところに本があるようなあわせたような図がいいだろう。それから県立・大学図書館は大学図書館、専門機関などということで左上の方にある程度、距離も考えながら配置するようなことでどうか。家庭と学校はどうだろうか。
(委員) (骨子)の「出会う」、「つなぐ」・・・というのが、イメージ図になるというのはどうか。
(委員長) 「まちの図書館化」のイメージ図であるので、まちのいたるところに図書館があるということと、それが市民活動に溶け込んでいるということだ。それからもう一つ「つなぐ」という話で大学や専門機関などとちゃんとつながっているというその三つが、ここで出したいことである。だから公民館のところで市民とつながっているというイメージがあるのではないかと思う。公民館というのは図書館のサービスがある場所でもあるし、そこが市民活動が行われる場所でもある。それで公民館を少し強調したい。それに大学や専門機関とつなぐというのがあって、それからまちのいたるところでというのでコンビニなどがあって、あと学校と家庭についてはどうか。大まかなところはそのようなことでよろしいか。コンセプトとしては、図書館を中心にしてまちのいたるところに図書館と出会える場所がある。それが市民の活動につながっているというイメージがもう一つあり、他の機関とつながっている。その三つがその中で表現するような形でいいと思う。図としては、真ん中に図書館群がきて、そのまわりにそういう市民生活が描かれるということでいいか。では、次に提言に盛り込まなかった市民意見に対する考え方を検討する。
  (資料「市民意見に対する考え方(提言に盛り込まなかったもの)」に沿って説明)
(委員長) 公表についてはどうか。
(事務局) 提言に盛り込んだものとそうでなかったものを整理し、意見の概要と対応についてホームページなども含めて公開してはどうかと考えている。
(委員) 図書館としての広報広聴関係の記述はないか。例えば、ホームページに新刊書をジャンル別に紹介するとか、学級・講座など主催事業をPRするとか、あるいはそのホームページに市民の様々な意見が寄せられるとか、市民と直接つながるようなシステムというか窓口を設ける必要はないのか。
(事務局) 提言で言うと17ページの4の「(1)インターネットを活用した図書館サービスの実現」というところの最後に「図書館ホームページを充実させ・・・様々な情報を発信する。」というのが、広報関係で該当するところかと思うが。
(委員) これはこれでもいいが、旧来の資料に関する情報を聞いているということよりも図書館自身をPRするという活動をイメージしている。それと市民の声が直接届くような窓口があるのが重要である。
(委員長) 4の(1)は基本的にはサービスの話である。PRの話とは別だと思う。場所としては、21ページの10のところにPRの充実というのを入れたほうがいいと思う。図書館のホームページにそういうものを作ってもいいと思う。図書館によっては、投書箱と掲示板をつくり、投書された内容を館長のほうから回答するようなことをやっている。それぐらいのことはしたほうがいい。それから図書館が何をやっているかというのはどんどん知らせるべきである。今回の提言の考え方はまちにどんどん出て行くということだったので、入れたほうがいい。入れるとすれば、9か10のところだと思うが、いかがか。
(委員) そう思う。せっかく良書目録などを作っても、あるルート以外には届かない。ホームページなどで市民に知らせるべきであるし、そうすると図書館が何をやっているか見えてくると思う。
(委員) 新聞などに書評などが載っているが、そういうものから情報を得る人もいると思う。そうすると図書館にどんな新刊本が入ったか、ジャンル毎に出てくればおもしろそうだから図書館へ行ってみようということになれば、もっと市民に身近なサービスになると思う。まちに出ていく、そういうやり方ができると市民との関係も大きく変わるのではないか。
(委員長) 見出しはどうか。10番の(4)の評価システムづくりの前に、「PR活動など市民とのコミュニケーションの充実」ということで入れてはどうか。
(委員) 内容としては、広報活動ということで、どういう情報どういう形で提供するのか、それから広聴活動ということで、市民からの意見をどういうルートで聞くという場面をつくるかという、そういう両面からのアプローチがある。
(委員長) 広報と広聴ということで、こちらからどんな情報をどんなルートを通じて流すかという話を書く。ホームページはその一つである。それ以外にも、館内掲示のようなものが考えられる。
(委員) 図書館長の顔が見えないというのも、例えばメールマガジンをつくり、いろいろな情報を提供するような運営をすれば違ってくる。
(委員長) 将来の話で、ここには書いていないが、例えば、登録した人はインターネットを通じて予約ができるとすると、その時にはパスワードなどでその人たちのためのページに入れることになる。登録した人たにはメールマガジンを配信するとか、そういうことはたくさんできると思う。やり方はいろいろある。本のやり取りに付随してそういう話が出てくる。それは、大事なのではないか。広報活動、広聴活動両方とも、どういう内容をどういうチャンネルを通じて提供したり、受取るか、その辺のことを書くことにする。
(委員) 提言の本文に戻るが、19ページの「8 身近で図書館サービスを受けられるきめ細かな図書館配置」は「身近できめ細かな図書館サービスを受けられる適正な図書館配置」だろうと思う。きめ細かな図書館配置ではなく、きめ細かな図書館サービスとすべきではないかと思う。それから、21ページの9の(2)「市民との協働の受け皿づくり」という部分だが、言葉としてわからなくもないが、結局、市民ボランティアのことだから「市民ボランティアの受け皿づくり」とした方がいいと思う。
(委員長) まず19ページの8が「身近できめ細かな図書館サービスを受けられる適正な図書館配置」それから9の(2)は「ボランティアの受け皿づくり」でいいと思う。では、市民意見に対する考え方の方に戻るが、いかがか。
(委員) 「本の虫図書館」のことだが、古い本を受け入れることにより、必要でないものを持って来られる心配もあると思うが、中にはいいものもあるかもしれないので、条件をつけて受け入れることを考えるということはどうか。
(委員長) 今、ベストセラー本は、既に寄贈を受け入れていると思う。だから特定の本ではないかと思う。
(委員) やはり、取捨選択をするということだと思う。例えば、研究家の生の一次資料などは、やはり受け入れてくれるところがあればいいと思う。
(委員) 例えば初版本などもあると思う。
(委員長) 地域資料などはそういうことが必要だが、ここでの回答としては、提言には入れず、これでいいのではないか。寄贈された資料で必要なものは、現に選択して、受け入れている。
(委員) 市民は、公共図書館が受け入れてくれるということを知らないと思う。だから情報が市民に届くようになればいいと思う。
(委員長) PRということだろうが、どういう資料を集めたいかということが決まらないと、できないと思う。地域資料関係については、確かに必要なことである。公共図書館の話ではないが、アメリカのコロンビア大学の図書館がメルビル・デューイのコレクションを持っているが、アメリカの公共図書館の貸出カードが何箱もあるとか、大学などへ行くとそういうものもある。また、これは集める話ではないが、浦安の図書館が街路の写真を何年かおきに撮っている。そうすると街の変貌というのが記録として残る。そういうことは公共図書館がやってもいいとは思うが。
(委員) 前にかえるが、目次で言うと4の4「市民が求める情報ニーズに迅速に対応するための質の高いレファレンス・サービスの充実」というところだが、迅速に対応するから質が高いというのが、どうも少しずれているような感じがするが。例えば「情報ニーズに対応するための迅速で質の高い」とするのが重要なのではないかと思う。これからのサービスの在り方を一つは「迅速に」、一つは「質の高い」ということにするのであれば、「情報ニーズに対応するための迅速で質の高いレファレンス・サービスの充実」のほうがいいのではないか。
(委員長) 17ページもそうなる。「情報ニーズに対応する迅速で質の高いレファレンス・サービス」ということだが、迅速で質の高い・・・で、さらにサービスの充実というよりは「レファレンス・サービスの提供」の方がいい。では、「市民意見に対する考え方(提言に盛り込まなかったもの)」はこれでいいか。それでは、これで一応、検討を終わることにして、本日の話を踏まえながら、委員長、副委員長、事務局でとりまとめさせていただくことでいいか。
(同意)
(委員長) では、そのようにさせていただく。これで、我々の検討の最後ということだが、今後の日程について事務局から説明していただく。
(事務局) どうもありがとうございました。今後の日程だが、できるだけ早く最終的なまとめをつくり、1月初旬には教育委員会に提出していただけるような段取りにしたい。その後、市民などへの広報をしていきたいと考えている。それと市民意見についても先程のような一覧表にしてホームページなどで公開して、見ていただけるような形をとっていきたい。
(委員長) これで「21世紀広島市図書館計画検討委員会」を終了する。このように、活発に議論が行われるとは思わなかったし、分館は全部まわり、また、周辺部の公民館図書室などにも案内いただいて、広島市の図書館の様子を拝見したり、市民アンケートなどで市民がどのようなことを考えているかも分かり、たいへん参考となった。ありがとうございました。では、最後に館長のほうからご挨拶いただく。
(事務局) 教育長にかわり、お礼のご挨拶を申し上げる。委員の皆様には本当にお忙しい中、長期間にわたり、熱心にご検討いただき、立派な提言ができることになり、心からお礼申し上げる。特に田村委員長には遠いところから、お出かけをいただき、ありがとうございました。この提言は、「まちの図書館化」を基本テーマにしており、図書館サービスの場が、従来から言われている図書館という建物だけではなく、建物から外に出て、まちの中のいろいろなところで、いろいろな機会をとらえ、図書館サービスが活用できるような、そういうものにしていこうという非常に新しい発想でまとめられている。そういう意味では、今の時代に相応しいものと考えている。これに盛り込まれた内容については、実現のためにはまだ日数を要するものもあるし、日常の図書館運営の中で、今すぐにでも取りかからなければならないものもたくさんある。特に、資料収集の方針であるとか、運営評価システム、開館時間、開館日の在り方であるとか、こういったものは早急に取りかかっていきたいと思う。それから、コンピュータやインターネットの環境整備は、現在、進行中であるので、いままでのご意見を踏まえて、充実したものにしていきたいと思っている。また、行政計画としては、ハードに関わる部分というのは、市全体の計画の中に位置づけて実現を図っていかなければならないものであり、そういう課題もたくさんある。公民館図書室と図書館のオンラインの問題、分館の整備、中央図書館の再整備という問題は、市の行政計画に位置づけをしていかなければいけないと思っている。現在、広島市は2010年を目途とした第4次基本計画の中で仕事が進んでいる。その中で3年ないし、4年毎に実施計画というものを策定している。次の実施計画が2004年度からとなる予定なので、その中にできるだけ盛り込んでいくような努力をしていきたい。事務局として、多々行き届かない点もあったと思うが、委員の皆様方のご協力によって、ここまでたどり着くことができたことでお許しをいただきたい。なお、委員の皆様方におかれては、今後も市民という立場から、またそれぞれの立場から、提言の実現のために、引き続きご指導、ご支援をいただきたい。長期間にわたりお世話になり、厚くお礼申しあげる。ありがとうございました。
(委員長) 事務局もいろいろご苦労様でした。我々も図書館の応援団のつもりでいるので、この提言を活用していただいて、図書館の改革に取り組んでいただきたい。
(閉会)
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