第6回21世紀広島市図書館計画検討委員会議事録
1 日時 平成14年11月28日木曜日 午後1時30分〜4時30分
2 場所 広島市立中央図書館3階セミナー室
3 出席委員 委員長 田村俊作
委員 久保田貴美子 熊本裕子 小池源吾 田中聰司 中村隆行 山田宏美
4 欠席委員 副委員長 柴田幸子
委員 岡原重則 前田香織
5 事務局 中央図書館長 こども図書館長 安佐南区図書館長
まんが図書館長 中央図書館管理課長・事業課長 外4名
6 議題 21世紀広島市図書館計画提言(案)について
7 公開・非公開の別 公開
8 傍聴人の人数 1人
9 会議資料名 「まちの図書館化」をめざして-21世紀広島市図書館計画の提言(案)-
(委員長) 今回は、提言(案)について協議をしたい。10月31日にシンポジウムがあったが、検討委員会としては、前回の会議でまとめた(骨子)を説明した。そのほかに、アナウンサーの神田康秋氏や秋葉市長の講演があった。秋葉市長の話は個人的には非常に面白く、骨子(案)で出した「まちの図書館化」という言葉を気に入っていただき、出してよかったと思った。
議題1 21世紀広島市図書館計画提言(案)について
(資料「まちの図書館化」をめざして -21世紀広島市図書館計画の提言(案)-により、説明 )
(委員長) では、この提言(案)をもとに、議論をしていきたい。まず、表紙や目次の構成については、いかが。中身の議論をしないと、なかなか難しいと思うが、「まちの図書館化をめざして」というタイトルについては、いかがか。
(同意)
(委員長) では、これでいいということにしたい。それから目次の構成としては、最初に「はじめに」、提言の(骨子)として全体を要約したものがあり、基本的在り方以下が、(骨子)の一つ一つについての詳しい説明ということになるが、全体の構成はいかがか。
(同意)
(委員長) では、これもいいということにする。次に、全体の議論ということで、「はじめに」から「(骨子)」までの部分について、何か意見はあるか。
(委員) 「はじめに」だが、どういう方向付けをする(骨子)をまとめたのか、目標に出ている4つの観点からこういうものをつくったということを言った方がいい。中央図書館の改築など中央館の機能強化をするといったことがあったほうがいい。
(委員長) ほかにはいかが。次の2ページ目の「提言の概要」というのはいらないのではないか。となりの(骨子)の繰り返しになるので、思い切ってやめて、「はじめに」のところに、特に主張したいことを盛り込みたい。
(委員) 何を打ち出すのかというようなことがいると思う。
(委員長) 最初に、沿革が書いてあり、次に課題、そして当委員会の付託事項が書いてあるが、もう少し詳しく書いた方がいいと思う。何を託されたかについては、後ろの資料編の設置要綱の所掌事務を要約した形で、はじめに書いた方がいいのではないかと思った。それから、審議経過が出ていて、1ページ目の提言を取りまとめて、その次に先程のこの提言では、というようなことで順番はよろしいか。では、「提言をとりまとめた。」という文章と次の「今後、この提言が」という文章の間に、「提言では、この4つの観点から検討し、このようなことを目標とするような図書館づくりを提言した」というようなことを書いてはどうか。「はじめに」がかなり長くなるので、2ページ目までかかる。それで、2ページ目の提言の概要をやめる。(骨子)についてはどうか。これでよろしいか。では、次の個別のところで、4ページ目から順番に見ていく。(骨子)でいくと、基本的在り方に関する部分は、この委員会の最初のところで議論したことになるが、「出会う」、「つなぐ」、「ふれあう」、「支えあう」という4つのキーワードで図書館の在り方、図書館は本来どういう存在なのかというようなことが、提言されている。ここの部分はいかがか。書き方なども含めてご意見をいただきたい。
(委員) 体言止と普通の文章が入っているのは、どちらかに揃えた方がいい。
(委員長) 体言止めに全部揃えるのもなかなか難しいので、体言止めをやめて文章の形にし、表現を揃えることにする。
(委員) (骨子)の課題の部分だが、それぞれに「xxの課題」と書いてあるが、「の課題」というのはいらないのではないか。
(委員長) では、「xxの課題」の「課題」という部分を全部取るということでよろしいか。4ページ目に戻って、基本的在り方のところでほかにはないか。なければ、これでいいということで、次にいきたい。2の広島市図書館の現状と課題が5ページ目から12ページ目まであるが、ここの部分はいかがか。
(委員) 5ページ、7ページのグラフだが、8ページぐらいの大きさはあった方がいいと思う。
(委員長) 確かに8ページぐらいに、グラフを大きくしたほうがいい。あとはいかがか。
(委員) 小さいことだが、数字を半角でいれた方がいいのではないか。
(委員長) パーセントなど数字は全体に全部半角にしたい。他にはないか。この課題は次の施策展開に関わる話だが、それでは次にいきたい。では、次の施策展開の考え方を一つずつ見ていく。1番が基本テーマで、「まちの図書館化」ということだが、13ページ目の「まちの図書館化」についてはいかがか。これが、今後重要なこととなってくるし、全体のタイトルにもなっている。
(委員) 下のイラストだが、広島市の「まちの図書館化」に文部省の「2005年の図書館像」のイラストが入っているが。
(事務局) 今回出したイラストは、たたき台ということで、内容も情報だけに限られており、十分とは言えないので、これをもとにもう少し工夫したいと思う。
(委員) 前の市民意見募集のときの表紙のイラストのようなものがいいのではないか。
(委員) 基本的在り方の「出会う」、「つなぐ」「ふれあう」、「支えあう」の4つでもいいし、あるいは個々の「ワクワク」、「ラクラク」、「ニコニコ」、「イキイキ」でもいいので、それを象徴するような4コマくらいのものをつくるとか、広島市独自のものをつくってはどうか。
(委員) 平成12年の発行ということで14年ともなれば、さらにいろいろなことが加わり、この絵よりももっと進んでくると思う。例えば、国会図書館であるとか、いろいろな関連機関とのつながりなども必要であろうし、少し工夫が必要である。
(委員長) イメージ図については、かなりインパクトを与えるので、工夫して、例えば公民館との連携を深めるという話があるので、公民館はかなり大きく書いて、そことつながるようにする。それから、学校やコンビニなども入っていい。提言の(骨子)の部分に関わるような図で、全体で見たら、確かにまちの中に図書館があるというか、まちに図書館が出ていくというイメージがわかるような図にしたい。
(委員) どういうイラストを入れるのかというのは、教育委員会あたりが様々な電子図書館とか図書館の在り方というのを出しているが、自動車と同じで、各メーカーが生産能力が高まれば、似たり寄ったりの自動車ができあがってくる。あまり個性化というのが見えてこない。図書館にしてもいろいろと見通してみると、だいたい同じところへつくるというのは、これはある部分ではやむを得ないとは思うが。だからなおさらのこと、実は中央官庁がやっている政策に準じたものだというイメージがわかるようなことをやるべきではなく、そういう意味ではこの文部省が出した「2005年の図書館像」というのはよくない。このことを具体的にもう少し基本的に言えば、どこに今回われわれが求めようとしている答申に特徴があるのかをもう少し考えなければいけない。そうすると、「まちの図書館化」がキャッチフレーズだから、コンセプトがいったい何なのかというのをもっと練り上げる必要がある。ここに図書館化しているのは何かと書いてあるが、もっともっと多様な側面というのを論じなければいけない。ところがここに書いてある具体的な機能というのは、結局、住民がそれぞれ生活の場面で図書館の恩恵というのを享受できるようなシステムをという、その程度に収まっている。そうではなくて、もっと市民の中にある多様な情報というも のを汲みあげたり、あるいは先ほども出ていたが、この中央図書館を拠点とする、市内の図書館のだけではなく、もっとマクロな市外の様々な生涯学習機関やあるいは、ネット上のものまでつなぐのかということまで視野に納めた概念なのか、それともただ単にアウトリーチという形で図書館機能をもう少し市民の手の届くようなところへ便宜を図りましょうという程度のものなのかという、その辺がまだ明確になってないような気がする。もう少しここで言う「まちの図書館化」とはこういう側面があるともっと明確に打ち出さないと一体何なのかという、非常に抽象的な概念で、反対する人はいないと思うが、それだけに危険でどうにでも取れる定義というそういう概念を勝手に使ってはいけない。そうすると、もう少し概念を明確にしなければいけないと思う。
(委員長) 具体的には、たとえばどんな側面があると思うか。
(委員) 「2005年の図書館像」を読んでいったときに、図書館が一体どういう方向に向かおうとしていて、いま、議論しているのがどこなのかと見比べてみたが、例えば電子図書館化と言っても論者によっていろいろ違う。そうすると、あるいはここでいうITを使ったときに、どのレベルのことをイメージしてITを使って図書館サービスをするのかという、そこをまだ実はまだなにも触れていないということだ。どこまでの情報というのを取り寄せて市民がアクセスできるようにするのか、それは、今中央図書館をはじめとする広島市の図書館がもっている情報という、あるいは資料情報というのを提供しましょうというそれだけの話なのか、もっと、先ほど国会図書館がという議論も出たし、あるいは全国の県立図書館とつなげた形で文献情報というものを提供しようと言っているのか、そのあたりがわからない。今回そこまで踏み込む必要がないのならば、ここは具体的にはいいのだけれども、それにしてもここでいう「まちの図書館化」というのはどこのレベルのどういう側面を含んだものなのかということは出しておく必要はあるだろうと思う。
(委員長) 他はいかがか。今の話は、今まで結構はっきり出ていると思っているし、議論はしてきたと思っている。
(委員) こういうイメージ図を描くのは、なるべくシンプルにした方がいいと思うので、国会図書館とも、同じ公立と言っても県立図書館とも違う市立図書館で、「まちの図書館化」と言っている訳だから、世界とつないだり、他の研究機関につないだり、もちろん課題の中に書いてあるので、そういうのは、大前提として、イメージ図の中に描くには、真ん中に例えば、提言している中央図書館の高層ビルを描いて、周りに緑があって、そこにカフェテラスがあって、お茶を飲みながら市民が本を読んでいて、お年寄りも来れば子供もいる。家庭をつなぐあるいは医療機関、寝てる人が本を読みながらつなぐ、分館とつなぐみたいな、市民生活を機軸にしたようなイメージ図をここに入れればいいと思う。それで、あとは、ボランティア活動しているというようないくつかのコマをなるべくここへ課題で盛り込んだ特徴的なものを拾いだして、市民生活にかかわるような構図にすれば、地球儀と結んだり、デジタル化というのはもう大前提であり、どこにもあるような構図になるので、それはもういらない。市民生活と図書館が一体化する、そういうイメージがわくようなものを構図に入れるなどして描いたらどうかと思う。
(委員長) では、ここで「まちの図書館化」と言ったときに、どういうイメージを盛り込むかコンセンサスをつめておきたい。いまのご意見は、中央図書館を軸にして生活の中に図書館が入り込むようなイメージを書いて、その背後にインターネットの普及などといった、あるいは通信ネットワークなどを活用した他との連携というのは、前提としてあるだろうということであった。
(委員) イメージとしては、単語でいうとネットワークといろいろな他機関とのコラボレートなり協働のイメージが全体として全市を図書館化するというようなイメージである。そうすると、どういう館とネットワークを組むかというと、会社もあれば家庭もあれば、というこの二つはいいとして、そのほかにもっと公民館もあれば、大学もあれば、それが日本規模になり世界規模になり、確かに文部省がまとめてはいるが、いま言われたように、アレンジをすればいいのかなと思っている。
(委員長) 全体に「まちの図書館化」で、イメージされるのは、ネットワーク、コラボレーションというようなことで、いずれにしても図書館が市民とかあるいはいろいろな機関とネットワークを組むということか。
(委員) それか、身近な存在というか、つないでいくし、協働、コラボレーションすることが支えるとかいっしょに学ぶとか、最初のキーワードにつながってくるかとなと思っている。
(委員長) そのときのコラボレーションというのは、もう少し具体的に何かないか。例えば、こんな形とか。
(委員) 前にも議論したように、例えば、大学、専門的なものについては、大学とつなぐとか。
(委員長) 市内の大学図書館なんかが中心になるかと思うが、そういうところとつないで、図書館が仲立ちになって市民や大学などがつながるというようなことか。
(委員) 単なるネットワークでつながるというだけではなくて、市民参加させるとか、もっと身近なものにさせるというのは、もっと能動的な関わり方をもてということだろうから、そういう意味でいうと、いわゆる協働、コラボレーションというイメージが、全体としての図書館構想というのに近いのかなと思う。
(委員長) 図書館をつくっていくようなものにも参加していくというようなことか。つなぐ役割を図書館に持ってもらったりもするし。
(委員) そういう意味でいうと図書館がコーディネーター的なことになる。
(委員) つなぐ場合にも図書館をどことつなごうかというときに、その資料情報面をどことつなぐのかというのと、提供先をどこでつなぐのかということといっしょにするとごちゃごちゃになってしまうので、そうすると情報源としては、大学もあるし、インターネットもあるし、諸外国もあろうし、そうなるとグローバリゼーションと同じでエリアという概念はもう消えてしまう。そのときに「まちの図書館化」という概念が出てきたということは、これは提供するところというのがかなり強くイメージがあるのかなと 思う。では「まちの図書館化」というのはどういう概念か、そして情報源のところとどういうふうにつなぐというシステムのところがどうもこの記述では弱いように思うので、その辺の概念を明らかにしなければと思う。
(委員) 市民も年寄りも子どもも描いてもらいたい。できれば「まちの図書館化」という「まち」というもののイメージが一市民としては本も読めて、絵も見て音楽も聞けて勉強もできてというように、理想とするものはたくさんあるが、そういったものが全部はできないと思うが、少しずつみんなが近寄っていけるような施設の一つであるということもあってほしい。広島市の図書館が今、何を一番しようとしているのかということを一つ描いてほしい。たくさん描かれても、一市民としては見ないので、強烈にわかるようにできたら描いてあればいいと思う。
(委員長) そうすると、お年寄りとかいろいろな人たちが絵の中に入り、そういう人たちが、図書館とどう関わる絵を描きたいと思うか。
(委員) 図書館で本を読めることもあるし、できたら公民館とかでテレビ電話を使って、レファレンスなんかも中央図書館につなげてもらってできるなどというイメージである。
(委員長) 身近なところで図書館を使うということか。
(委員) 情報も得るというイメージがあればと思う。
(委員長) 身近なところで図書館のいろいろなサービスが利用できる、そういう環境か。
(委員) それで、「まちの図書館」というイメージになると思う。それがいろいろな大学や文化施設、インターネットですぐ調べられるように、つながっていればいい。
(委員長) 身近なところで利用する。図書館を通じて、そういうものが利用できるような環境になっていてくれればいいということか。
(委員) 一番身近なところでは、物流ですぐ本が届くとか、情報が届くというようなことがありがたい。
(委員長) 身近なところで、本や情報が利用できる環境というのがほしいということか。
(委員) 世界とインターネットなどでつながっていてほしい反面、「まちの図書館化」という言葉が出ているので、身近なところで図書館があるような絵があれば、いいかなと思う。図書館に行きたくてもこれないお年寄りの方とか、障害者の方もいらっしゃると思うので、そういう人たちも本を読めますよというような絵で、もっと図書館や本が近いですよというものがあればいいと思う。あと、ここで本を読めるとか、図書館で静かにしなければいけないという反面、屋外でリラックスして座って読めるようなスペースなどがあればいい。
(委員長) 図書館は静かなところではないという話もある。結構、静かなところは使いにくいのではないかというのがあり、ゾーニングというのではないかと思うが、静かなスペースもいるが、実はうるさくできるスペースがないと図書館は気がぬけないというのか、外へ出たら、ホッとする感じになるというのは、あまり図書館としてはよくないのではないかという気がする。
(委員) ただ、図書館というところは、子どもたちにモラルを教えるところかなと思うので静かなところも必要なわけで、外の緑の環境の中で本を読むという記述もあればいいのかなと思う。
(委員長) 図書館がまちの中と交わるような、とけ込むようなということか。
(委員) 静かなところで本を読むというのは、堅苦しいとかあるいはその方が本を読めるという方もいるので、それが絵に表していればいいのかなと思った。
(委員長) アンケートで出てきた市民の要望が大きかったと思う。「まちの図書館化」ということで、まず身近なところで資料を利用したり、図書館のいろいろなサービスを利用できる環境を整えるというのが、基本にあると思う。それが入口になって、いろいろなものとつないだり、それから市民同士がつながるような、そういう図書館づくりをしていきたいというイメージでいたが、どうか。
(委員) 身近な生活のどこででもサービスは享受できますよということだと思う。問題は、サービスの中身というか、広島市の図書館がもっている資料を前提にしてというのはわかるが、それだけではなくて、どういうふうにつなぐかということがもう一面あるので、それがやはり情報として、あるいは資料としてどこと結んで多様な資料というか情報というものを提供できますよということを、もう一方でもっていないと、生活の場で多様な市民のニーズに応えられない。それを、どことつなぐのかということをここに盛り込まないと、「まちの図書館化」というのは、サービスのそういう場面だけをいくら論じても、何が提供できるのかということが落ちているのではないのかと思う。
(委員長) 前に議論はしていると思うが、市内の大学図書館と、それから専門的な例えば原爆資料館など、想定していたのは市内の機関だったと思う。そういうところで、出向ける範囲というのをかなり重視しようというようなイメージだったと思う。そういう出向ける範囲のところに図書館が日常的に連携をとっておく。それで、そういうところがどういう資料をもっていてどういう情報を提供できるのかというディレクトリ情報を図書館はもっていて、適宜紹介する。それが、つなぐという役割ではないかという話をしていたと思う。だから、図書館としては、基本的な専門書は一応全部揃っているという体制にはしておく必要はある。図書館がその専門書で答えられる範囲は答えてほしい。つまり、それがレファレンスなのだろうと思うが、それを超えた部分は、市内のいろいろな機関と連携をとって個人的にもサービスを受けられるというような体制をとっていく。それ以上の話になると、例えば、国会図書館などと、いわゆる協力貸出というわけで、既にやっていらっしゃると思うが、ただ、その辺はバックアップの話になるので、あまり強調しなくてもいいのかなと思う。むしろ、市内に現にあるのにお互いに協力しないためにうまく活用できなくなっているようなところを掘り起こしていく。それも、「まちの図書館化」であると思うが。
(委員) 基本テーマの「まちの図書館化」のイメージ図をどういう構成にするかということだから、われわれが提言したような充実した中央図書館をシンボリックに真ん中に置いて描けば、コンパクトに描けると思う。言葉で書けば、職場であったり、家庭であったり公民館であったりということである。もう一つは地域のボランティア活動など、いくつかの市民生活の主なところを描けばいいのではないか。全部入っているとごちゃごちゃになるから、それは大前提としてあって、そういう機能を持っていてそれが市民とどうやりとりしているかを描けばいい。
(委員長) 文章も対応した文章にすればいいと思うが、いかがか。
(委員) まちのイメージとそれが要するに広島市というまちが、図書館ということなので、まちのイメージ、この流れでいくと公民館もある、区の図書館もある、大学もある、ここで、文部省のもので欠けているのは、まちのイメージでもうひとつの主役はやはり市民一人ひとりというか、人だと思う。人が関わっているというのがここに入れば、広島市という全体が一つの図書館のようなということだろう。
(委員長) それでいいと思う。だから、あえて世界は出さない方がいいというのか、無理して描かなくても、広島のまちの中で人々の生活というのがあって、そこに、図書館が、中央館と分館があって、それから、公民館とか大学とか、その他の機関などが結ばれている。それから、図書館では、いろいろな館内での専門的な情報の、図にはならないかもしれないが、あと外のところでくつろげるようなイメージなどの感じで、図をつくり、それから文章も、そのようなことでいいのではないかなという気がするが、いまのようなことを文章で書いて、それを絵解きするような形でいかがか。
(委員) 絵を見て、みなさん、図書館と家庭とか学校とかつながるのはインターネットで、つながることでわかるかもしれないが、本を読んでいる図があったら、これにはそれが全然ない。
(委員長) これはないほうがよかったかもしれないが、「2005年の図書館像」というのは、要するに2005年に図書館の電子化が大幅にすすんだときに図書館がどうなるかというようなイメージ図で、コンピュータばかり出てくる図である。図は先ほどから出ているような図にして、上の文章のところはいいと思うが、あと、つなぐ話だが、図書館では、応じられないような専門的なものについては、大学図書館などとつなぐ、まちの様々な機関と一体となってサービスを展開するような体制をつくっていきたいとい うことでいいか。いまの話と密接に関わる話だが、2の基本的方向、14ページはいかがか。「ワクワク図書館」というのが、資料、情報の話。それから、「ラクラク図書館」がサービス、「ニコニコ図書館」が施設面の話、「イキイキ図書館」が管理運営に関わる話ということで、ここはいかがか。
(委員) 13ページの「生活の場にあわせた図書館機能をつくりあげていく」というところの「図書館機能」は「図書館サービス体系」の方がいいと思う。それから14ページの(1)の「ワクワク図書館」のところで、「それらの」というパラグラフの文章は「必要であり」そしてまた最後に「必要である」となっているが、もう少し考えた方がいい。それから、(2)の「ラクラク図書館」は、「図書館利用者には、子ども・・・」そして最後に「対象者がいる。」という文章で終わっているが、これは「図書館利用者は様々で」という方がいい。それから「専門知識や情報通信技術などを活用して」ではなくて、専門知識というのが、文として少し浮いてしまう。それから3番目の「ニコニコ図書館」の場合の「探したりする場だけではなく、本や資料を仲立ちにしてくつろいだ」という文章も「探したりする場だけではなく、本に囲まれた空間でくつろぎ、資料を仲立ちにして、人とふれあい交流する場でもある。」それから、次の行の真ん中あたりで、「本と人」というところでここまで削ってしまうが、「本と人、人と人、人と自分が出会う場としての役割が図書館に求められている」とか、4番目が「イキイキ図書館」ということになると、これは、やはり図書館が最初に出てくるだろうと、そうすると「図書館が市民の活動を支える、図書館の活動を市民が支える。」という文章でないといけない。「そして、図書館が多くの市民に利用されるためには、その運営に市民が参加するとともに、」真ん中に入って、「市民の視点での評価が欠かせない。そうすることで、市民と図書館は、ともにいきいきと支えあう関係がうまれてくる。」でどうか。
(委員長) 今のは、どれも文章としていいのではないか。なるべく、直裁に、わかりやすい表現にしようというのが趣旨で、非常に納得がいく。表現も、中身については、これでよろしいか。では、表現は、そういう形で、直していきたい。では、次の4の目標と施策の展開について話し合うことにする。
(委員) ここに、330万冊とか230万冊とか数値目標が掲げてあるが、予算の裏づけがないと夢物語になってしまう。現状を考慮した方がいいのではないか。
(事務局) 現実的には、予算は特にここ2、3年かなり財政的に厳しくなっており、減少している。ただ、今回は計画で、一応、2010年、あるいは、もう少し先を見通したということで、この330万冊というのは、中央図書館を含めた全部の整備計画が整った、そこを目指した数字という考え方で出している。あまり現実の条件に引っ張られると、少しみじめな数字になるかなと思うが。
(委員) 今のご意見には二つの理由で反対である。つまり、この具体的な数値というのは、先ほど最初に申し上げたが、少し一般論に流れすぎかなと、あるいは個性がないという話で、つまり具体的に数値を入れることによって、いわゆる一般論を論じたものではないということになる。だから、「まちの図書館化」という意味では、市民が図書館利用をもっともっと活発にやってほしいということで、入れるべきだと思っている。そして、図書館計画検討委員会は、外部から図書館はこうあってほしいと我々が意見を出す、そういう種類のものである。330万冊というものを達成してくださいねと、この委員会として要望を入れるべきだと思う。
(委員) この基本計画の「はじめに」のところに2010年を目標にしてという言葉はないか。
(事務局) 21世紀という言い方をしていて、最初のときに教育長がご挨拶で申し上げたのは、今の市の総合計画が、一応2010年という目標があるので、だいたい、それまでに具体化を目指すものと、なお、それ以後、しかるべく期間を経て達成していくべきものと、整理をお願いできればという言い方をしている。
(委員) 21世紀は100年あるので、例えば、2010年を目標にした21世紀図書館計画だということを言う必要があるのか、ないのかということだが。
(事務局) 「おわりに」のところ、22ページになるが、そこに今言ったような話を入れている。特に4行目からの「したがって、(中略) スケジュールを明確にした施策の展開が図られることを要望する。」というような形で、そのあたりのことを、入れている。
(委員) むしろ、概ね2010年を目標とするとか、一つの目玉として、330万冊を入れたほうがいいのではないかと思う。先ほどから、何を打ち出したのか、目玉がわかりにくい、シンボリックにあえて「はじめに」の方に入れるべきだと思う。
(委員長) 確かに、ここで計画完成時と言っているのは、何をさすかというのはいると思う。では、(1)のところは、中央図書館で専門書を中心としたコレクションがこの程度、分館にはこの程度、公民館図書室などを通じて、 まちの中に出てくのがこの程度というような内訳を入れていくことにする。このくらいあれば、非常に利用しやすい環境が生まれるであろうということで、考えたい。確かに330万冊と何回も出てくるし、それにしては説明が簡単すぎる感じがする。
(委員) どこから出てきた話なのだろうという感じもする。
(委員長) このくらいの割合でせめて考えているという話は出してもいい。そうすると、計画完成時というのは、要するに、中央図書館ができて、分館網が整備された時点だというのがわかると思うし、では、よろしいか。1の(1)蔵書の構築のところは詳しく、ほかには4ではなにかないか、全般でうかがいたいと思うが。特に、ここのところはというようなことはないか。
(委員) 2の(2)というのがあるが、そこだけは粗雑な書き方になっているので、もう少し文章になるようにしないといけない。
(委員長) デジタルコンテンツ化とかデジタルアーカイブとか、堅くなってしまう。もう少しわかりやすい言葉で言えるのではないかと思う。では、一つずつ見ていく。1番目の「多様化高度化する市民の情報ニーズに応える豊かな蔵書の実現」だが、これはいかが。330万冊のところは先ほどのとおり直すということだが、(2)、(3)は、前に一応議論はしてきた話なので、こんなことでよろしいか。
(委員) 3行目の「外部の圧力によって偏向を強いられたり、図書館員の恣意に陥ることがあってはならない。」という表現が気になるが。
(委員長) 船橋市の話か何かが念頭にあって、書かれているのではないかという気がする。あまり、時事的なものには影響を受けない方がいいように思う。
(委員) 「市民の意見を大事にする」ぐらいの方がいいのではないか。
(委員) ただ、「市民の意見を大事にする」といってもいろいろな市民がいる。だから、逆に言えば、選書というものは、図書館司書の、あるいは館長の専門性というのが大事であるというようなことを出したいのだろうが、そこは、ある意味では、図書館の精神なり、理念というのをうたいあげている訳だけれども、ここだけが格調高くて、堅くなっている。
(委員長) 「多様な意見に配慮し、」とか、それから「恣意に陥る」というのも堅いので、この辺ももうちょっと工夫していたい。
(委員) 「外部の圧力に」というような書き方ではなくて、「公平な資料選定を行うためにこういう会を設けて」というような表現の方がいい。
(委員長) では、そこは表現を見直していきたいと思う。次の「2 広島の個性となる資料情報の収集・創造・発信」についてはいかが。(2)は、まだ、下書きのような感じなので、ここは直していくということでよろしいか。 では、「3 次代につなぐ図書館資料の保存・管理体制の整備」は、いかがか。
(委員) これ古文書とか貴重な資料とかに多少限定する必要はないか。
(委員長) (2)は具体的だが、(1)がいかにも漠然とした表現だという印象がある。確かに適切な施設設備というのはどういうことかなあという感じがする。
(委員) 「共有財産であるという認識を深め、図書館資料の紛失を防ぐなど、良好な状態を保つため、図書館施設の整備を行い、市民の理解を求めるような広報活動などに力を入れる。」というのは、どうか。
(委員長) それは、(2)の方がむしろいいのではないか。紛失は(2)の貸出手続き確認装置というのがその話で、いわゆる紛失防止装置のことである。広報とか啓発活動という話も(2)にあっていいかなと思うが。ただ、やはり(1)が、漠然としている。もう少し何か具体例を入れるなどした方がいいと思う。
(委員) 上の2の(2)をこちらに移してはどうか。
(委員長) 2の(2)をあえてここでうたうアピールしたいような事情があれば、ここに入れていてもいいが。広島文学資料のデジタル化というのが緊急の課題だというのであれば、確かに、そういうふうにしてもいいと思うが。
(事務局) 2の(2)のところは、広島文学資料のデータベース化を進めているし、それからいわゆる古い資料で、アーカイブ化というか、映像、電子化して、画像を提供していくというそういうことが一つある。3の(1)のところは、図書館資料の適切な保存管理が必要だという一般的な表現として書いていて、例えば、開架室で利用するにしてもそこの設備だとか、それから環境ということも必要であるし、また、貴重な資料のみならず一般的に日常的に使われる資料の維持管理など、そういう意味も含まれているから、具体的に何をということはいってない。
(委員長) すると、(1)、(2)と分けなくても、一つにまとめてしまった方が、もっと簡潔になっていいと思うが、よろしいか。では、3の(1)、(2)はひとまとめにしたい。
  (休憩)
(委員長) 引き続いて、4の「専門知識や情報通信技術を駆使した市民が求める情報の迅速な紹介・提供を行うための質の高いレファレンス・サービスの充実」という見出しのところはいかがか。
(委員) 見出しの「専門知識や情報通信技術を駆使した」というのは、具体的に(1)やほかのところに出てくるので、ここでは「市民の求める情報を迅速に紹介・提供するため」ではどうか。
(委員長) 対応するだけでもいいかもしれない。「市民が求める情報に迅速に対応するための、質の高いレファレンス・サービスの充実」でいいと思う。あとはいかがか。(2)の「図書資料などを扱う」というところだが、「はじめとして図書資料などを扱ったり専門情報を提供する」でいいのではないか。
(委員) (3)レファレンス・ライブラリアンの養成のところで、「レファレンス・サービスのセンターとして」という文章があるが、その文章は「レファレンス・サービスを行う」などの方がいいのではないか。
(委員長) 「センターである」とか、「レファレンス・サービスを中心的に担う中央館において」とかでどうか。あとはよろしいか。では、次の5の「サービスの個別化、高度化、高速化、24時間化の推進などアクセス環境の利便性向上」というところはどうか。
(委員) (2)の「エ 学校教育との連携の強化」のところだが、今の子どもたちは、図書館を利用したことがない子が多い。次男が通っている小学校は、西区図書館の近くにあり、総合学習の「まち探検」などで図書館をはじめいろいろなところに行くが、学校の授業の一環として、図書館を利用することを案内することができたら、子どもたちは図書館を利用することができるようになるし、本を大事にすることなども学ぶ機会にもなる。小学校3年生のまち探検の中で、図書館に行けるよう申し込めたらいいと思う。
(事務局) 既に全部の学校に、図書館招待という形で、案内を出しているので、あとは学校での判断で申し込んでいただいている。
(委員) 司書教諭はもう必置になっているのか。
(委員長) 来年度から、12学級以上の学校でということだったと思うが。
(委員) そういった方々と連携して、例えば図書館利用教育とか、情報リテラシーを総合学習の中でやるとか、そのときに、図書館が、出向いていくというようなことはできないか。
(事務局) それも学校の要請に基づいて、実際に実施しているものもある。
(委員) そんなことをやってくれるとは、多くの学校が思っていないかもしれない。
(事務局) それも、やはり案内を出している。それと司書教諭の配置は、専任ではなく兼任である。どこまでできるかはわからないが、来年度以降は、できればそういう司書教諭の方とも連携できたらいいとは思うが、今はなんとも言えない。
(委員長) 読書活動推進法の関係で何か広島はやるというような計画はあるのか。その中でも学校司書は司書教諭とは別に置いた方がいいというようなことが、基本計画の中にいきなり入っていたので、かなりびっくりした。何かやるというようなことは、ないか。
(事務局) 広島市では、今のところ特に動きはない。
(委員長) 司書教諭の活動だけでは不十分なので、学校司書を専任で別に置いてもいいのではないかという話は、ずっと前からあり、それが、読書活動推進法の文科省の基本計画の中に出ている。自治体の方はいきなり投げられて、もっと驚いているだろうなと思った。そういうことが、もし実現すれば、連携はとりやすくなるかなという気はするが。
(委員) 公民館で活況を呈していた頃は、30代から50代の女性たちというのが、たくさん参加していた。それが10年経ち、20年経って高齢化してきて、おじいちゃんおばあちゃんばっかりである。つまり、後続の世代を、全然引きつけてこなかったし、養成してこなかったという、つけが今まわってきている。そうすると、読書活動とか読書人というものをどういうふうにして、継続的に次の世代を養成していくかということを学校教育も、社会教育も、すべてのセクションがそれぞれ連携しあって、取り組まなければいけないと思う。その辺がなわばり意識が強くて、自分の土俵を設定してしまって、そこからもう出ようとしない。とにかく、どちらからでもいいから、働きかけて破るということをやらないと、それこそ、「まちの図書館化」というのだけれども、実は、読書人口がどんどん減っているというのでは困るわけだから、そういった活動というのは連携してやってもいいという気がする。
(委員長) エの文章は、「情報ネットワークの構築するなど」というのは、読書環境を整えるための方策の一つだから、むしろ後の方にもってきて、「児童生徒の読書環境を整えるため」というのを先頭にして、「学校図書館関係者との協議組織を設置し、情報ネットワークを構築するなど」としてはどうか。
(委員) 図書館利用教育とか情報教育の推進ということで、学校に対しては何をするのか、あるいは生徒に対してはどうするのかということも、この部分は学習機会の提供のところだから、全部入れていいが、よく、朝の読書などのときにも、学校図書館の本は数も少ないし、もう決まりきっているから、そうしたときにパッケージにして図書館が提供してくれれば助かると聞く。そうした形なら、学校も助かる訳だから利用図書の提供をもっと積極的に行うなど、教育作用として考える、そういう側面とわけて考えてはどうか。
(委員長) 今の話は、7の(2)のところでいいと思う。読書普及活動という言い方をしているが、ここの言い方をもう少し工夫すればいいかなという気がする。おっしゃるとおりで、読書人口を増やすということは、図書館のすごく大事な仕事の一つだと思うので、そういう読書機会を提供する、それから読書啓発の機会を提供するということである。そのような趣旨を(2)の最初のところに書けばいいのかなと思った。エはこれでいいか。単発的なものはどうしても、それぞれの人によって左右される部分が大きく、せっかく協力の目が育っても、人が代わるとすぐ元に戻るようなことの繰り返しだったので、それを継続的なものにしたいということで、協議組織をつくることも書いてある。ここは、文面を直すということで、情報ネットワークだけが、連携協力という形になると、いかにもITだけというような印象になってしまうので、今やっているようなことでもいいので、連携の例を入れるということでいいか。
(委員) これは、言葉の取り方の問題だと思うが、5の表題のところに「24時間化の推進など」と書いてあるが、(1)のところで、いつでも本を返せるからという24時間化のことだと思うが、その後の方に「開館時間の延長」という文章が出てくると、図書館が24時間開いているととられるかもしれない。5の表題については、「サービスの充実とアクセス環境の利便性の向上」にしておいた方がいいのではないか。
(委員長) 前の(骨子)の方は少し具体的な方がいいので、(骨子)のところの24時間化は残して、表題からは取るということでどうか。
(委員) サービスの個別化というのを、あえて、打ち出してきたのは何か意味があるのか。つまり、図書館サービスというのはもともと、個別だと思うが。
(事務局) 確かにサービスは一人ひとりのためだが、まとまりとして高齢者とか障害者に対しては今まで必ずしも十分ではなかった。そこでもう少し意識したサービスをという意味で個別化という言葉をあえて出している。確かに表題は別になくても、具体的には書いてあるが。
(委員) 「個別化、高度化、高速化」というイメージからすると、おかしいなという感じがする。例えば、生涯学習をベースにするなら、すべての人へのサービスといって、そういう意味からすると、高齢者とか障害者とか、あるいは外国人というのは十全に受けることもなかった。だから、彼らにというのならわかるが、個別化と言っているのが、少し落ち着きが悪いなというふうに思う。
(委員長) (2)は、「様々な人々への」という感じか。
(委員) それと「アクセス環境の利便性」の「利便性」という言葉はいるのだろうか。
(委員長) なくても、いいかもしれない。そうすると、ずいぶんすっきりして、「サービスの充実とアクセス環境の向上」ということになるがどうか。
(事務局) 図書館サービスがライフスタイルに合わせて24時間、コンピュータ上だけれどもサービスがなされるようになるというところが大きいので、「24時間化」というのはできたらはずしたくないと思うが。
(委員長) 見出しだと、文脈を離れて別のとられ方をすると思うので、1の本文の中にそういう意味での24時間化という言葉を入れる。前後の文脈がちゃんとしっかりしていれば誤解は招かないと思う。それでよろしいか。
(委員) (2)はア、イ、ウ、エとなっている。(1)も3つのことが書いてあるので、ア、イ、ウとした方がいいのではないか。
(委員長) (1)も、ア、イ、ウでいいか。では、6の「ホスピタリティに満ちたくつろぎの快適空間の創出」はいかがか。
(委員) 例えば、多少、少人数のグループで読書会などを行う空間もここに入れていいのか。
(委員長) 本を媒介に、いろいろそこでしゃべったりできる場所ということであれば、そうなると思う。
(委員) 交流、ふれあうというのは、本を媒介にということか。
(委員長) 7に具体的に書くか、6に列挙するのでもいい。
(委員) 図書館も本を集めるだけ、そしてそれを借り出すだけ、あるいは閲覧するだけではなくて、もう少し余裕のある空間をというのがあったので、そういうスペースがあればいいと思う。
(委員長) (1)の中に具体的に、こういう場所、こんなふうにというのを出しているので、ここに、入れてはどうか。
(委員) 談話できるような空間という、そういうものを入れてはどうか。
(委員長) くつろいで、おしゃべりができるような空間というゾーニングという形でいくと、大阪市立中央図書館も、もう少しそういうのがあってもいいのかなという印象は持った。飲食スペースが少し切り離されていて、談話とか、読書スペースとうまくまざっていないという印象である。ほかのところはもちろんすばらしい図書館だが。では、(1)にそれを入れ込み、(2)はそれでいいか。
(委員) (1)の(4)に「小さい子連れの利用者が安心して利用できるよう・・・」というのをあえてここに入れたのはどうしてか。
(事務局) 市民アンケートの自由記述や今回の市民意見募集の時にもあったが、小さいお子さんと来られた時に、子供がどうしてもじっとしていないので、しかったり、それから自分も安心して探せないとか、泣いたりするとほかの人の迷惑になるし、そういうほかの人に迷惑にならないように、区切りがあったり部屋が別になっていたりして、小さい子を連れていても安心して本が選べるようにというようなご意見が多かった。
(委員長) 確かに、意見であった。このくらいの表現でいいように思う。では、7番はいかがか。見出しは読書普及活動でもいいが、読書を啓発するような本の楽しさを伝え、読書を啓発するような活動というような言い方で、読書普及活動だけ何回も繰り返すのはどうかなと思う。
(事務局) 先ほど話に出た、小さい子、まだ図書館を使ったことのない子に使い方を教えるとか、図書館で言えば利用者教育のようなものが全体として表現がないので、そういうものをここに入れた方がいいかなと思ったが、それは、小さい子ばかりではなくて、大人の方にもある。図書館の使い方を、図書館の側から案内していくことは必要だと思った。
(委員長) 都立中央や多摩図書館で使い方についての講座をやっている。締め切りでお断りするぐらい申込みがあると聞いている。読書普及活動の中にそういうことを取り入れていくことにする。
(委員) 2の2に「生涯学習機関との連携」とあるが、図書をサービスすることによる生涯学習機関への学習支援など、もう少し踏み出して還元というようなことをもっとすべきだと思う。
(委員長) 公民館事業と連携した資料の提供というような形か。
(委員) 例えば、女性センターや勤労青少年ホームなど、生涯学習関連諸機関への図書サービスと言うと具体的すぎるかもしれないが、何か、そのようなことが一つ柱として出てきてもいいのではないか。つまり、今までは来る者に対してサービスしていたが、これからは出向いて行く。例えば、そこでやっているコンサートに、関係する文献・参考図書があげられていると、それが要するに講座の主催者に周知させて、このような文献が置いてある、一揃いパックで送ってくださいと言ってその講座期間中貸し出すぐらいのことをやれば、受講生たちも、その講座の学習に関係するものをそこで読めるとか、そういう活動というものがここに入るといいと思うが。
(委員長) 公民館などの生涯学習機関の事業と連携をした資料提供サービスというようなことで、具体的な例があった方が、連携と言ってもなかなかイメージが浮かばない。それで、よろしいか。
(委員) そこで例えば、本を読んだ人が、使った人が、図書館はこんなものを持っているのかというのがわかって、図書館をもっともっと利用しようという時に、チラシやパンフレットを置くとか、あるいは利用券を持っていないというのは潜在的な利用者だからいつでも利用できるんですよという利用案内を本の間にはさんでおくとか、もっと顕在化させるという積極的に何か考えなければいけない。
(委員長) 子育て支援みたいなことで、例えば保健所などで検診する時に図書館が出向いて行って、読み聞かせとか、年齢にあう本などを紹介してみたりとか、そういうことは、広島ではやっているか。
(事務局) 試行的だが、やっている。
(委員長) 市民活動の中に出向いて行って、関連した資料を提供したり、登録の機会をつくるようなことだが、7にサービスに触れる機会、あるいは、紹介する機会というのを、いろいろな場でつくっていくと入れてはどうか。
(委員) あるいは、読書活動の推進とか、あるいは市民の読書人の拡大というフォーマットをどこかにたてて、それにまつわるものをそこに集めてしまう。
(委員長) 読書普及とか、図書館の利用のPRということでいいかもしれない。では、3として、図書館の利用機会の拡大ということでいいか。そういう形で一項目、いろいろな場に出かけて行って、図書館の活動をPRするとともに利用者を増やすということで、よろしいか。
(委員) 蔵書330万冊と同じように、ある一つの努力目標みたいなものを設定すると、読んでいて印象が違ってくると思う。
(委員長) ここには、図書館の利用機会を増やすといった図書館をPRする機会を増やすということでよろしいか。7について「まちの図書館化」というような話のときには、割とアピールする話ではあると思うので、全体的に少し多めに書くということにする。8はいかがか。
(委員) 枠内の配置の考え方の(2)の文章だが、2行目「分館をバックアップし、」そこから次の「市民の調査研究に」というところで市民の調査研究というのは、「市民の高度な学習や調査研究に専門的に応える機能を中央図書館がもっていく」ではなく、「中央図書館が担当する」の方がいい。もう一点は、枠の下の(1)「新中央図書館の再整備にあたっては」という文章の2行目、「利便性の向上を図るため、それぞれいまある図書館の機能を強化する方向で統合する」というのを出したということか。
(委員長) 一本化しようということだ。
(委員) すんなりいくのか。
(委員長) その辺はピンとこないが、統合することについてはいろいろ意見があるのか。
(事務局) 特にこども図書館について歴史を踏まえて、埋没するような形は困るというご意見はあった。
(委員長) だからこの機能を強化する方向でという文言が入ったのだなあという、少し持って回った言い方になっているのは、その辺の配慮だと思ったが。一本化した方が、確かにサービスの利便性はどう考えても向上すると思うので、これでよろしいか。
(委員) 20ページの(3)に「公民館図書室の図書館分室化・…」というのと(4)で「高齢者施設などへの配本機能の強化」が出ている。先ほど言った女性センターと勤労青少年ホームとか、生涯学習関連機関への配本機能の強化ということを、もう一つ別立てで、(4)の前になるのか、あとになるのか、ここに入ると収まりがいいかもしれない。
(委員長) 基本的な考え方としては、要するに中央図書館機能、調査研究などの機能をもっと強化する方向で建て替える。それに対して、どこででも身近に利用できるような環境というのを、分館をもっと増やすということと、それから、分館で十分に対処できない部分は、基本的には公民館との連携の中でやっていくという考えで、今の「ともはと号」はもちろん完全になくなるわけではないが、自動車を使ったサービスというのは、こういう施設などに対する資料の配送の方にふりむけていくということでいい。だからここは、それがはっきり出るようにすればいいと思う。
(事務局) 先ほど出た、生涯学習関連機関に出向いていってサービスをするというような内容は、その事業ごととか、その時々の施設側からの要請に応じて資料提供していくということであるし、8の4というのは、いわゆる配本所ということで継続的に一定の分量の本をここに置いていくという性格であるから、ここは分けて考えた方がいいと思う。
(事務局) 高齢者施設以外の公共施設にも、既に配本サービスは行っており、さらに高齢者施設や障害者施設にも配本を拡大するということである。
(委員長) ここは、配本サービスの配本先を拡大するということで、地域主体の配本というよりも、施設主体の配本ということに切り替えていくということでいいか。
(委員) 近所の三篠公民館に配本されてる本だが、広島市の図書館の所蔵ラベルが貼ってあるが、コンピュータに入力されていない。公民館は西区図書館のすぐそばにあり、子どもたちは自分で図書館や公民館に行って本を借りてくるが、返す時に親はどちらに返していいか、わからなくなってしまう。公民館ではラベルを貼って、一応区別されているが、オンライン化がされていないから、子どもたちが勝手に紙に書いて帰って来るので、親は借りたかどうかもわからず、子どもたちに公共のものをちゃんと返さないといけないよということも説明もなく、催促もないから、ずっと本が家にあるようだ。早くオンライン化してもらいたいと思う。そうしないと、どこに返していいかもわからないし、間違って公民館に返したら図書館の本だったということもあるので、早目に、新しい公民館を作るときにオンライン化するとか、少しずつ計画を立てていくこということはできないだろうか。それから、疑問に思ったので公民館の方に聞いたら、配本の時も、新しいものが来るかと思うと同じものが来たりするらしい。ほかに探してほしいものもあるし、こういう要望があると公民館の方から言えるシステムが早くできればと思う。
(委員長) それは大事な、大きい話だが、今のことで何かあるか。
(委員) (3)で公民館の最後のところにあるように、「その他公民館については、これまでの配本所としての機能に加え、図書館の本の予約や返却が可能な中継サービス基地としての機能を付加し、長期的には図書館とのオンライン化を進める。」というこのオンライン化ということが具体化してこないと、バーコードというか、生きてこない。それで、今のこの書き方の中では、少し先の話になりそうだということがいるかどうかだが。
(委員) 公民館だけのネットワークがあると思うが、公民館の中だけ、あるいはその館だけのというのはどうか。今、手書きで全部しているのを、変えてほしいなというのが要望だが。ずさんな管理になっていると思う。子どもが借りたからと、返しに行ったらどこに書いているかわからなくて、何十枚もめくってそれを探すが、結局見つからなくて、預けて帰ったことがあった。
(委員長) 公民館図書室用の資料というのがあって、図書館資料としては登録されていない。利用もそれぞれの公民館の管理に委ねるというような形になっているが、それをどうするかということだと思う。長期的には図書館資料に組み込んでいくのだろうが。
(事務局) ただし、かなり先の話になる。
(委員長) やるとすると一気にやるしかないから、要するに、その中の例えば50冊だけオンライン化されても利用できない。利用者に区別がつくわけでもない。そこは図書館の方に近い将来の宿題として、長期的には全部図書館資料の中に組み入れられるということで、図書館資料と同じように利用できるような仕組みをつくっていくというようなことである。それが、(3)でうたわれているという理解でいいか。ほかにはよろしいか。では、9と10を一緒でどうか。
(委員) 9は(1)しかないが、分けた方がいいと思う。(1)が図書館ボランティア養成講座の開設ということで養成の問題、それから(2)が、新たに図書館ボランティアの受け皿づくりのこと、つまり養成したものをどういうふうにしてうまく協働作業というか、そこで運営していくのかという問題ということで分ければいい。
(委員長) よろしいか、その方が、確かに全体のアレンジを見てもいいと思う。9と10両方まとめてだが、ほかはいかがか。
(委員) 10の(2)だが、これもやはり専門的職員の確保という問題と養成、研修という問題は別の次元であるから、別仕立ての方がいい。
(委員長) 職員の養成を(3)にしてはどうか。
(委員) 例えば、職員の養成の問題で1があるが、「優れた職員の確保をし、図書館運営の中核を担う職員を養成する。」ということになれば、養成の問題にいつのまにかすり替わっている。これでは、いけない。
(委員長) では、1を二つに分け2、そして3が、職員の養成の話。4もそうである。だから1の一部と3、4が養成で、残りが(2)の話ということである。
(委員) 4の文章が少しおかしい。
(委員長) 趣旨は何か。3でも継続的な能力開発という話は出ているが、4の趣旨は何か。
(事務局) これは、特に市民の第一線でのサービスを担うという意識をしっかりと養う必要があるというご意見があったので、それを別立てにした。
(委員) 要するに、中央館は養成されてきているが、特にここでは分館を含めてライブラリアンをきちんと養成しなければいけないということか。
(委員長) 3が専門的職員に対してであり、4は職員全体にサービス精神をきちんと持ってあたってもらえるよう研修が必要であるということである。
(委員) 研修体制を整えるくらいの書き方の方がいいのかもしれない。5は、(2)へ書くか、(3)の「経営的な視点から・・・」の方に入れるかだが。
(委員長) 場所は、ここでいいのではないか。
(委員) 職員数のことだが、専門性を磨く研修をしても、サービス精神を養う体制をとっても、今の区図書館の体制は特に人数がたいへん少ないので、そういう研修をすることによって余計に仕事が増え、余裕がなくなることが考えられる。どこかに職員数の増をあげたい。
(委員) たぶん5がそれを言っていると思うが、職員数については、「図書館サービスに必要な人数を配置することが必要である」ぐらいでいいのではないか。
(委員長) この委員会では、この辺の経営管理については具体的に検討していない。そこは難しいと思うので、ここではむしろその前に目標を出す方が先である。その目標を達成するための方策としては、効率的な運営を確保するためとか、市民に開かれた経営を管理する、あるいは、ボランティアや市民参加を募るという、おおまかな条件だけ提示しておいて具体的な部分は論拠を出せるほどの議論はむずかしいと思ったので、あえて議論していない。当委員会の設置要綱の付託事項、所掌事務のところを見ると、どちらにも取れる。要綱の第2条の「21世紀の広島市における図書館の在り方や目指すべき方向性」には宿題として答えたと思うが、(2)で「本市図書館サービスの充実に向けた具体的施策の在り方」というのがあり、このうちの「図書館サービスの充実」ということに限定すればどうかと思うが、具体的施策の中身の範囲についてはあまりはっきりしていないので、あるいは、もっと経営管理の話に突っ込んでほしかったという議論の出る余地はあるだろう。ただ、当委員会の会議日数でそこまで議論するのは無理だと思った。そういうことで、あまり具体的な話はしていない。10の(1)なども一本化した方がいいに決まっているが、財団運営の形も含めてどのようにするかは、これぐらいの表現でいい。もっと検討するのであれば、もう一つ委員会のようなものを設けて検討するぐらいのことが必要だと思う。これだけの目標を達成するためには、どれだけの資金面とか、人材面での条件が必要で、それをなるべく効率的に達成するためにはどういう経営形態が適切かという議論になるが、この委員会ではそこまでは踏み込めない。ということなので、さらに検討してくれという言い方にしているわけだ。(2)の5にかかわることは、おっしゃるとおりの範囲で、それ以上具体的に、あるいは、もっと増員しろということも論拠は何だということになるので、言いにくいと思う。労働条件というのはいらないのではないか。
(事務局) (3)で3、4は、一つの項目とした方がいいのか。
(委員長) 3と4は別々でいいと思う。3は専門的職員の養成の話、4は専門的職員に限らず、図書館サービスの現場にたつ人、全員に対して求められる研修ということだ。
(委員) 5というのは、専門的職員の確保というところの(2)のところに入れてしまうのか。
(委員長) (3)の養成の話には、1の一部、3、4が、(2)には1の残りの部分と2、5がくるということでよろしいか。「おわりに」は、「本提言には・・・」と書いてある部分を「はじめに」の方にもってきてもっと具体的に、「330万冊の蔵書構築をはじめとした資料の充実」、「分館網の整備」、「公民館図書室の連携による資料提供体制の整備」あるいは「サービス体系の整備」でもいい、それから「新中央図書館の再整備による高度なサービスの充実」というようなことで、要望や提言していることが端的にわかるような形で入れればいいと思う。それから、できたら今申し上げた、今回積み残した経営管理関係のことは、一応輪郭だけ言っておいて、まだ詳細は今後の検討に委ねたいということも「はじめに」のところに言っていた方がいいかなと思う。「おわりに」では、最初の第1段落目、第2段落目、第3段落目はそういうことで、中で工夫を行いながら順次直していく。それから構想倒れにならないようにという要望を入れていけばいいと思うが、それでよろしいか。では、参考資料の市民意見のところについて説明願いたい。
(資料「まちの図書館化」をめざして-21世紀広島市図書館計画の提言(案)-巻末の参考資料「5 市民意見」により、説明)
(委員長) だいたいは、カバーされている。コンピュータセキュリティなどは、一般的な話で、特にこの中でカバーする話ではない。これは入れた方がいいということがあれば、あとで事務局の方にお願いする。
(委員) 「まちの図書館化」というのが、提言の象徴的な言葉であるから、これを「はじめに」に入れることと、そこに託された概念というのをもう少し具体的に入れたいが。市民の「誰もがいつでもどこでも」という、その図書館サービスを受けられるようなそんな図書館づくりをという意味を込めて「まちの図書館化」という表題を掲げましたという説明を入れれば、「はじめに」の部分ができあがると思う。それからもう一つは、4ページ目の基本的な在り方のところで、「出会う」、「つなぐ」、「ふれあう」、「支えあう」という文章があるが、少し文言を直した方がいいのかなと思うところが何ヵ所かある。
(委員長) 基本的在り方のところはポイントをかえて、もう少し説明があった方がいいのではないかと思う。これだけでは、あまりにも簡単すぎて、言いたいことが何なのかというのが伝わらない。そのことも含めて、全体はよろしいか。また、今の「誰もがいつでもどこでも」のところは、プラスアルファかなと思っている。そこが「つなぐ」話であり、専門的なものへつなぐ、学習機会を拡大するようなところにつなぐ、あるいは読書機会を拡大するようなところへつなぐという部分がアルファかなと思う。
(委員) 今までの図書館サービスという概念も大きくとらえましたという時に、こんなことも言えるなというのが必要である。
(委員長) その辺を「はじめに」のところでふれてみたいと思う。では、気が付いたことがあれば、事務局の方へお願いしたい。次回が委員会として最後になるが、12月19日(木)はいかがか。
(同意)
(閉会)
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