第4回21世紀広島市図書館計画検討委員会議事録
1 日時 平成14年8月23日金曜日 午後1時30分〜4時30分
2 場所 広島市立中央図書館3階セミナー室
3 出席委員 委員長 田村俊作 副委員長 柴田幸子
委員 岡原重則 熊本裕子 小池源吾 田中聰司 中村隆行 山田宏美
4 欠席委員 委員 久保田貴美子 前田香織
5 事務局 中央図書館長 こども図書館長 安佐南区図書館長
中央図書館管理課長 中央図書館事業課長 外4名
6 議題 1 広島市立中央図書館館内見学
2 論点整理について 
3 「21世紀広島市図書館計画の体系(案)」について
7 公開・非公開の別 公開
8 傍聴人の人数 1人
9 会議資料名 1 論点整理について
1-1 図書館資料について
1-2 これからの図書館サービスについて
1-3 図書館網整備について
1-4 大学図書館との連携
1-5 管理運営体制
1-6 ボランティアについて
2 「21世紀広島市図書館計画の体系(案)」
3 図書館に関する市民アンケート調査結果報告書
4 図書館サービスに関する来館者アンケート調査結果報告書
(委員長) 本日は、先に広島市立中央図書館の見学を行い、その後論点整理、「21世紀広島市図書館計画の体系(案)」を議論していく。
(中央図書館館内見学:広島資料室、参考閲覧室、浅野文庫、書庫、自由閲覧室A室、国連寄託図書館)
議題2 論点整理について 1-1 図書館資料について
(資料「論点整理について 1-1 図書館資料」についてに沿って説明。 )
(委員) 1ページ目の現状の真ん中あたりで、出版点数が6万6千点余りのうち38.4%、館内サービス分を見るとさらに低下して22.5%になる。出版される点数を全部買い揃えればいいが、それがなかなかできないということになれば、選書方針が重要になる。幾度もこれを強調しておきたい。次ページのやはり真ん中あたりで専門書に対する不満というものが回答でかなりの高い割合を占める。公共図書館はいったい市民の読書ニーズのどこの部分に応えるのか。もちろんまんべんなく応えるというのが原理原則ではあるが、市民の読書調査あるいは利用の目的調査を見てみると、学習にしても楽しくなければというこれはもちろん認めた上で言うが、ただ単にお楽しみだけということではいささか少し物足りないと思う。そうした時に、市民のニーズともう一方出てくる専門書に対する不満というこのあたりをどうバランスをとるのか。どちらかといえば専門書への傾斜といういうものがこれまでいささか少なかったのではないかという気がするのでこのあたり、もう少し強調しておきたいと思う。それから次ページの上から1/3くらいのところで、東京特別区を目標にしているが、これも一つのやり方だとは思うが、これだけでいいのか。何もかも東京を見習えばいいということであれば論拠が薄い。例えばなぜ東京なのか、あるいは東京を超えないのかというそういう問題の提起の仕方もあり得る訳で、その辺というのがもう一つよくわからない。しかもこの添付資料で他の政令指定都市の比較データがあるが、都市の人数が 増えれば当然蔵書の数は増えていく。質というものを勘案したときにどういうふうに330万冊揃えていくのかという、そこがないと絵本でも童話でも漫画でも全部合わせて330万冊というのではだめである。その辺何か増え方というか、市民1人当たりの冊数というその増え方に関する中身を勘案したような算定方式というのがあるのか。ないのならば、広島の場合どう考えればいいのか、お聞かせ願いたい。
(委員長) 選定方針の話と専門書の強調が足りないのではないかという話ともう一つ目安とする数値についての疑問と3点あったが、どれも関連している話であるので分けずに議論をしていただきたい。
(委員) 市民アンケート調査の数値の分析で専門書を充実してほしいとか、専門書が少ないという不満というものがかなり浮き出て、数値として見えてきた。3ページ目にある対応方針として合計で330万冊という資料をこれからの蔵書の整備としてあげてあるが、そこで気になるのが330万冊というものを先程拝見した書庫の中でどう保存していくのか。確かにデジタル化ということによって少しはスペースの狭隘化というものを避けることはできるが、そういった場合に中央図書館が専門書に対応していくという発想であるならば、1館だけで対応しきれるのかどかということが少し疑問である。その際にこれからは模索だが、大学図書館の保存スペースや専門書を補うためにも収集あるいは提供という場面でのいわゆるコンソーシアム体制というものを模索してはどうかという文章が対応方針の中にあればいいと思う。
(委員) やはり専門書や選書のことは以前から気になっていて図書館協議会の時にも何度か申し上げたことがある。蔵書は今、178万冊だが、利用率という面から見れば市民の側に読みたいものが無いという不満がある。冊数から言えば178万冊は他の都市と比べて、都市規模から言えば、今の段階ではま あまあかなという気はするが、中身の問題というか、予算の問題もあっていわゆる新刊が買えないという事情もあるが、どんなものがあるかということが問題ではないかと感じている。それと、前にいただいた資料で中央館のあり方の中で、市民の安らぎとゆとりの場、交流の場、活動の場としての機能の充実などを図るため、中央図書館・こども図書館など統合し、新中央図書館として改築、再整備するということが載っていたが、これは新しい資料にも載っているのか。
(事務局) 資料のところではないが、図書館網のところで載っている。
(委員) 図書館網のところになるが、その場合、こども図書館も統合するということだが、今は独立館になっている。今まであちらこちらの図書館を見たときに、こどもの部屋というかこども図書館が併立しているということのメリット、親子で一緒にいけるとか、子どもは子どものところに居ながら、親は親で図書館を一緒に利用できるとかある。しかし、広島の場合考えてみると、やはりこども図書館というのが非常に独自の歩みをしてきたというのがあると思う。そういうところで今のこども図書館の立地状態を考えたときに、こども文化科学館と併設されているということで科学的な実験をしながら、図書館に来て科学などの本を見るなど相乗効果というのがある。こども文化科学館の方もこどもの文化についての講演会やおはなし会をやって下さいなどということもあり、毎年、童話大会を行っている。そういう観点から見るということも視点に入れれば統合することがいいとも言い切れない。今のところせっかく子どもの文化ゾーンがあるわけだからそれを支持したいという気持ちと、それから親子で一緒にということと、計りにかけられないが、この統合ということを考えていただく時に視点の中に入れてほしいと思っている。
(委員長) それは、図書館網のところになると思うが、資料については何かないか。分館と中央館というのは機能がやはり違うのではないかと思う。330万冊の中に両方が入っている。330万冊の内、分館の本というのは増えない。分館の基本的な機能というのは、読書機会の提示というか、身近なところに読書する場がある。そこに行けばすぐ身近に資料があり、日常的な資料、それも読み物だけではない。ここの図書館は、小説が2〜3割で残りは一般書だと思うが、これは児童書の場合も同じである。夏休みになれば分館レベルで子どもの宿題や日常的な調べ物はできる。ただ問題はそれが次の学習機会の図書ということで中央館へ結びつかなければならないが、その中央館の部分が少し弱い。専門書の部分は中央館がちゃんと揃えなければいけないし、持っているものだと思う。今のように書庫に入ってしまっていると利用者には絶対わからない。せっかく分館レベルで読書習慣がついて、次に本を使っていろいろやりたいと思っても吸収する場がない。1つは330万冊という話の中に、中央館についての役割の話をきちんと入れたほうがいい。それはあとの方にみんな絡む話でサービスの話、図書館網の中での位置付けという話と絡む話で、そこはもっと違いを強調して書き分ける必要があると思う。ただ分館の部分まで専門書でどうのこうのというとたぶん分館の機能を殺してしまうと思う。身近なところに行ってみたら専門書ばかりだったということになれば、あまり行く気がしなくなる。専門書というのはそんなにたくさんいらない。ただし、使うときは何冊も使う。そんな使い方をするので、それだったら中央館が揃えるべきである。そういうことで専門書の話を強調すべきだということには賛成であり、もっとここで強調していいのではないか。ただそれは中央館の話で、全体の対応方針で書くとすると、総論の話で分館と公民館図書室と対応するものとそれから中央館と対応するものは分けて、少し強調する形で書いた方がいいと思う。そこが一つ専門書の話である。それから選書方針はきちんとつくり、公開するということがこれからの図書館に求められることだと思う。
(委員) 中央館と分館との役割というものを全市的に見たときに、分館は似たり寄ったりの蔵書でいいのかというと、実は蔵書の収書方針としては非常に経済効率が悪いのではないかと思う。そうすると基本的にその地域の住民の利用頻度が高い娯楽とか小説とかあるいは日常的な生活に関わりのあるものは一応おさえても、多少細分化するような、つまり中央館は建て直さなければならないが、中央に近い交通の便のいい分館にある程度の特性を持たせるような形のやり方というのはできないかと思う。
(委員長) 確かに分館は個性を持った方がいいと思う。一つは、公民館とか地域のいろいろな団体などと連携をとり、図書館が活動していくとすれば、その地域なりの個性があるようなところは残す。それから後、学習に繋がるようなもの、つまり中央館でもっと本格的に対応するとしたら中央館がちゃんと対応すべきものも分館の所に持っていく。ただし以前から言っているが、それにしては広島市の分館は小さすぎる。ほとんどの本はリクエストで取り寄せているという話であったが、それは経済効率からいくとあまりよくないと思う。毎回、リクエストで本を借りるというのはやはりコストがかかっており、リクエスト件数が増えるというのは必ずしもよくない。地域でまかなえるものはなるべくまかなっていけるような体制が取れれば、それにこしたことはない。時間がかかるのもどうかと思う。ただ専門書というと専門書の定義にもよるが、その地域にあったコレクションは分館の選書方針に盛り込むことは必要である。
(委員) 今の話に関連して言えば、それと同時に中央館の問題はアンケートにもあるように読みたい本がない。地域の特性と言っても逆に言えばないかもしれない。ただ特性だけでは充分でないので、一般的な教養だとか生活に繋がる本だとかアンケートでニーズが高いようなものは、全館で同じものを揃えるのではなくて中央館を中心に収集して、それを機能的に巡回車を使って地域の中だけでなく巡回させて、見せるような工夫をしていけば非常に活用されるのではないか。蔵書をできるだけすべて見せるという仕組みを作ることにより、なるべく効率的に一般書を収集して活用するしくみを作るということが分館と中央館の一つの求められる問題だと思う。それと専門書で言えばもう一つどのような専門書を収集すべきかという議論を進めたらいいと思う。選書方法も各論に入るが、本市特有のこども図書館やまんが図書館があるが、原爆についても同じことが言える。つまり原爆の図書館というのは他にたくさんあり、今度国の広島原爆死没者追悼平和祈念館ができたが、あそこが体験談など集めており、そういう所へ機能を預け、つないで紹介をする機能で充分ではないか。限られた予算の中で原爆関係資料はもう購入しない方がいいと思う。映像関係もアンケート調査では要望が出ているが、映像文化ライブラリーがあるので、むしろその比重は少なくていい。例えば案だが、専門書もどういう分野に比重をかけていくかという議論が必要である。それと浅野文庫だが、公文書館があるし、古文書に類するような博物館的機能は図書館で持っていく機能なのかどうかと思う。限られたスペースをもう少し一般的な面にまわしていいのではないかと、文化財的なものはむしろここから手を放してもいいのではないかと思う。それと文学館を作ってほしいという声があるが、たちまちはできないので文学関係の資料は当面ここが受け持っていいのではないか。ただこれも専門分野の一つなので、できれば文学館ができればそういうものは少なくするという、専門書ももう少しつめた議論が必要ではないかと思う。
(委員長) 大きな方針としては、選書方針をきちんと作るということ、公開することをうたうということ、その中で中央館については専門書をきちんと担うということ、それから分館については、日常の読みもの、調べものに対応するような資料を中心にして分館の周辺地域との関係の中で特色のあるコレクションといったものの収集に努める。そのようなことを盛り込んだ選書方針をということでおおまかにはよろしいか。
(委員) 図書館司書の力量ということも絡むが、社会教育主事と実はまったく同じで社会教育主事は例えば社会教育のお世話をするプログラムを作る。しかしその講座内容や学級内容のある特定のジャンルに通用してるわけではない。どこからか講師を呼んできて学習内容を展開する。それと似たように司書はそれぞれの知的なジャンルに全部通用しているわけではない。その辺を考えると選書の場合にももちろん図書館が最終的には決定するが、その前に選書委員会のようなものを作って、それぞれのジャンルの専門家の目を通して、そこから推薦してもらったリストの中から最終的に選書をするというシステムにしていただければ有難いと思う。これはなかなか難しいものかもしれないが。
(委員長) 少し難しいと思う。2つあって1つはレファレンス・ライブラリアンというのは実は主題の資料に精通していないといけないが、なかなかまだ育っていない。だから確か人材のところに出ていた。もう1つは本当はできれば、それも難しいと思うが、事前に外部の評価がいると思う。どんどん入ってくる本を選べるのが、図書館員の力量だと思う。ちゃんと選ぶというそこは図書館の人たちにやってもらわなければ困る。それも専門分野も、中央図書館の職員が育たなければいけない。本当のところは、浅野文庫の話にしてもそうだが、ああいうものは調査研究機能の中でできなければだめである。図書館というのはそのくらいのところまでやる。アメリカの図書館に調べものに行くことがあるが、アーカイブ部分でちゃんといる。トップクラスの人になると市のその地方関係の資料にものすごく通暁した人が、必ずいる。その人たちの力量というのはすごいし、それぐらい図書館で必要である。
(委員) これまでそういう機能を全部、公立図書館が1つのところで抱えていたが、これだけ多様化してきて、漫画だとかメディアだとか機能分担してくると、そういう専門のところで人を置いて紹介してくれて説明までしてくれれば、それをつなぐとすれば、図書館が持つべきなのかどうかと思う。
(委員) それを待っていたら、いつできるのか。要するに長期的な施策のところに専門コレクションを活用するレファレンス・司書が必要である。自分の守備範囲にするようなジャンルを持った司書の養成というのは実は日本になされてこなかった。であるから早急の対策というのがなければ、このスタッフだけでできなければいくつかの専門ジャンルのものを外からピックアップして養成する。
(委員長) ここが集めるくらいの資料は図書館員が責任を持たなければダメだと思う。ただ、後でそれがちゃんとできているかどうかを評価する仕組みは持った方がいい。大学でもそうだが、図書館員が選書能力ないだろうということで選書委員会とか作られるが、一番困るのは教員同士の利害調整である。やはり 教員は全体のコレクションを見渡せるわけではない。そういう意味でいうと、私は選書の部分は職員でやってほしいし、是非やれるくらいの力はつけてほしいと思う。ただそれを評価する仕組みはできればほしい。そういうことで方向自体、よろしいか。選書については、特に書いてないが図書館員がやる。 ただし評価するような仕組み、これは別に選書、コレクションだけではなく、図書館の在り方全体を評価していく仕組みである。
(委員) 市民代表や第三者の人たちを含めて図書館の選書、保存の在り方から活動まで含めて、一つの協議会的なものを作り、意見を聞いて運営などに反映するような場があればいいと思う。
(委員長) それは今、図書館協議会を作っている。
(委員) 例えば選書などの話をするのか。
(委員) 選書については細かいデータは出てこない。だからそういう機能といってもやはりオブザーバーとして意見を申し上げるだけでなく、もっと踏み込んだ機能をもたせることをすべきである。それと同時にその年度に企画したあるいは、ねらいとして設定したものがどこまで達成できたかを協議会で報告し、協議会が査定するような機能を持たせるべきではないかと思う。
(委員長) 協議会は在り方が少し変わってきている。本来制定されたときには、館長の諮問機関という位置付けだったが、今は図書館法も変わり、図書館の在り方を評価して意見を言うという機能がある。コレクションや全体の運営方針、全体の計画、計画の達成状況などについての意見を言ったりする。
(委員) 資料に関してもう一つ、これはハードの問題とも絡むが、電子図書館化していくということだが、これはある特定のサブジェクトやあるいは文献がわかっている人がアクセスしていく。あるいはそれを本当に全部中身までコンテンツまで電子化すればその中にいっぺんに入るが、それはもっと先の話になるだろう。そうすると結局空間としての、場としての図書館というものの固有の意味を考えると、関心がまだ特定化されない者が図書にふれるということで、やはり開架率を100%に近付けるような図書館の在り方、これは建て替えを前提にしての話になるが、そういう在り方というものを考えなければいけないのではないか。
(委員長) 浦安市立図書館に「本の森」というところがある。一般の開架スペースの奥の書庫スペースにあたる部分だが全部開放している。
(委員) さきほど178万冊もあるのにということを申し上げたが、ここにもいい資料がたくさんある。それでやはりそれが活用されていない部分があると思う。盗難の話もあるが、やはり開架を多くするのが一番必要なことではない かと思う。それからもう一つ、子どもの本と関連するが、まんが図書館の分館を2館ほど作るという話であるが、確かに今、漫画も非常に社会的な評価も定着しており、今の子どもにとっては漫画というのは非常に身近なものになっている。しかし、ずっと長い目というか社会教育的に考えれば、漫画もいいけれど、やはり子どもの本をまず充実させてほしいと思う。非常にまんが図書館の利用率も高く、漫画と言っても本当にいろいろな分野のものがあり、昔の漫画という意識からは全然違うということはよくわかっているが、入れるのだったら質の高いものを入れてほしいと思う。漫画もさることながらやはり子どもの本の実質ということをまず考えていただきたい。まんが図書館よりまずこども図書館を充実させてほしい。
(委員長) では資料の各論的なところに入って、まず視聴覚資料について話し合っていきたいが、一応今広島市では視聴覚資料というのは基本的には収集・提供していない。今後も継続すると書いてあるがその辺はよろしいか。
(委員) ここに新規の初期投資が必要であると書いてあるが、逆に言えば私は機能をいろいろ点検する意味でよかった。言い方は悪いが広島市には映像文化ライブラリーがあるので、そちらを中心にこういう機能を充実した方がいい。中途半端に集めるよりは、もっと違うところに比重をかける方がいいと思う。広島市の特性を考えれば、そこを活用してメディア関係は映像文化ライブラリーを紹介する機能を図書館は果たせばいいのではないか。
(委員) 私も基本的にはそう思う。例えば70年代アメリカの大学が、結局、高等教育の就学人口はストップし、経済状態が停滞していく中でどこの大学も医学部が欲しいという状況もあったが、全部の大学が医学部を持つことはないということで医学部はここ、経済学部は別のところがというように特化した形のコンソーシアムができてくる。お互いに共存共栄を図り特性を発揮していくという意味では、図書館も全部の資料をあるいは情報提供のサービスをする必要はない。それぞれ役割分担をすればいい。
(委員) いやむしろ、これは大きな方針からははずした方がいいと思う。
(委員長) 原則として新規の収集はしないと書いてある。はずすよりはむしろこういうふうにしないとはっきり書いておいた方がいいと思う。
(委員) 先程の平和資料の話だが、平和資料というのはこの広島の図書館の一つの特徴にすべきである。
(委員) いや、そんな時代は過ぎていて21世紀の在り方を論じる場合に、他に平和文献が充実しているところは大学も含めてあり、記念館もそうだし、原爆資料館もそうだ。これまで集めたものはともかく、同じように購入するのであれば、その比重はどんどん落としていいと思う。ここへ来なくても見れるところが他にたくさんあるとすれば、もう少し別のところへお金をかけた方がいい。
(委員長) 中央館だけではなく、分館にも平和関係の資料というのは置いているが、何か考えがあってそうなっていると思うがどうか。
(事務局) 平和教育というのは広島市全体で取り組んでいる課題であり、それはやはり分館であっても地域の交流があるから、そういう時に十分ではないにしても取っ掛かりであるものは必要だと考えている。分館にも平和関係の資料は極力置いている。中央館についてもその比重のかけ方をどうするかということで今議論いただいているが、いらないということではなく、特に専門分野についてはそれぞれ専門のところにお願いするという意味だと受け止めている。
(委員) 原爆関係の新刊はずいぶん出るが、集め方の問題だと思う。例えば体験記を全部集めるとかではなく、選書の段階でもう少し工夫をして絞り込んで購入する方がいいのではないか。基本的には、原爆関係で言えば資料館でも平和記念館でも見つからない、図書館に来たらあるというような例えば古い本 などは持っていてもいいと思うが、たくさん出る新刊などは、つまりここへ来なくてもあるようなものについては、基本的にはいいのではないか。
(委員長) 原爆関係の資料というのは教育目的のものや基本資料などを中心にしてコレクションを作っていく、そしてあともう一つはどんなものがどこにあるかという情報をきちんとここにのせてくる。その辺はいかがか。
(委員) 確かにコストの面などを考えれば、そういう考え方もあると思うが、市民として何か調べたいとか読みたいものを探したい時に、まずどこに行くかというその一番の入口は図書館であり、そういう姿勢は持つべきである。そこで、資料がなくてもそして照会サービスとかいろいろなサービスがあって行くというのはあっていい。これはサービスの方になるが。資料の収集方針としてはあまり切り分けて考えるよりはまず図書館を訪れてみようという機能を中央図書館は持った方がいいのではないか。
(委員) あらゆるニーズに応えるのが一番いいが、そういう事が難しいとすればどういうところから比重をかけていくべきかということで話をしている。原爆文献で言えば広島にいればここしかないというわけではない。いくつかあるとすればそこにないようなものはここで集めようというのが重点で、後揃えられるとすればさらに入れていけばいいのだろうと思う。比重のかけ方の問題である。
(委員) それが文章化されると市立図書館にはないと利用者の方は捉えると思うので、やはりあった方がいいと思う。
(委員) 基本的に広島の図書館である以上、原爆資料は図書館にあるべきだと思う。いろいろな行事に参加するが、例えば、平和に関する行事には必ずこども図書館から原爆の絵本を50冊、100冊と借りて持っていき、展示をする。平素そういうものを見ない人たちにそれを見ていただく、「図書館にはこんな本があるんですよ。」ということをそこで知ってもらう。その場合、見に来た人は「原爆の本ってこんなにいろいろあるんですか。」と必ずびっくりして聞かれる。それから8月であればやはり他都市とか、英語版も出ており、結構外国人なんかも見てくれたりする。昨年も国際会議場で平和連帯市長会議があり、100都市から来られたときに展示したが、外国人もずいぶん立ち止まって、それから大学生も「こんな本あったんですか。」「ここで読んでいいですか。」という形で見る。それだけまとめたものを借り出して、一週間展示するということは図書館があるからできる。そういうことを考えると広島の図書館の特色として、広島市の一つの特質として、もちろん原爆資料館や国際会議場もあるが決まったものしかなく、そういう意味ではやはり図書館の機能の一つだと思う。
(委員) 限られたこの財政難のもとで、どの図書館も全部するというのは無理だと思う。しかし広島市の平和に取り組むということもわかる。そういう意味でいうと本にもいろいろな種類があって非常に専門性の高いものと基本資料的なものと、種類があると思うが、他の分野についてはそれこそ大学などが専門性があるのはやればいいことだと思う。平和についてはニュアンスが違ってくるが、各図書館で基本的な資料を、そろえることは可能だと思うが、特に資料として専門性が高いものについては、原爆資料館やあるいは市立大学平和研究所などで収集されるのが非常に効率的であり、そのためにはITを使うというのであれば、これは広島市全体が図書館構想でどのようにネットワーク化をするか、中央図書館でも各分館でもそこで調べればxxについてはどこどこにあるというのがわかるような、一つの図書館の中で検索というのではなくていろいろな図書館、大学も含め、これらのネットワーク化だと思う。連携というのをどう具体化するのか、具体的に全館をLANで結ぶとか、例えば周知の方法としては共同パンフレットのようなものを見れば大体方向性が見えるような広報のやり方や、あるいは本当に連携協議するのであれば、一つの図書館の中での協議会いうのではなくて、広い意味での協議会を作れば整合性というか、とれてくるのではないかという気がする。
(委員) 提言を書いていくときには、例えば平和関係については地域活動に役立つようなものを中心に収集するとか、具体的方向付けを明確にする必要があると思う。一般的に原爆資料を収集するのは当たり前のことで、どのように収集するのかとした場合にそういう議論をつめて性格を明確にするような提言が必要である。
(委員長) 一つは基本的なコレクション自体の在り方としてどうなのかということ、それを提言の中にどう織り込むかということで、2つある。コレクション自体は網羅的なのか、平和関係資料は基本的には中央図書館のところにかえって、資料 1論点整理1-1図書館資料について 1-1-3 対応方針「1中央図書館の1」に特別高度な学術書を除きという、その特別高度な部分は平和関係もこの一般原則を適用するということでいいと思う。つまりこの1の中で平和関係資料も考える。図書館はどうか。それでは困るというようなことはないか。
(事務局) 基本的には言われるとおり平和関係の資料も、基本的なもので持っていなければいけないと思っている。ただ例えば比治山の原爆影響研究所などのレポートをここで持つかと言えば、そこまでは持たなくていいかなと思っている。
(委員) 一般書の中での話をしている。それは当然のことで一般書でもたくさんでている。そこで先程の選書の話になるが、さて図書館としてどれを集めるかという時の選書の問題だと思うが、体験記から手記からたくさんある中で、一体図書館としてどの本を選択するかということが必要になってくると思う。
(事務局) 原爆関係、平和教育は全市あげて取り組んでいる問題であり、分館でのバックアップというものがあり、中央館ではある程度基本的なものは揃える必要がある。
(委員) 例えば市民の地域活動、地域での平和活動に役立つようなものを中心にするなど、位置付けをしてその中で原爆関係の図書を選んでいくというような指針が必要なのではないか。
(事務局) 少なくとも今までは原爆の被害を受けた市の中央館ということで、できる限り原爆に関連した資料を収集してきた。これは継続したい。
(委員) 平和記念資料館の資料室とでは、利用者の数がどの程度あるのかわからないが。
(委員) それはとびきり図書館である。向こうへ行く人はやはり少ない。
(委員長) 資料の収集にあたっては市内の他機関との連携を具体的に進めていってほしいというのはある。新たな資料の分担も協議していくことは大事なことであるが、連携といってもまだ連携していない。他のコレクションの状況もよくわからない。中央図書館のところで、専門的コレクションの形成にあたってはということで、市内の他機関との連携を進めた上で調整していく。必ずしも調整したからといって、ここが全体を集めないということではない。
(委員) 公的な機関の資料のデータベース化の可能性はどのくらいあるか。
(事務局) おそらく、今それぞれのところで独自にコンピュータの中にデータを蓄積していると思う。ちゃんと調査はしてないが、将来的に考えると、例えば図書館においでになった方が図書館の資料だけではなくて、そういう資料を一度で見れるというのが望ましいと思う。それが横断検索という方法になるのか、いわゆるLANが組めるのかということだと思うが、まだ今の段階ではそこまでの計画として準備がされていない。必要だろうと思っているがまだ今回のコンピュータ化の中ではそこまで視野に入っていない。
(委員長) 東京都内の国公立の博物館の図書室はデータベースは非常に弱い。つまり博物館資料のデータベース化の方に重点があって、民博(大阪・国立民族学博物館)のようにしっかりとした目録を取っているところはなくはないが、東京などで見る限り、一般的には博物館資料のデータベースが主流で文献資料のデータベースは傍らで細々と作られている。だからやるとすれば図書館のほうがサポートするようなことも必要ではないかと思う。
(委員) 徳島県は県が中心になって、県内の学習機関と図書館の図書情報を全部合わせてデータベース化している。だから県の役割かもしれないが待っていてもしかたないし、今言っている議論も役割分担も勝手にできないのであるから市関係で何か走らせるようなシステムを可能にすべきである。
(委員長) コレクションの一点一点調べられるかというと、無理なので、この資料についてはどこへという紹介はできると思う。近県レベルでこの資料はあそこまでとか大学図書館はすすんでいるので、連絡調整というのは今後の課題である。またどこで何を持っているかという把握も必要である。
(委員) それは例えば、IT化の問題と、実は非常に絡んでいる。IT化をスローガンみたいにいくら掲げたって用をなさない。
(委員長) 全体には、選書方針というものを作るということと、評価の仕組みを考えること、それから特に中央図書館の機能として、専門書については強調してほしい。一般的に市内に専門機関がある場合については協力体制を進めた上でという条件でコレクションは調整する。
(休憩)
議題2 論点整理について 1-2 これからの図書館サービスについて
(資料「これからの図書館サービスについて」に沿って説明)
(委員) 資料の最後のところと合わせてお話したい。資料の保存・管理という形で紛失防止のために機器の設置とだけ書いてあるが、紛失とか破損などの防止のための機器の購入とか、システムの設置、返却のための啓発などを盛り込んでいただきたい。返却の簡素化ということが書いてあるが、例えば公民館 での返却や返却ポストを増やしてそこへ返していくというようなことは可能なのか。あるいは、巡回車を活用して時々地域の利用返却者のところへ巡回するとか、例えばボランティア活動などの助けを借りてできるような仕組みができないのかとかいうような多面的に返却を促すいろいろな取り組みをやることによって、少しでも蔵書紛失を防ぐというようなことを考えられないか。どこでどううたうかということは別としてそういう主旨を盛り込んでいただきたい。
(委員長) 少しもどるが、資料の保存と管理でいいのではないか。除籍はその中に入るし、言葉はまたさらに練り上げるとして、具体的にはまたサービスのところに書けばいい。作ると同時に不正な資料の利用はきちんとチェックする。それから具体的なサービスの方で返却のためのポストとか返却の場所としての公民館図書室という話だが、要するに返却の場所がもっとたくさんあればという話である。どんなところに返却場所を考えているのか。
(事務局) 当面はいわゆる交通結接点のバスセンターや広島駅、新交通の、できるだけ市の関連施設があるところで返却ポストを置いて簡単に返せるようにするということと、今は連携がとれていないが、公民館でも図書館の本を返却できるようにしていく。そういったことを当面の課題として資料には整理した。
(委員) 3ページのレファレンス・サービスの充実のところで、7千件のレファレンス件数があると書いてあったが、どのようなレファレンスの要望が出てくるのか。
(事務局) 一番多いのが蔵書の照会で、約3〜4割以上はあると思う。その後、広島市の図書館のどこにあるかとか、ここにない場合どこにあるかという照会が3割ぐらいあり、最後に具体的にどんな内容が載っているか、こういうことを調べたいがどの本に載ってるかというレベルが同じように3割ぐらいある。あくまで参考閲覧室のカウンターでの印象である。
(委員) 例えば2つ目の場合にはどんな基本文献を使いながらやっているのか。
(事務局) 最近では中央図書館の場合、一台インターネット用の端末が入ってる関係で国立国会図書館が作っている目録のネットワークで調べたり、9月からは県もライブラリーネットを作り、県内であれば調べることができる。今の段階では県の端末があるので、県立図書館の蔵書を調べるとか、国立情報研究所のデータに当たるとかやっている。ただこれは中央図書館に1台しか無いので、各館ですぐにインターネットで調べることまではできていない。区の図書館に来館された場合、広島市立図書館の蔵書は全館同じ端末で調べられるが、広島市以外の図書館の所蔵状況については中央図書館でしか調べられ ないので、今は全部中央図書館が調べている。
(委員) かなりまたずいぶん仕事が入ってくるということにもなるが、3つ目の件について対応しきれないということはないか。
(事務局) 対応しきれないというか、蔵書の中ではでてこない、わからないということはある。もちろん職員のレベルもあるし、蔵書に載ってる範囲ではわからないときは、県立図書館にレファレンスの照会をするという形をとっている。
(委員) 図書館は本の管理と貸し出しだけではないと盛んに言われるので、レファレンス・サービスが、どの程度どんなところでどんな問題があるのか聞きたかった。同じページの4番目にきめ細やかなサービスというのがあり、高齢者が取り上げられているが、来館した場合の対応というのはいろいろあった。身体的に不自由になって動けないという状況になり来館できないということになると細やかなサービスをするのか、この部分が抜けてるような気がした。例えばパッケージにして宅急便にして要望があれば送るとかというところまで考えているのかどうか、その辺が気になった。もう一つは大阪へ行ってなるほどと思ったのは、それからうちの大学の図書館のアンケートで学生が書架のそばに机はあると思うが、それがまだ遠いと言っており、本があればすぐそこで座って読めるということとをセットにして考えないといけないと思う。そういうつもりで今日早目に来て、館内を見ると実はない。図書と閲覧できるという設備もセットの施設で考えるということもきめ細やかなサービスを考えるうえで必要ではないかと思った。それから、図書館サービスといってここであげているのは、資料をできるだけ多く要望に応じて提供できるようにということが中心になって書かれているが、もう少し図書館サービスというのを、コンセプトを広げて考えてみてはどうかと思う。学校教育と社会教育あるいは図書館との連携を一つ入れておく必要があるだろうし、その延長線上に生涯学習機関との連携、例えば様々な生涯学習機関・センターや公
民館が行っている講座のそれぞれ内容に関連した文献リストというのがあれば、それをパッケージにして生涯学習機関にその期間中提供するという連携事業をやる。こういったことも必要だろうし、それから図書館は本を扱うだけではなく、例えば中央図書館でその特性を生かした広島文学などの教養講座を定期的に開くとか、そういった異質の学習機会というのを提供することにより、今までなじみのなかった市民を図書館に引き寄せるぐらいのことやらなければいけないだろうし、そこで学んだものを更に深めたり発展したりするときに必要な文献を提供すれば図書館利用に繋げることができる。ボランティア養成もある意味では公民館と連携してやることになるかもしれないが、これはやはり図書館司書が関わらないとボランティア養成というのはできない。もう一つは図書館職員の現職教育を事業の中に組み込む。つまり本を集めて貸すだけではなく、もう少し図書館事業を大きく広げた形で捉えてみてはどうか、そういう展開をしないことには何も拓けないという気がしている。
(委員長) 集めた資料を使ってどういう事業展開をするかということについてのコンセプトがいるということか。基本は貸出を中心としたサービスの利便性の向上があり、レファレンス・サービスがあってその上でのいろいろなサービスの話がある。一つはボランティア養成の話はボランティアについての方で扱い、現職教育の話は職員のところで扱うことにする。本を活用した集会等をやっていくということは読書普及活動の推進のところの話でする。では、高齢者に対するサービスの部分だが、大きな話は3ページ(4) 利用者に応じたきめ細かなサービス、1のところだと思う。
(委員) 郵便を利用した宅配もあったと思うが、例えば高齢者が入っている養護施設に貸出をするというのはどうか。
(委員長) 高齢者に対するサービスのあり方について何かあるか。
(事務局) 7ページのところに書いてはいるが、類似したものとして、移動図書館車による障害者施設や高齢者施設などの巡回ということを6の中に入れている。また、高齢者に限定したという意味ではないが、5ページの(4)非来館者へのサービスの充実ということで、宅配便、郵便の活用、コンビニなどの活用などという貸出・返却をとれるような形、これを人を限定したわけではなくその組み合わせではないかと考えている。ただ高齢者の場合インターネットの予約よりも電話やファックス、今電話での予約は受けていないが、それも実施する方向でやっていくということでまとめてみた。
(委員) ボランティアとか職員が出向いていくようなサービスになるのか。
(委員長) 返却方法として宅配とか郵便、お年寄りの場合は届けたり返却する場合の方法を考えるということではないか。
(事務局) 家まで職員などが行くのではなく郵便や宅配便の業者がいく。
(委員) 表現の仕方だが、課題のところが全部xx性の向上とかIT化の推進とか充実とかきめ細かなとかで、対応方針の方がまさにxx性の向上とか、同じ表現を使っているが、課題だから表現を違えた方がいい。
(委員長) 利便性ぐらいにして、あまり同じ表現でないほうがいい。
(委員) 5ページ目の一番下の(4)非来館者へのサービスの充実のところで、利用しない人にどういうふうに関心を持ってもらうかという、意識的な努力が必要ではないか。そうすると図書館の広報活動やPR化などの手を打たないといけないのではないかと思う。 
(委員長) 確かに広報は要るので、もう少し考えてみたい。
(委員) インターネットは確かに言えることである。それからお年寄りを、本を読むだけではなくて本を通じていろいろな多目的でそこで普段と違う、例えば野外などを活用した読書空間の検討というような要素はないのか。
(委員長) 開架スペースと机との関連も含めて要するに快適な読書空間の提供というような項目としてあげてもいいのではないか。
(委員) 7番の読書普及活動の推進のところにそういうものがあってもいいのではないか。
議題2 論点整理について 1-3 図書館網整備について
(資料「図書館網整備について」に沿って説明)
(委員長) 統合ということを考えるのであれば、今の図書館の規模よりは小さくなってもらっては困る。あちらこちらの附属のこども図書館というか、いわゆる大人の図書館に付随しているところは、どうしても規模が小さく、今の広島市こども図書館よりは小さいような気がする。そういう意味でやはり今の図書館の規模よりは絶対に小さくなってもらっては困る。
(事務局) 具体的にはどんな形になるか、今はそこまで考えていない。いわゆるセンター機能として、こどもの本のセンターとしてのこども図書館と一般書のセンターとしての中央図書館が別にあるのが実際運営上不便があるのでそれを一本化するという意味である。例えば建て替えてどこか遠くに新中央館が行けば、今までのこども図書館をどうするかということになってくる。
(委員長) 統合することによってどんなメリットがあるのか。
(事務局) 子どもから大人、お年寄りまで通したサービスというのが図書館の仕事だが、今子どものことが別個にこども図書館の方で事業化されているので、トータルとしての視点が持ちにくいということがある。それが一番大きな理由である。
(委員) 今の独立してある中で、中央館の建て直しと言っても認知させにくい。つまり統合というと根本的に在り方というのを問い直さないといけない。
(委員長) 今、滞在型の図書館というのが求められていると思う。そういう意味で言うと、子どもと大人が別れてしまうのは一緒になって一日楽しむという使い方ができなくなる。
(事務局) そのことを考えると、50万冊持っている図書館に見えないというのが最大の理由である。サービスとして非常に限界がでてきており、結局は建て替えた方がいい。
(委員) こども図書館あるいはまんが図書館というのは、学校の規則の中で子どもの方から勝手に出られない。そうすると親がついて行くことになるが実に利用しにくくて困っているという声もある。親も読む、子どもも読むといった方が市民にとってみれば使いやすいということは確かだ。
(委員) それは言える。昔と違って非常に子どもにとって今は厳しい環境である。子どもだけで図書館に行くということが昔はあったが、今はそれがほとんどできない状態である。
(委員長) 今使っているのは、勤務先の近くの港区立港図書館と横浜市立図書館で普段は近くにある緑図書館である。子どもが小さい時は中央図書館まで行く。子どもは子どもで本読むと言えば皆納得する。図書館だと子どもは本を読むのが速いから、1、2時間ほっとくと本2、3冊読んでしまう。だから非常に教育効果が高い。後半の部分のボランティアの話や連携だが、もう少し公民館との関わり方に関して少し突っ込んでいた方が、先々公民館とどうするか、事業の連携なども視野に入れた方がいい。大学図書館とのではなく他の市内の機関との連携も考える必要がある。
(委員) やはり他の公共機関というか、例えば外国人のサービスで国際会議場の外国の本ばかり集めた図書室がある。そういうところとの連携も必要である。
議題3 「21世紀広島市図書館計画の体系(案)」について
(資料「21世紀広島市図書館計画の体系(案)」について説明)
(委員長) 基本理念というのが以前第2回で話をしたものをベースにして考えいただいたもので、課題以下が今日審議する部分である。施策のあたりも含めて細かい部分はまた時間をかけるが何かないか
(委員) 大学の運営というのはトップダウン方式にかわってきている。今までのボトムアップ方式というのは民主的で、なかなか機動性には富んでいる。しかし同時に下から順次上げていくと、結局共通の合意したことしか上ってこないので、最終的に出来上がったものがユニークなものは全部不要とされ、実は共通のものしか残ってこないという欠点がある。送っていただいたものを見ていて網羅的であまり訴えるものがない。21世紀プランのユニークな点や、独創的な点などをもう少し強調していかなければ目新しさがどこになるのかわからない感じがする。これが第1点でそのためにはどうするか。やはりここに出てきている理念である。「つなぐ」、「ふれあう」などというのはある意味でユニークだけれど、生涯学習の施策などでもよくあるパターンで、もう少し新しいコンセプトというものを押し出していく。もしくは今でてきたものと現状などを見たときに、優先順位を付けて前面にアピールするなど方法をとらないと、例えば市長や市議会が、これは早急にやらなければいけないと思わない。もう一つは一番下の「支える」というのがあるが、これを理念というのか。つまりここでいう「支える」というのは、体制だと言ったが、体制というのは、掲げる理念を実現するためのもので、理念には掲げないのではないか。もしあえて支えるというのを掲げるのであれば、市民の生涯学習を支えるという言い方ならばわかるが、これは少し考える必要があるのではないか。それからもう一つ最後に、これは具体的な施策の中で短期、中期のところの有料データベースの話とか、それから長期のところの管理、運営の外部委託などつまり現代の図書館を巡る様々な問題が実はここに密かに盛り込まれている。これはやはりまずいのではないかとその辺が気になった。
(委員) まずこの4つのコンセプトだが、ここの「出会う」というところは前にも言ったと思うが、資料の保存、管理の問題とそれから、開架、収集全部ひっくるめたところは無理がある。つまり5つのコンセプトにして、体制の問題は一番最後にした方が良い。まず整えるということがやはり一番である。新しい21世紀型の市民図書館を新築せよというイメージを出すならば「整える」というコンセプトを最初にもってくる。それと一番協議していた中央図書館の建て替えが3番目にきているが、整える機能をまずイメージとしてもっ てきて、新しい市民図書館を作るんだというのを掲げる。そしてさらに、収集の問題、開架の問題、開かれた図書館の在り方、「出会い」がきてそれをつないでいく。「ふれあう」というところは図書館を拠点としたくつろぎ空間の整備だとか読書普及活動の推進などで「支える」と言うのがいいのか、「育む」と言うのがいいのか、図書館と外とのつながりの問題、地域との連携の問題、学校との連携、ボランティアとの問題などが、「支える」というイメージだろうと思う。5つぐらいのコンセプトにして横をもう少し交通整理したらいいと思う。体制の問題は一番目にもってきて、それからあと4つがいいのかわからないが、もう少しインパクトのあるものをなるべく右にいくにしたがって具体的に変えていく。図書館の通用するものではなく、広島のものであることがわかるようになるべく具体的にもう少し変えていくような工夫をしてはどうか。
(委員) 現在の行財政改革などを背景とした中で図書館像もかわってきており、それは市民がいっしょに支えていかなければいけない。方法としてPFIなどの要素があるが、しっかりそこまでの議論をしていないので、どう語っていいのかがわからない。それからもう一つ、バリアフリー化という表現があるが、ユニバーサル・デザインという言葉があるのでそちらの方がいいのではないか。
(委員) 21世紀を見すえていく場合、紙メディアに依存していていいのかと思う。従来型の貸出も踏まえながら、なおかつ、中央図書館だからこそできる市民に役立つような情報発信をしていくことや、レファレンス・サービスもどんどんやっていくことが大切だと思う。
(委員) 一番何がしたいのかというこれというものがあって、それからこういうものもありますよという書き方がもっとわかりやすくなるのではないかと思う。
(委員長) 広島の図書館でどうかという話ではなくて図書館がそもそもどういうものかという基本理念を書くから目新しさがないので、今広島の図書館が直面している課題がこれだから、だから広島の図書館はこれでやっていくんだというのをスローガン、キャッチフレーズできちんと出せば広島らしさが出てくる。
(委員) 今抱える広島市の図書館の現実的な様々な課題は、何かというのを踏まえて、理念の再構築をすれば、読み手もそういうふうになりはしないかと思う。
(委員長) 課題から先のことをきちんと書けばいいのではないか、広島らしさとか、広島の図書館らしさとか、今広島の図書館は何を訴えようとしているのか、というのがよく見えるだろう。
(委員) それにこれに基づいたコンセプトなりスローガンを付けていけばどうなるかということではないか。
(委員) ここでいう課題というのはこの理念を具現化するということは、こなさなければいけないことは何かという意味での課題で、広島市の図書館が当面する問題状況は何かという意味での課題、この課題は同じだけれども全然ちがう。
(委員) 理念から具現化されてくるものが目的であったり目標であったりするわけで、その目標を達成するためには課題といって順序にすると、ここにもう一項目入ってくるわけだけれども、そこが飛んですぐさま課題というこういうやり方になるのか、これが少し気になる。
(委員) 図書館にこういうものがありますよと、それに広島市を当てはめていくからこうなった。
(委員長) 基本理念は実現するための課題になっていない、これは広島が直面している課題だろうとそういうことだ。
(委員) そういうつもりで多分書かれているのではないと思う。これはやはり理念を達成するためには、何をしなければいけないのかということを書くべきだ。
(委員) 今回21世紀の広島市の図書館を考えてるわけだから、インパクトがないというかちょっと訴えるものがない。どんなふうに文章にしていけば市長や議会を動かすものにできるか。どうすればいいかがわからない。
(委員長) その辺は大事なことである。
(委員) 財団法人の話はちょっと聞いておきたいと思う。内部的には出てるのか、3年前になると思うが、平和記念資料館などが財団法人に運営を委託されて平和文化センターのように議論されているのか。
(事務局) 事務レベルで話題にはなっているが、本格的な議論にはなっていない。
(委員) もう一つは電子図書館化というのは21世紀を見越す時に必ずや一気に動く課題だがあまり正面きって議論されてこなかった。これは盛り込まなければいけないし大きく変わらないといけない。活字メディアの資料とどういうふうに両立させて情報サービスしていくのか、これは大きな議論である。
(委員長) 表をどうするかというのを考えていかないといけないが、何かアイデアはないか。インパクトのあるまとめ方をするということでよいか。
(事務局) 今意見があったように広島市の図書館、広島市の課題があまり明確に整理されてない。そこはもう少しはっきり、特にアンケートなどをやって明らかになったことを、広島の現状からこういう課題があるということをもう少し明確に出しておかないと、何故これを計画するのかという根拠があいまいになってしまうので、それが必要だと思う。
(委員) 現状と問題点を押さえてそこから入っていけばいい。
(委員) まとめるとすれば、大きい柱がいくつか課題があってそのために施策の展開をシンプルな表現でいいのではないか。
(委員) 背景の次の基本理念のところはあっていい。
(委員) 考え直すとすれば基本理念的性格を5つに分ければいい。広島市が持っている課題を言葉で言えば何になるか、スローガンで言えばこういうふうに分けられるというように分け方をすればいい。
(委員) つまり「出会う」、「つなぐ」、「ふれあう」、「支えあう」という図書館を作りましょうというのを描いた上で、それを実現するためにこういうことを達成しないといけということになる。図書館像としてはこの書き方は別にして基本理念はやはりこういう図書館像を我々は標榜しますということを言わないといけない。
(委員) 要するに広島市の背景の中でこういう問題を抱えていることを書ければいいと思う。
(委員) 今までいろいろ詰めてきたし、努力もしてきたのでこの中でどうしてもおかしいのは修正しなければいけない。
(委員長) インパクトがないという話はどうするか。
(委員) 表現の仕方や図書館サービスの充実というだけなく、何をするのかという出し方をしないとインパクトはない。
(委員長) そうするとむしろ課題の部分を中心になって件名に出るような形でまとめてはどうか、基本理念の背景はもう要らない。
(委員) 市民に応えるための図書館の様々な機能は、今のところでは手狭だから新館を作らないといけないいうのがやはり具体的に言えばそうなる。
(委員長) それが必要な理念は何なのか。
(委員) その理由を言うためには、いくつかの図書館の持つ機能それが阻害されたりしている。
(委員長) それを理念のところで出して課題というのをやめて、目標としてそれを具体化すれば目標として大きいのを入れていって後は「出会う」があるが、重点的に実現したい話を書き込んでいく、というようなことでどうか。
(事務局) 理念のところは理念で、目標その次が課題、そして施策の方向ということにすればどうか。
(委員長) 課題なしでもう施策の方向でよろしいか。
(委員) 施策の方向と言ってもそこを課題にした方が後の具体的施策と重複がなくていいかも知れない。
(委員) 目標があって具体的施策の展開でいいのではないか。長期か短期か大きな広島の図書館像の在り方みたいなものを言っておいて、目標も課題も一緒だからそれを書き、それを受けての施策の展開である。
(委員長) 目標と課題は別であると思う。
(事務局) 理念のところを4つにするか、5つにするかを確認したい。
(委員) 目標は4つでいいと思う。
(委員) 器の問題はどこにくるのか。「支える」のところではないのか。中央図書館の器作りの話は、体制をどうするかということで施設の問題、職員のあり方そういうものがあって出会ったりつないだりがあるのであって、「支える」というのはソフトの関係を言っているのではないのか。
(委員) 理念というのは目指すべきことであり、何をするのか何のためにあるのかという図書館の果たすべき役割を抽象化して言ったものが基本理念である。だからそういう意味からすると理念の中に運営体制が入っているのはおかしくなる。そういう意味では理念はこの4つでいい。
(委員) どういう器にするかというのが、理念に入ると思うが。
(委員) 管理運営、運営体制全部につながることであるから、「支える」だけでなくて全体にかかわると思う。
(委員長) やはりそれが図書館の基本的な役割とかという気がする。
(委員) 強いて言うとすれば最初にどう作るかというところで、「出会う」というところに入れるかだが。
(委員長) そのどこを強調してメリハリのあるものにするかというと、課題なり、施策なり、方向なり、ここのところで何が重点かとはっきりわかるように書いた方がいい。そこの部分のところで施設の充実、資料の管理体制、評価などをはっきりわかるようにということでいいのではないか。
(事務局) 器の問題はそういう意味で一番大事である。だから見える形にする。
(委員長) 課題や施策の方向のところを工夫して、ここのところが言いたいという形で話を出し、作り直していく。だから理念や目標が必要である。そうでないと説得力がない。
(委員) 言われることはわかるが、逆に言うとこんなことを果たさなければいけない、そのためには今の器の問題も、最後に持ってきたほうが説得力がある。
(委員長) 話としては、課題か施策の方向かそこのところは真ん中にきて、その中で重点的に見たときにぱっと読める部分に器の話がくる。理念はどうしてそうなるかという前ぶれである。
(委員) 理念はこの4本柱の理念を掲げているが、別個に独立させてしまえばいい。
(委員長) あまりここのところを強調しない形にしたい。次回が9月12日ということで中間報告となる。次回でとりまとめるということで、今日はこれで閉会とする。
(閉会)
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