第2回21世紀広島市図書館計画検討委員会議事録

1 日時 平成14年6月20日木曜日 午後1時30分〜4時30分
2 場所 広島市立中央図書館3階セミナー室
3 出席委員 委員長 田村俊作 副委員長 柴田幸子
委員 岡原重則 久保田貴美子 熊本裕子 小池源吾 田中聰司 中村隆行 前田香織 山田宏美
4 事務局 中央図書館長 こども図書館長 まんが図書館長
中央図書館管理課長 中央図書館事業課長 外5名
5 議題 21世紀の図書館の役割 -広島市の図書館のめざすもの-
6 公開・非公開の別 公開
7 傍聴人の人数 0人
8 会議資料名 1 21世紀の図書館の役割 -広島市の図書館のめざすもの-
2 市立図書館年度別館外貸出状況
3 広島市こども図書館要覧 2002年
4 こども図書館利用状況(平成4年度〜13年度)
5 広島市まんが図書館概要等
6 図書館に関するアンケート調査(郵送による市民アンケート)
図書館サービスに関するアンケート調査(来館者アンケート)
7 市民委員募集時の意見
1 第1回検討委員会欠席委員の自己紹介が行われた。
2 「21世紀の図書館の役割 -広島市の図書館のめざすもの-」について
(委員長) 今日は図書館像についてのフリートーキングということだが、その前に今日の配布資料について事務局から説明をお願いしたい。
(事務局) 21世紀の図書館の役割」について説明する。前回の委員会で自由に意見を出し合うには、時間も回数も少ないので、事務局の方で何かデザインしたものを出してほしいという話であった。前回の委員会でいただいた意見と事務局の方でこれまでデザインしてきたものを含めて一枚に整理した。事前にみなさまにお送りしている資料である。この資料の見方であるが、上にキーワード、下に発言内容を書いている。下の発言内容が、前回、委員会でみなさまからいただいた意見と、市の基本計画の中で、ある程度図書館計画に触れているところを整理したものがAからSである。それを事務局の方で今日の議論の材料として、大きく分けて5つのキーワードに整理してみた。例えば「市民に役立つ」については、adefjlqsが該当するというように見ていただきたい。必ずしも一つの意見が一つの項目に対応しているのではなく、いろいろな項目に対応している。今日はこれをもとに、また、この中に視点としてもれている部分もあるので、それも含めていろいろ議論していただきたい。それから「市民委員募集時の意見」という資料を用意させていただいているが、当検討委員会の市民委員の募集時に20名の応募があり、小論文を出してもらっている。テーマが「21世紀の広島市の図書館に望むもの」というもので、その中でいただいた意見については、選にもれた方についても委員会で紹介し、参考にさせていただくことにしていたので、そのポイントをまとめている。本日は、主に図書館像という大きなくくりの話が中心になろうかと思う。この資料については、見てのとおり個別の具体的サービスに対する要望が大部分を占めているので、次回の委員会の参考に、今日事前に配布している。最後にアンケート票をつけているが、これが最終のもので既に6月14日に発送を済ませていて、現在いくらか返送されている状況である。7月1日を締切にしていて、その少し前に督促を出し、7月10日頃に中間の締を行い、第3回の委員会を予定している7月18日に、ある程度おおまかなとりまとめができるように現在すすめている。1枚目に「21世紀の図書館の役割」ということでキーワードを整理しているが、これをもとに意見をいただきたいと思う。
(委員長) では、今日の話の中心的な材料「21世紀の図書館の役割 -広島市の図書館図書館のめざすもの-」を参考にしながら、ここに書いてあるものについてもっと具体的に、もっと足した形で話していただく、あるいはここにないようなものもずいぶんあると思うが、そういうものについても自由に話していただきたい。それから「市民委員募集時の意見」については、かなり具体的な提案が多いと思われるので、これは次回主に参考にするということで考えたい。その他のこども図書館関係の資料についてはどうか。
(事務局) 事前に資料(「21世紀の図書館の役割」のこと)をお配りした時にこども図書館とまんが図書館について現状を認識してもらう必要があるのではないかというご意見があったので、資料を準備し、お配りした。
(委員長) アンケートの方は発送が終わったということなので、次回にアンケートの中間まとめをいただければいい。こども図書館関係について提案者から話があればお願いしたい。
(委員) 広島市には、独立したこども図書館と、公共図書館でははじめてつくられたまんが図書館がある。21世紀の図書館の在り方を考える上でやはりこの二つの図書館の位置づけというか、どのように考えていくかが必要ではないか、こども図書館とまんが図書館の現状について話していただけたらと思い、提案した。こども図書館というのは、名前のとおり、子どもが一番最初に本に出会う場所だと思う。こども図書館に限らず区の図書館でも言えることだと思うが、やはり、こども時代に図書館に通ってそこで本に触れていく。そういう人たちが大人になった時に図書館に親しみを持ち、中央図書館やその他の図書館を利用する層になると思う。そういう意味でやはりこども図書館というものを活用し、充実させて、そしてたくさんの子どもたちが楽しみながらそこに行って本を借りる、あるいは、いろいろな行事に参加する、そういう図書館を目指して、いろいろなことが行われている。そういう独立したこどもの図書館ということで、それを委員のみなさまにもご認識いただいて、今後の広島の図書館におけるこども図書館の位置づけというか、そういうものを考えていく機会にしていただければと思っている。それから、まんが図書館の方もみなさんご存知と思うが、比治山に青空図書館というのがあり、それがまんが図書館になった訳だが、非常に手狭なところではあるが、先程言ったように公共のまんが図書館としてははじめてできたということで、非常に全国から注視されている。そういうことで、まんが図書館の現状もこの席でお話いただきたいと思っている。
(委員長) では、こども図書館の方から説明していただきたい。
事務局より、こども図書館、まんが図書館について、それぞれの資料に基づき説明を行った。
(委員長) 今までの部分で質問や意見があると思うが、こども図書館やまんが図書館の話だけではなく、フリートークということで図書館というのはこうあってほしい、あるいは、みなさんがお持ちの図書館像等自由にお話いただきたい。先程も説明があったが、資料「21世紀の図書館の役割 -広島市の図書館のめざすもの-」というのは、前回意見として出たこと等を事務局の方でまとめていただいたものである。これはあくまで参考ということで、この辺りを手懸りに意見を出していただきたい。
(委員) 第1回の委員会の直後、図書館に伺ってみなさんのご意見を事務局から説明いただいたが、一つここにないことを折角の機会なので、話をさせていただきたい。一つの討論のあるいは、このキーワードの要素に入れていただきたいと思っているのが、図書の大量紛失の問題である。実は、社説でも最近取りあげたが、ご存知のように全国の公共図書館の現象のようであるが、非常に大量の図書が紛失している。当図書館でもはじめて実態調査をし、先だってその結果を発表されたが、この3年間に2万数千冊の図書が盗難でなくなっていて、さらに破損や切り取り等で非常に被害を受けている。こういう本を加えると3年間で金額にすると、ざっと5千万円以上の図書が台無しになっている。これは平成12年度の図書購入費の半額ぐらいにあたる本が台無しになっているということで、この中には補充できないような本もかなりあるのではないかと思う。市民の多様なニーズに応えるという図書館の機能が損なわれているのではないかと思う。資料「21世紀の図書館の役割」にまとめている「市民に役立つ」機能や「地域の情報拠点」という機能に関わってくる問題だと思い、蔵書の管理システムということで加えていただければと思う。この問題は、もちろん市民の共有財産としてモラルを高めるにはどうするかという問題、それには一定の管理システムというか、いろいろな公共図書館で手を焼いているようだが、荷物の持込のチェックや警報装置の導入等を行っている。この蔵書の管理システムについては、経費の無駄というような面からも今後の公共図書館のあり方の問題として欠かせないのではないかと思うので、できれば今の実態とそれに対して市がどう取り組もうとしているのか、というようなことを事務局の方から説明していただく機会をお願いしたい。そしてそれを検討項目の一つに加えるかどうかについても議論していただきたいと思っている。
(委員長) 大量紛失の話自体は当然検討してもいいと思うが、本日は、どんな図書館であった方がいいか、どういう図書館が役に立つような図書館なのかということを議論し、そのためには図書館としてどんなことに取り組まなければならないかということで話し合いたいと考えている。図書の大量紛失については、蔵書の管理ということでできれば次回、議論していきたいと思う。事務局の方でも少し準備をしていただきたいと思うが、いかがか。
(委員) 次回で結構だ。
(委員長) 逆に、大量紛失を招く図書館の在り方について何か意見があればお聞きしたいが、どうか。
(委員) これは、事務局にもお願いしておきたいが、まず、なぜこういう事態を招いているのか、いろいろと言われているようだが基本的には、今の開架図書を増やしてきているいわゆる図書館に問題があるのではないか。
(委員長) 誰でも自由に使えるというのが図書館であるが。
(委員) そういう盲点を悪用というか、自由に閲覧できて好きな本を手に取って見ることができる、バッグも持ち込めるといところで閲覧室の人員の問題や死角等もあり、そういうところで起きているのではないかと思う。あまり堅苦しい管理やチェックになると、いわゆる公共図書館のオープン型というところが損なわれるという議論があるが、だからこそ、これからの図書館の在り方を考えていく中で一つの大きいテーマではないかと思うので、提起させていただいた。
(委員長) そうすると、なるべく誰でも使えるような「市民に役立つ」というようなところで使いやすい図書館というような、図書館像と言っていいと思うが、そういうものはあるが。
(委員) 一方で貸出システムのあり方等がある。
(委員長) それはやり方だが、誰でも使えるような雰囲気の図書館ということについては、どのように感じているか。例えば、広島の図書館などはどうか。
(委員) たとえば、広島県立図書館は、入口でチェックするというしくみを導入している。ここはない訳だが、具体的な問題としては将来像の問題の一つになるだろうと思う。
(委員長) 使いやすさを一方で確保しながら、いかにして管理上の問題を解決していくかということか。
(委員) そういう問題は、図書館協議会でも問題となり、どう解決するかということは、結局、予算が取れないだろうという話になっていく。それよりはむしろ本日の議題とからまって重要なのは、これは昨年図書館協議会でまとめた「ライブラリー21プラン」を見てみると結局、開架図書がここは概して少ないのが問題である。しかも、図書館関係の文献や論文を見ると図書館のあるべき姿として前川恒雄氏は、図書館の果す役割というのはただ単に特定の本を見つけにくるだけでなく、図書館という空間の中で身を遊ぶというのか、その中で様々な文献、資料あるいは文化というものの中で実は育っていく、あるいは自分を発見することだと言っておられる。ということは本に直接触れるというか、開架図書をいかに増やすかということが図書館機能の大きな役割だと考えると、管理のために閉架、全部しまい込んでしまえばいいととい話にはならない。実は、博物館が今非常にクローズアップされている。財政逼迫の中でそれぞれ生涯学習機関が苦しい立場にあり、図書館もそうだ。図書館の場合は、さらに生涯学習審議会の答申等で図書館の専門性というものが問題になりつつある。そういう中で図書館サイドとしてはどういうふうに考えているのか、何が論議されてどういう立場があってという部分を出していただければ、この委員会としてはどう考えればいいのかということができはしないか。例えば、この発言内容の中にも利用がもっとあってもいいじゃないか、確かにそうだが、では現状はどう評価するのかというと、これは市民1人当たりの蔵書数や予算の話や貸出件数やいろいろな数値があるが、それを多いとみるのか少ないとみるのか図書館サイドはどう考えているのか。あるいは、蔵書が増えれば、予算が増えればそれにこしたことはない。しかし、限界があるからどこで折り合いをつけるのかという時にどういう資料集めをするのか、結局図書館のポリシーにかかわってくる訳で何でもかんでも集めればいいという話でもない。批判もあるが、例えば林望氏は、図書館は無料貸本屋と批判をする。つまり、ベストセラー等は図書館が揃えてもいいけれど、ある程度制約をつけて揃えるべきだと言っている。もっと有用な揃えなければならない資料があるのではないかという論議をされる。結局、何をもって蔵書構成をするのかというポリシーの問題や、あるいはそれを誰に対して提供するのかというサービスの対象や、あるいはそれをどういう方法でという、大きく言えばこの三つであろう。その三つをどう考えればいいのか、そしてその三つをめぐってどのようなホットな論争的な問題、立場によって随分見解が違う。何が論じられているのかということを提起願えれば、委員の方々もそれぞれの見解や考えの中で意見が出てくるだろうと思っていた。ここに委員で出てきたものを何とかまとめていただいているが、しかし、ここから実は問題が発展しないというまとめ方をされているものだから、これは予想が違うと意見として申し上げる。
(委員) 委員の意見や考えを、いただくというのはたいへん勉強にもなるが、経営ビジョンというのかポリシーというのがどのようにあって、私どものこういう提言がどのように活用されるかという先程の委員のおっしゃるとおりだ。ここに来るときに何か課題を持ってと思いいろいろと文献を見てきたけれど、やはり   漠然としている。ただ一つ思うのは、やはり市民のための図書館であれば、図書館を行政サイドで作るというのではなく、行政も利用者も地域もこの広島市という土地も我々の図書館としていっしょに育て上げるという気持ちがあれば、先程の図書の紛失もなくなるだろう。その根本のところが何を求めているのかがわかれば、また意見の出し方もあるのではないかと思う。
(委員長) 今回の「広島市の図書館のめざすもの」という回は、図書館のビジョンを出してほしいということである。つまりそもそも広島市の図書館がどんなふうな図書館であってほしいかということをこの中で意見として出してほしいということだが、今の二人の委員の話はまず、図書館がどう考えているのかという方を先に言ってもらわなければたたき台の出しようがないのではないかという話だと思うが、いかがか。
(委員) 例えば、公共図書館をめぐっては予算がつかない、政治家が図書館というものをあまり高くは評価していない。そのしがらみの中で図書館に対する周囲のニーズというのは、一部にある。それに対して我々委員会としては図書館サイドの目指す方向が認められれば、それに対してエールを送り、さらにバックアップをしようと思っている訳だが、現状はあまり蔵書も少なくない、利用者も多いと言われればそれならこれでいいのではないかということになる。しかし、名古屋市の調査等によると、図書館非利用者、図書館を使っていない人達というのは、特に男性では専門書をたくさん利用する人、あるいは女性の場合には実用書を読む人は図書館を利用しない。逆に言えば図書館を利用している人は、市民のうちのどういう志向を持った人達かということはおおよそそこから窺える。社会教育施設である公民館利用者というのは一定の属性を持っている人達だが、似たりよったりである。市民に開かれていると言いながら、実は分析すると市民のうちのある属性を持った方々にしか対象になっていないということをどうとらえるか。そして、それはどういう資料を集めるのかということと実はからまってくるので、どういう図書館を作ろうとしているのか、あるいはどういう図書館を目指しているのか、そのあたりを多少聞かせていただきたい。
(委員長) 我々の側もこうしてほしいというのは、みなさんあると思うが、例えば私は利用しないがこうであれば利用する、今日の中でそういう話も出すというようなことだと思うが、図書館の方のビジョンはどうなのかという意見が出たので、もし出せれば(図書館の方で)出してほしいということだが、どうか。
(事務局) どちらかというと図書館としてというよりも私の個人的なということになるが、利用という数の上から言うと23%の登録という数字だが、教育長のあいさつでも50%の人が使えるようにしたいと申し上げている。では50%使えればそれで図書館として充分なのかということは言い切れない。現在の日本の図書館の水準を想定した中ではなかなか50%に達している図書館はないという中で、せっかく市民の税金を使って市民が誰でも使える図書館を作るからには、少なくても市民の多数の人が使える条件整備が必要だろうということがあり、50%という言い方をしている。どういう属性の人が図書館を使っているのかということだが、かなり文章を書いたりする人が意外と図書館を利用していなかったり、あるいは身近にいてもっと使っていいはずの人が使っていない等たくさんあると思う。これからの時代の中で一つ大きいのは、高齢者というか、これから第2の人生を歩む人達の学習の場としての図書館というのは非常に大きな要素になると思っている。それから、「役に立つ」ということで言えば、いままではどちらかといえば女性と子どもというのがかつて昭和40年代ぐらいの日本の図書館の主な利用者だったが、今言った高齢者や、文章を書く方と言ったが、そういう人たちの生活に役に立つ図書館にならなければ、おそらく50%の市民が支持をしてくれるという図書館にはならないだろう。さらに「役に立つ」ということで言うと、今のこの時代、特に就職難あるいはリストラという状況の中で、新たに職を求めることで苦しんだり、がんばっている人達にバックアップできるようなことも図書館が果たしていかなければならないということを近年の状況の中で強く感じる。それからもう一つ図書館を実際に動かしていくという面から考えると、職員の質の問題、能力の問題もあるが、先程話があったように実際に使う立場の市民がいっしょに運営に参加していく、あるいは希望を受けとめ、それが運営に生かされる。図書館職員がもっと市民といっしょに例えばリサイクル市をやるとか、図書館祭りをいっしょにやってみるとか、あるいは実際の日常の運営の中でもこういう部分は必ずしも職員でなくてもできる部分がある訳で、そういうところに市民の力と知恵が加わっていくと本当に自分たちの図書館という意識が出てくるのではないかと思う。それからもう一つ落としてならないのは、やはり最終的には図書館というのは情報の拠点というか、コンピュータが普及してインターネットも普及していろいろなところから情報検索ということは多様な方法でできるようになったが、その情報のベースとなる中身と言うのは、本や文献という形で長い歴史の中で蓄積されてきている。それが今後なくなる訳ではなく、情報の最終的な拠り所としての資料というのは絶対に欠かせない大事なものであるが、今まで正直言って市民に有効性や必要性を訴えかけるということが、弱かったのではないかと感じている。特にこの部分は、専門性の一番問われる部分だと思うが、もっと今まで以上に特に力を入れなければならないと思っている。
(委員長) 他の図書館の方も個人と言うことで結構なので自由に発言していただければと思う。せっかくの機会であるし、図書館のこれからのビジョンを提案するのはなかなかない機会だと思うのでぜひお話いただければと思う。今の事務局側の話と委員の方々の話と非常に共通している部分がある。つまり大勢の人が使える図書館でありたいということで、考えているということだが、みんなが使えるそして使ってよかったと思える図書館というためには何なのか、あるいは結果としてどういう図書館を作り出しているのかというそういう話だと思う。利用者層でいえばいままでは子どもや女性が多いのではないかと言うことであったが、私はそうかなと思っている。これからの社会を考えると高齢者等に役に立つような図書館であっていいのではないかという話であった。それからもう一つが毎日の暮らしにもっと密着していいのではないかということであった。では今は密着していないということだろうか、どの辺が足りないのかという話だが、そういう話がもっとあってもいいのではないか思う。毎日そこで暮らしている人達のいろいろな生活等にも関わってくるのだろうか、運営の上でもそういうのが生かされてくるような体制があっていい。具体的にはリサイクル市や図書館祭りなどをいっしょにやっていく。もう一つは少し唐突だが、私は広島の図書館を見ていて違和感がある。というのが、情報の拠点という話であるが、今の図書館から情報の拠点というのがどうして出てくるのかと言う感じを持っている。しかしこれはぜひやっていかなければならないと思うが、そのあたりはどうだろうか。なるべく大勢の人が使えるような図書館というのは、もちろん税金で維持されている図書館であるわけだから、どんなふうに使われているのか、どんなふうに使ったらいいのか、何かあったらお願いしたい。
(委員) いろいろ使われ方があると思うが、私の体験も含めて言えば、先程女性と子どもたちという話であったが、こども図書館で言えば、やはりおかあさんと子どもが多いが、ずいぶん昔と違って、今はおとうさんもたくさん来ている。特に日曜等は、いつも夏休みの第一日曜日にこども図書館で読書相談をするが、結構親子でということがあるので、あながち女性と子どもたちだけということにはならないと思うが、やはり開館時間の問題もあると思う。もちろん土・日曜に利用すればよいが、今は働く時間もいろいろ幅があり、男性で勤めている方は、普通の時間帯は、むずかしいというのが一つあると思う。もう一つ先程図書館の役割としていろいろな使われ方があるという中で、リストラや新しい広島市も町おこしやいろいろ言われているが、市民の起業の情報面でのサポートやビジネス支援、図書館の役割等の面で今後は幅を広げていく部分として必要ではないかと思う。また、先程出た開架式というのは大事なことではないかと思う。それから、新しい何かを生み出す、本と情報と価値、新しい何かを生み出す場所に変えていくということだが、言葉で言うとやさしいが、そういう工夫が今後必要ではないかと感じる。使いやすいということでは、明るい図書館というか、この図書館の構造的なところがあると思うが、ロビーは広いと思うが暗い感じがする。入った右側に展示ホールがあるが、いつも何かあった方がいい。予算と非常にかかわりがあって難しいが、もう一つ明るく親しみやすいというところから言えば、この展示室の向こう側が庭になっているが、あちら側にもう一つ入口があってあそこにカフェテリアのようなくつろぎの場所があって、簡単に気安く入れるそういうコーナーがあればいいと思う。通りがかりの人もちらっとそこで休みながら、図書館をちょっと覗いてみようか、そういう空間があってもいいのかなと思った。
(委員長) 一つの図書館としては、気軽に入り込むようなそういう場所であってほしいということですね。もう一つは役に立つというのはなかなか難しい話だと思うが、具体的イメージがあまり浮かばない。この辺はいかがか。
(委員) どういう図書館の在り方が、市民にとって今後21世紀、もっと言えば22世紀、23世紀と続いていくべきだと思うが、その間にも資料というものは、空間・時間的なものを超えて後世に残っていく。そんな中で、これは私の真意ではないが、従来型の公共図書館は貸出を中心に70年頃から前川恒雄氏が提唱されてきた、そういった貸出中心のサービスの在り方をもう一度考えるべきではないかと思う。これは当然残していく核心の一つではあるが。もう一つは電子化というものは、事実、相反的なものだが、電子化だけにいってはいけない。それをどう公共図書館がなりたっていくかとを考えなければならない。そのためには、具体的な図書館サービスの中で、前回も出ていたがビデオオンデマンド等そういうものをウェブを経由して見えたり、聞けたり、どういうサービスを図書館が提供するのかというものをすべて情報を図書館が発信していくという、その情報を作っていく専門性を図書館の職員がもっていく。例えば、これは朝日新聞の記事だが、6月13日の朝刊に「新しい図書館の在り方」があるが、この入手の仕方、だが、私がどのように入手したかというと12日の夕方に友人から夕刊にこういうものが出ていたと、ですから一日大阪の方が情報が早い。それをどうしても早く読みたいので、大学図書館の方にお願いしてその夜に情報としてデータベースから探してもらった。そうしたら、翌日に広島の新聞にも出ていた。そういう格好で情報をいかに早く手に入れるか、単行本中心でしかも保存スペースも少なく、買って除籍をしていくあるいは、市民に11月にリサイクル市として配っていく。中央図書館には書庫があるのかもしれないが、区の図書館には書庫がない。そういった中で貸出中心にそして新しい本も買いながら、(一方で本を)捨てていくしかない。そうではなくて、市民のみなさんが図書館というものがどういったサービスを提供するかという認識を逆に改めていただくいいきっかけづくりというか、日常生活に役立つ情報というものを本だけでなくて図書館からいくらでも、開館時間に行かなくても家から入手できる、そういうサービスの在り方であろう。一つの具体的なものがレファレンスを中心に今後、公共図書館が施策を講じていくべきかなと一つの例として思う。私の好きな本なんですが、「本とコンピュータ」という本に図書館改造計画というコーナーで各界のいろいろな方が書いているが、この中にもやはりレファレンスサービスというものを重視していく一つの方向性が確実に打ち出されていると思う。そういった図書館サービスの在り方にやはり最大の重点目標としてレファレンス機能の充実というのが必要ではないか、貸出主義からもう一つレファレンス機能を上乗せして、しかも24時間情報の拠点として成り立っていける図書館というものがあれば、私はうれしい。
(委員長) その時の情報の発信とか提供といった時に、例えばどんな情報等を考えているか。例か何かあると具体的にイメージできると思うが。
(委員) この本の受け売りではないが、例えば、リストラを受けた人たちが、どういうふうに職業欄、職業を探していくかという時の情報をどうナビゲートしてくれるか、あるいは、求人欄をファイルのような形でどうストックしていくか、そういったものから具体的に今度は、他の機関へのレフェラルサービスをどんどん広げていくという形は、例えばあると思う。
(委員) 様々な情報というものが生産されている、そして、様々な情報というものがある程度ストックされている。そして、それに対して、誰もがアプローチできるのはいいことだが、それを図書館がやらなければならない固有の機能なのだろうか。生涯学習センターや公民館あるいは様々な役所の支所がある。あるいは民間がNPO関係でストックするのでセンターができるかもしれない。そうすると、図書館でなければという固有の機能をやはりきちんと踏まえておかないと、単なる情報センターになってしまい、結局、時代をこえての図書というのか資料というのか、どのようにストックして、必要に応じて出せる、そういう機関であるかというそこの部分というものをやっぱり言ってはいけない。
(委員長) 図書館の方が、今、我々に期待してるのが、まさにその話だと思う。要するに、本をたくさん買い、そしてなるべくみんなに利用してもらえるような図書館づくりを目指してきたと思う。施設面の制約や予算面の制約等があるが、なるべく使ってもらえるような態勢を作り、気楽に入れて気楽に使えるような図書館になる。そこで多分、達成されたのは例えば、目標として子どもの話なんか考えていけば一番典型的に、よく分かることだと思うが、読書を普及するというようなことである。みんなが本を読む、そこから何か力を入れていく。ただ、どういう力を入れるかということについては、いろいろな経験があるし、それからそのことによる例えば、いろいろな弊害や問題点のようなものも確かにでてきている。だから、そこも考える必要もあるが、ただ一方で読書を普及させようという方向性はあり、図書館という場を使って本に接してもらいたいということはあって、やってこられた。ただ、そこだけでいいのかとか、あるいは、それよりも次はという話をしたいというときに本当にそれでいいのか、という話であろう。
(委員) 入口の一つとして、図書館があるのはかまわないが、そのデータベースの拠点として図書館がそれを担わなければならないかというと、余裕があればいいが、そうでなくても余裕がなく困っているときに、図書館本来の役割とは一体何かという手順をもっとマクロのところから考えていきたい。例えば、図書館に行けば必要な本や資料かあるということがわかっていれば安心して行けるが、行ってみてから、ないということになると、人は来なくなる。結局、新(刊)書の更新というのも、どういうポリシーでしているか、どんな学問、ジャンルがあって、そのジャンルごとにその地域でいろいろな専門家に推薦図書を、月に一度とか半年に一度候補を出してもらい、外部の方も含めた選書委員がどういう本を買うかを決める。そして決めて購入した本をまた、外部の者が評価するぐらいのことをやれば、それぞれのジャンルについてこれだけはというものは一応は揃っていくだろうが、それぞれみんな好みがあり、例えばこれは面白そうねということで集めてくると、人文系中心と絵本中心でという形に収まってしまう。現に図書館で貸出件数の多いリストがホームページに出ると、要するにベストセラーになる。子ども向けだと「ハリー・ポッター」大人向けだと宮部みゆきというようなことになる。それもいいけれど、それだけではないという図書館を作っていかなければ、市民の知的財産としての図書館の機能は果たせないと思う。
(委員長) では、どんな本を揃えればよいとお考えですか。
(委員) ジャンルは、例えば、経済、法学、医学等、それぞれの分野ごとに、今、集めておかなければならない、今年出た本やあるいはこの1年間に出た本で、これは重要だというものが必要だと思う。これは図書館協議会でもいつかお話ししたが、図書館の専門性といってもやはり確保するためには、中央図書館と分館が、例えばあそこに行けば医学関係が、ここに行けば経済関係がというような図書館を考えたらどうかとお話したことがある。それは無理にしても、やはり、知的なジャンルというのはこれだけ分化しているのだから、専門でもない者が目配せしようとしても無理だろう。無理なことをやっても無理であるから、できることをやれば、要するに、今必要な情報がこの図書館に行けばありますよという、こういうことになれば役に立つ図書館になったっていうことになるだろう。それと、それぞれのジャンルでこれから一応計画的に組織的に収集していくという、そういったストラテジーを構築する必要があるだろう。
(委員長) それぞれの分野の基本的な本等を軸にした百科全書的な図書館ですか。
(委員) ここの図書館がどういう資料集めをするかというポリシーと絡む。
(委員長) 他の方のイメージは、どうか。
(委員) 一人の市民として利用しているが、どのように図書館が新刊を選んで購入しているかを、良かったら教えていただきたい。
(事務局) 簡単にご説明申し上げる。本を選書する場合には、図書館の職員による選書委員会というのがある。全分野を対象に、選択の対象としては、あまり専門的なものを選ばないという形である。日本図書館協会が、選定図書速報というのを出しているが、それには「一般」や「児童」やあるいは「大学」等、それぞれに向いた対象といったものがある。だいたいそれに即した形で、本を毎週選択している。
(委員) だいたい、毎週、何冊くらい購入するのか。
(事務局) 中央図書館の例で申しあげると、予約・リクエストに基づいて買ったものと、「週刊新刊案内」や「これからでる本」等の様々な新刊情報に基づいて買った本で、一週間に200冊前後を買っている。予約の多い図書については、予約待ちの方の10倍という、例えば予約者が30人いれば本を3冊というのを一つの目途にして購入している。ただし、その基準でいくと、「ハリー・ポッター」等は、60冊70冊買うかたちになってしまうが、今のところ全体として40冊程度を限度に、購入している。
(委員) ベストセラーの問題とかも、やはり、図書館がたくさん購入するのでということもあったりするので、難しいことと思うが、いろいろな方がいるので、本の新規購入等も、みんながどんな本がほしいというのを言って、みんなで選べるようになれば、本当はいいと思う。私が個人的に図書館に、今からしてほしいと思っていることは、本を読むことはとても大事だけれど、その本を読んだ後のその本に対する意見の交換の場を作っていただけたら、いいと思う。日本の教育が、どうしても一つの答えを出す教育で、個人の意見を出せるような教育の状況になっていないので、その時に一つの本を読んでいろいろな考え方があることを発表する場所ができることも子どもたちにとっては、すごく大事なことではないかと思う。おはなし会等が、いい場になると思う。
(委員長) そういうところで、読んだ本について、いろいろ話ができるような、そういう場になればいいということですね。
(委員) やはり、日本人は、人の前で発表することに慣れていないので、人と違う意見をいうことが少しむずかしいところがあり、そういうことを小さい子がやっていけば、大きくなった時にちゃんと自分の意見が言えるようになるんじゃないかなと思っている。
(委員) 今、言われたようなことは、こども図書館でおはなし会や読書会といった形で実施しているので、そういうところに参加されてもいいし、それともうひとつ、自分自身が、地域のおかあさんや子どもたちといっしょに、読書グループを作ればよいと思う。子どものおともだち、何人かで集まり、私も団地でやっているが、人にしてもらうのではなく自分ができるところをすれば、そのことも図書館のいろいろな活動に参加するということになるだろうと思う。それから、先程言っておられたが、やはり図書館の機能の中で、資料の収集というのは、いまさら言うまでもなく、大事なことだと思う。やはり選書のことは、まず図書館としての機能として資料の収集、そして、それと先程から出ている市民のニーズにこたえる、という2つのことがいるのではないかと思う。
(委員) 広島市で実態としてどうなのかも、よく、知る必要があるのではないかと思う。実は本校が図書館教育ということをメインにして教育をすすめている関係もあるが、最初は私どもは、子どもは、文字離れをして、今、映像ばかりを追いかけている。それから、若いおかあさんも、たぶん本に勤しむというか、親しむということはやらないだろうという認識でスタートした。それで、「子どもたちの心に灯火をつけてみませんか」、「良い本への誘いの集いに参加しませんか」ということでPTAの文化講演会を開いた。まあ、来られるにしても2、30人だろうなと思っていたら、なんと図書館に入りきれないほどの保護者が集まって来た。ということは、私どもの、保護者、若い親のとらえ方が間違っていたなと思った。本当は、子ども達に良い本を与えたいし、自分達も楽しみたいというものをいっぱい持ってるのだと、認識を変えざるを得なかった。それで、私どもとしては、中区の図書館とタイアップして、保護者に図書館に向かわせるための一つのステップとして、子どもと担任と保護者とで、PTC活動で、中区図書館へ行き、利用者カードを作って、そこで活用しようということになった。そしたら、その日の母親の感想に、「図書館って、限られた人が行くところだと思った」とか、「敷居が高いところだと思った」とか、「どのように活用してよいかわからなかったけれど、こんなに簡単なところだったのか」というのが出てきた。その時、学校としての私どもの反省は、もっと早く公共図書館とタイアップして、保護者への抵抗を取っていけば、もっと子どもたちへの良い本への誘いができたのではないかということで、今反省している。ということは、そして、それから先の問題は、今度そこまで運んだ保護者や子どもたちの足を、リピーターとして、いかに止めていくか、そのためには、やはり魅力ある図書館作りというのは、このようなものですよと学校としても公共図書館へのお願いもしなければならないし、また、再度足を運ばせるような啓発を学校も協力しなければいけないなということは、感じた。図書館経営は、お客さんに来ていただくための待ちの姿勢ではなく、やはり営業努力というか、企業努力というか、そういうこともしていかないといけないのかなというふうに考えた。毎日の暮らしの中で密着した図書館活用ということは、やはり、みんなで地域と学校と家庭とがいっしょに読書活動とか情報活動とか推進して広げていくというとらえ方をしないと、図書館だけでは定着していかないのではないかと、感じた。
(委員長) 子どもの話としては、読書への動機付けということですね。そういう機会を提供するということ、なかなか今のは厳しい意見だと思うが、先程のこども図書館長の話でも、乳幼児の時から、名著のリストを配ったり、図書館の紹介をするような努力はしているということだが、その辺は、またこの次にでも、子どもの話については、特に地域との連携や学校、地域とどのように連携していくか、というようなことを、そういう中で子どもの読書環境を作っていくということですね。そういうことでは、まだまだやることがあるのではないかという話だが。それでは、これから休憩に入るが、子どもの話が出たのでその他の大人の利用、また高齢者にとってどうなのかという話を休憩後行いたい。
  (休憩)
(委員長) 前半では、なるべく大勢の人が使える図書館作りを目指すということで、それが現にできているかどうか、どんな使い方ができるか、ということを考えるというようなことだった。先程、出た子どもの場合には、読書への動機付けということで、そういう機会を提供してはどうかというようなことだったと思う。そのためには、いろいろな工夫がある。特に、学校といろいろな人と連携をとりながら、サービスを展開していくというようなことを考えていいのではないかということであった。では、子どもの話も含め、特に大人や、子どもといっしょに来る母親父親もいるという話で、そういう、人たちにとってどうかというようなことも考えながら、また、全体討論をお願いしたい。では、図書館がどのようになれば使うか、意見をお願いする。
(委員) 前回も申し上げたが、私は図書館に来たことがなかった人間の一人だが、友人にも、図書館に行ったことがあるかということを何人かに質問してみた。20代30代の女性だが、ほとんどないということが多く、では、どうしてかというと、行くと、静かにしなければならないとか、堅苦しい雰囲気があるとか、今日も靴を音をたてて歩くだけで、少しいやな顔をされるとか、そういう雰囲気があり、本は読みたいが、本は借りたいが、雰囲気がすごく窮屈であるということだった。また、本を読む場所が、例えば椅子に座ってもリラックスできない椅子が多いから行きたくない等という答えが結構返ってきたので、例えば、季節のいい時だったら、こういうところであれば、外に樹木等たくさんあるので、外で本を読めるようなスペースがあったらいいと思うし、読書をするというスペースではなく、気持ちのいい時間をそこで過ごせる雰囲気があれば、図書館に行ってみたい気がする。今の状態では、行くと窮屈になり辛いという、そういうところをもっと考えてほしいというのが意見として、出ていた。もう一つは、本を借りる場合だが、借りるというのは、借りるという目的があって、図書館へ行くが、返すという時は、読み終わってしまい本に目的がないので、返しに行くのは結構億劫である。借りたものは返さないといけないというのは、人間としてのモラルなので、それは大切なことであるが、もっと、簡単に返せる場を、先程の市民の意見にもあったが、バスセンターや駅等で常時返却できればよいと思う。例えば10円でも100円でも払っていいので、近くのコンビニに返せるようになれば、真夜中でも返しにいけるではないか、仕事が終わっても、仕事に行く途中でも、返しに行けるので、そういう、もっと利便性等も考えてもらえれば、私たちも利用したいという意見があった。そういう雰囲気等をもう少し変えていけば、もっと利用者が増えるのではないかと思った。
(委員長) もう少し、気楽な雰囲気で利用できるようになればということですね。
(委員) 今の雰囲気は、それはそれで大切であり、今の雰囲気がいいという方もいるだろうが、もう少しオープンな雰囲気を図書館側が作れば、今まで来なかった人たちが気安くなるのではないかなと思う。
(委員長) イメージとしては中央図書館ということだろうか。
(委員) ここの図書館ということで考えた。
(委員長) ここの図書館ということで考えたというのは、よくわかる。
(委員) そんなに人通りが多い場所ではないと思うし、場所的には中央にあって、いい場所だと思うが、ショッピングの人が通るわけでもないし、駐車場が近くにあるわけでもないので、それで、なおかつ、ここに人が来てほしいということを考えた場合に、もっと特別な呼び込めるものがあれば、来るのではないかと思う。
(委員長) 施設面での制約というのは、広島(市)は大きいというのが、私の全体の印象である。ここもそうであるし、分館も、少し狭すぎという気がする。つまり、子ども等が、声を出して、本についていろいろしゃべるわけだが、あのスペースだと、しゃべれば文句がでるであろう。そのくらいの広さしかない施設ばかりである。しかも、ここは本当に暗いイメージだというのが、広島(市)の一番の問題で、将来ビジョンと言えばその話でいいのではないかと、いう気がする。そこが直ったらずいぶん変わると思うし、もっと大きい分館と言うのか地域館ももっと大きく、それで広々と使えるという、そして、そこに居てずっと何かいろいろできる雰囲気が必要だろう。正直言って、ここで閲覧席に座って長時間仕事をしろと言われたら、かなり考える。読む本等について意見はあるか。
(委員) 読みたい本があれば、予約すれば入れてくれるが、知らない人が多いのではないか。「市民と市政」等の広報誌等で図書館はこういうところですよと、もっとアピールすれば来るのではないか。
(委員長) もう一つ伺いたいのは、仕事の上で使うという気にはなるか。その辺はいかがか。
(委員) 知りたい時には、特に昔の文献ということになれば、図書館に来るしかないと思うが、直接、仕事でここにというのは、そういう調べたい時以外はない。別に目的なしで来たいと思う方が、もっとくつろぎたいとか時間があるのでちょっと休みたいとかそういう意味で、休みたいというのと図書館は違うのかもしれないが。
(委員長) それもいいのではないかと思うが。
(委員) 私が思った一つは、先程情報の拠点ということが少し話題となっていたが、何で図書館が情報の拠点だと思うかというのは、本がたくさんあるからというのはちょっとおかしいような気がする。本の中身が全部電子化するわけではない。それはもちろん著作権の問題等もあるから、すべてがネットワークで参照できるというのはあり得ない。ただ、どういう本があるかとか、その本に対するキーワードとか、著者名とか、もちろんタイトルとか、そういう付随する属性のデータが入っているものがある。それを、図書館ごとに持ち、普通の小さな図書館よりはたくさんあるという意味では、データがたくさんあると思うが、それは、丸々その本を読むためにネットワークを使ったりコンピュータを使ったりする人はほとんどいないと思う。あくまでも、検索をしたり、例えばこういうキーワードでひっかっかってきた本が見つかったら、これはなんとか図書館にあるから行くという。そのキーワードで検索するとか、このタイトルで検索するというのは、目的が非常にはっきりしている人である。そういう人のための手助けとして、いろいろな電子化をしたりネットワークを使ったりといったものは、もっと積極的にすればいいと思う。それは機能を助けるという意味で、コンピュータが補完的に、非常に効果的に働くと思う。ただし、調べたいが、何を手がかりにして探したらいいのかわからないという時に、今の検索システムというのは非常に良くなくて、それはやはり図書館に来て人間の目で見ながら、あるいはパラパラ本を開きながらというような検索の仕方は、残念ながら今のコンピュータやネットワークではできない。そこはやはり図書館に来るしかないと思う。だから、そういう人たちがやはり図書館に集まって来るのではないかと思うので、そこの部分は、当然いかしておく必要があるし、それから電子化のところに関して言えば、そういう機能をもっと補完できるところでは、もっと充実させて、当然すべての図書館が連携すべきであるし、さらに、公民館だとか学校のネットワークだとか、それはもう人間が図書館に来てキーワードで検索するより、はるかに早く、効果的に調べられるので、それはやってほしいと思っている。本があるから情報の拠点になるというのは少し違うような気がしているので、機能をとにかく補完的にできる部分をコンピュータやネットワークで補完すればいいと思っている。今の図書館に望まれているものは、探しに来たという時や、先程話として出ていたように、ゆとりのスペースとしての要望が高いのではないかと思う。そういう部分で、建物のことも先程出ていたが、そういうようなものに少し考えを向けていかなければならないと思った。それから、より多くの人にということだが、特に若い人は図書館があってもなくてもたぶんあんまり気にしないのではないか。市民の税金が使われているわけだが、使われていようが使われていまいが、あまり気にしていないのではないかと思う。そう思っている人に対してたくさんの人に使ってもらいたいというのは、かなり、無駄な抵抗をしてるところもあるような気もする。先程登録が23%という話であったが、どうしてもっと23%の人の声を大事にして、伸ばしていかないのかという気がしている。だから、今の図書館に求められているのは、少し、ゆとりのスペース的なところがあるのではないかという気がしている。
(委員長) 今の話は、ゆとりのスペースとか、あるいはくつろげる場所というようなことだが、そこに来たら楽しめるとか、そういうふうなものがあっていいのではないかということであった。それともう一つは、蓄積した、資料、本を活用できるような仕組みを、それは電子的にできるのではないかというお話ですね。
(委員) もう一つだけ、これも現実的ではないかもしれないが、本は、長く置けないのでリサイクルしているという話だが、例えば、市民のだれだれさんはこういう本を持っているというデータベースみたいなのも作って、仲介役のデータベースみたいなものを作ると、ここの図書館にはなくても、だれだれさんのおうちにはありますというようなことで、幅が広げられると思った。
(委員長) なかなか、作るのは大変だと思う。少し気になるのは、本自体が電子化しないのかというのは、正直あるが、例えば、中国新聞もそうだと思うが、データベース化されていて提供していると思う。そういうものについては、図書館は、無縁でいいのだろうか。いまであれば、例えば、いろいろ規約が難しいと思うが、図書館によっては、朝日新聞や新聞社の提供するデータベース等を館内で提供するというのは、かなり一般的になってきていると思うが。その辺は、何かないか。
(委員) 著作権の関係があると思うが。そういうことは、副次的な図書館機能だと思う。最近ニーズ調査等をしてるかどうかということ、今回するようだが、その中に、例えば、本を買っている人がどのくらいいるのかとか、本を買っていてここに来る人、本を買わないでここへ来る人等という調査項目を加えていただくように、お願いした。つまりそういう人たちがどういう本を読んでいるのか、先程失われる本の話をしたが、補充できないような貴重な本がなくなっているが、どんな本がなくなっているのか、この裏返しに一つのニーズを見る面でも、実態をお聞きしたいと思う。そういう中から、市立図書館に、市民のニーズというのがどんなところにあるのかということをもう少し掘り下げて考える必要があるだろうと思う。みなさんのいろいろな意見を聞いていて、いろいろ市立図書館の在り方というのを考える時に、先程来出ているように、あらゆる市民のニーズに100%応える機能を持つべきではないのもあるという、これは、私は、違うだろうと思う。つまり、広島に限って言うと、県立図書館もあれば、生涯学習センターみたいなところも、それなりの専門書を揃えている。例えば平和関係文献で言えば、原爆資料館や平和文化センター等、むしろそういうところを充実させる方がメインだと思う。市立の中でも、こども図書館、まんが図書館というのは、先々、機能の話をしていけばいいと思うが、それぞれが持つべき機能というものを考える必要があると思う。そこで、市立の場合は、もっと市民の一般教養というか、市民が図書というものに触れる機会を作ったり、あるいは、入門書的なところを広く浅く集める役割と、蔵書の面で言えば、それから非常に限定して、狭く厚く集める分野で分けて考える。あらゆる物をすべて集めようというのは、違うだろうと思う。それを交通整理して、狭く厚くする本で言えば、市立でないと担えない機能は何なのかというと、例えば郷土関係の文献というのは、県でもなく、市立だという感じもする。広く薄くという面でいえば、先程から出ている本のガイド的機能というか、市立にはないけれど、あそこに行けばこんな本があるよというような、ガイドをして、そういうものをインターネットあるいはここに来て目録を見るような機能いうようなものを持たせるのは、市立の仕事かなとも思う。それと、今よく言われているもう一つの機能として、市民の図書館から市民活動の図書館という視点がある。先程、いろいろ良い本を読む活動とか出ていたが、特に週休2日制で言えば、そういう地域のいろいろな活動と連結した図書館機能、図書館活動の在り方というようなもの、例えば、今虐待等の問題で、最近体験したことで、童謡教室をしている方がいるが、絵本を使ったり、そういう場に本を持ち込んで活動していくとか、いろいろなスタイルが考えられるとは思う。今、友の会っていうようなものがよくあるが、図書館と関係するような会がどの程度あり、どんな活動をしているのかというようなことを、知りたい。友の会の活動実態はどのようなものかということを含めて、教えていただきたい。そういうものを促していく市立図書館の役割機能というもの、先程もポリシーという話が出ていたが、そういうところで絞っていって、市立図書館の特質というようなものについて、議論を深めていけたらと思う。
(委員長) 今の話の一つは、図書館として、広島市立図書館というのは基本的には広く薄くいろいろな本を置いておくというのが基本だろう。ただし、その中で、いくつかの分野を厚くしていっていいのではないか。一つは地域関係の資料、広島市を中心とした地域関係の資料というのがあるだろうと、いうような話だった。他に、何か意見があれば出していただきたい。そして図書館として重点をおいて集めている資料があれば、その辺も意見をいただきたい。それからもう一つが、特定の問題について団体に、関連した資料を提供したりとかいう活動になると思うが、これはその都度その都度、テーマは変わってくると思うが、先程のいじめの問題とか出た時に、図書館としてどういう対応をするかということで、何か具体的に意見があれば、お願いしたい。
(委員) その辺のノウハウになると、いろいろいらっしゃると思う。違うと思うのは、どういうふうにどういう本を活動に活用していくかというようなこと、いろいろあるのではないかと思う。非常に一般論になるが、例えば、最近虐待の関係で、あるおかあさんが本を活用して、いろいろ、童謡とか昔の遊びとか、子どもとおかあさんの遊びをやっている。公民館等でしているおかあさんなんかいらっしゃるが、先程、乳幼児の検診の場を利用してという話もあった。例えばそういった形で、いろいろと、こども図書館はこども図書館、まんが図書館はまんが図書館、それと違った市立は、大人を対象としたあるいは高齢者を対象とした活動、例えば、いい本に巡り合えたら、その本をテーマに旅行するというような、いろいろなことが、一冊の本から、活動が生まれるのではないかと、そういうものを促すところは、こういう市民図書館の役割ではないだろうかというように思う。
(委員長) 一つの本に限らず、ここが蓄積してきた資料を活用して、ということですね。
(委員) 思いつき程度でついでに言わせてもらうと、オープンにということで、例えば、ここに緑がある、野外閲覧コーナー、閲覧室みたいなもので野鳥のさえずりを聞きながら本を読む、というようなことは区図書館あたり等でもできるところがあるのではないかなと思うし、例えばオープン型のところを作ってみる等ということもやってみてはどうかと思う。
(委員長) だいたい話としては出ているのではないか。ゆとりのスペース、気楽にくつろげるようなスペースを作り、ただコレクションとしては、広く薄くいろいろなジャンルの本を集めるということを基本に、特定の分野、これはもう少し議論しなければならないが、厚くするということ、それから今まで図書館が蓄積してきた資料を活用して、いろいろな市民が直面している問題に、いろいろなグループと連携しながら活動していくというような話ですね。それで、先程、質問があったが、図書館に関係する団体で、今わかるものがあれば、もしだめなら次回でも結構だが、何かあるか。
(事務局) 特にここの図書館では具体的な団体といっしょに事業を行ったり、連携を持っているというのは、ないと思うが。
(委員長) 友の会等はないか。
(事務局) 友の会等はない。ただし、ここを会場として、研究会を定期的に持っているグループがいくつかあるが、そのグループと図書館が連携して何かやるということは、今までない状況である。唯一と言っていいかどうか、「よい本をすすめる母の会」が一番図書館と連携の深い団体ではないかと思っている。
(委員) 社会教育施設というか図書館で本を使うということが非常になくなってきているが、例えば広島市の全域で生涯学習事業として行っている広島市民アカデミーと連携して、いろいろな講座の内容と絡んだものを提供、あるいは場合によってはパッケージにして、提供するとか、貸し出すとか、それぐらいのことをやれば、広島市がやっているその学習実践と、図書館を絡ませるというのが一番よく、そういういう可能性もあるのではないか。
(事務局) それに類したものというか、近いものとして読書会活動の支援というものは長くやってきた。これは、同じ本を15冊1セットにして、その本を読書会をするグループに貸し出しをする形で、かなりの蓄積がある。今400セット近くある。古いところから、「五体不満足」や「永遠の仔」、先週読書会をしたが、その時々にわりと話題となったものや、評価の高いものを、15冊セットにして読書会に提供していくようなそういう活動は続けてきた。
(委員) 例えば環境問題という講座で5回からなる連動講義を行えば、空気の汚染というのが1回目にある。そこに参考文献がいくつか挙げられていたと、そのうちのいくつかのものをあるものは提供する、2回目は例えば、水の汚染だったとすれば水の汚染に関するもの、それをパッケージにして、開催場所に提供するということをすれば、図書館というものは、ああこういうものがあるのかということで、イントロダクションということにもなる。
(事務局) 先程の市民アカデミーは、公民館が実施している事業だが、公民館で行う読書会とか講座の方で、必要な資料があれば、図書館の方から、貸し出しをして、そちらに持っていき、紹介をするという形はやっている。特に、アジア大会の時の1国1館運動で、例えば、アジア理解のためにそういう団体貸出、公民館に対する貸出というのは、実施しており、今も、組織的にやってるわけではないが、公民館の担当者が、そういうような利用をしていて、ぜんぜんないことはない。
(委員) ただ、それをもっと組織的に連携事業という形で、全市的に展開するというシステムを作っていかなければならないと思う。
(事務局) 1館1国運動の時の利用券を、各館その時に作っており、事業の時に、資料が必要であれば、借りてもらうというようにはなっている。
(委員) 二つだけ、実は図書館がこれから対象にするという特定の目的で、これをほしいとわかって来る人、これが第1層である。それから実はよくわからないがこれに関するものがほしいというのが第2層のグループである。第3は、くつろいで、何か面白そうなものがあれば見つけようと、もう一つは、まだ図書館に寄り付いていないという人がかなりたくさんいるわけで、この4つの層を、やはり想定していかなければならない。そこで、今来ている図書館利用者、登録者24%だけではなく、あと75%、つまり3/4の人をどうやってとりこんでいくのかということを、やはり考えておかないと、公共性の理念というものに反することになろうし、今来ている人だけを、さらに強化していくということは、情報格差ということで、生涯学習の理念にももとるというこれが第1点。それからもう一つは、学習要求に、つまりこういう本を買ってほしいというそのニーズにできるだけ応えていくのはいいが、ニーズにすべからく応えることがすべていいというわけではないので、そこは、やはり学習要求と、それからニーズとしては出てこないけれども学習必要として、やはりこれは本としておさえておかなければいけないという、それがたぶん専門性だとか見識だと思うので、そのあたりというものにやはり専門性というのが問われてくるのだろうと、これだけは申し上げておきたい。
(委員長) 今のは広く薄くの中身についてもちゃんと考えるべきことはあるだろうという話である。それから連携の話も今、図書館の方からもいろいろ話をしてただいたのは、いろいろな機会をつかまえて連携して組織化していく必要があるのではないかということで、本を最初から中心にしているような読書会という形のものもあるし、それから別な形で何かテーマについて講座とか学習する機会があった時にそれと図書館とが連携するというような話が出ていたと思うが、どんなふうな連携あるいは図書館が支援をあおぐというようなこともあると思うそのことも含めて連携のことがあれば意見をお願いしたい。
(委員) 連携にも関わってくるが、一つには図書館の機能としてコーディネート機能というか、我々もNPOのマネージメント等というようなことで、本を読みたいといった時には、調べに行ったりする。それこそ「ハリー・ポッター」ではないが、そういう一般的な本もあるので、たぶん市民のニーズもそれぞれの目的意識によって随分幅広いだろうと思うので、それに全部一館が応えるのは無理だろう。そうすると例えば専門的な経営学の本については、経営学を持っているどこどこの大学であるとか、他の委員も言われたようにそれぞれの専門性を持ったところに蔵書というものを強化して置くようにして、要はここの市立図書館に来た時に、どこに行けば、というふうなことをつないでくれるコーディネーター役というかコーディネートの機能を持つべきではないかと思う。それが一つと、直接本を使って云々というよりも本を手段としてカウンセラーする。広島市内には子供の虐待を考える会が三つぐらいあって今度それが一つになるが、電話相談などもするが、やはり専門的な心理学の話をしたり、あるいは絵本を使ってのカウンセリングとかいうのもある。あるいはここに廃棄処分になる絵本等があると聞いたが、カンボジアに絵本を送る会があり、クメール語に置き換えてそれを貼って送るが、それは海外に資金を送るだけでは手助けにならず、知識や勉強するということが実は将来的には国を支援することになるということで送ったりしている団体もある。県の奥に絵本牧場等という団体があって読み聞かせをしているようなところもある。潜在的な意識を持っている団体はあるが、しかし、これも数からいうと全国的に少ない。そこで、やはり我々は一般市民へもう少し広げていきたい。どうやってインボルブメントしていくかというところでは、図書館がこの財政難の中で税金が入ってこないので予算もなくて全部できない。何でもかんでもやるというのではなくて民間にまかせるとか、民間と連携をするということで、いろいろな連携の仕方があると思う。高知などでは既にNPOが図書館の管理運営を委託を受けてやったりとか、美術館についてもある。そういう意味で言うと、いまある中でどう掘り込んでいくかということでは、コーディネート機能というところに期待されるのではないかと思う。
(委員長) コーディネート機能というのはどういうことか。
(委員) 通常、つなぐ、調べる、支えるということだが、つなぐというのは、先程言った専門性を持って、蔵書のあるところへ紹介するということである。そこでなくてもつなぐ方のコーディネートでよそにつないでくれる。それから支えるというのは、例えば市民団体と連携してやるのであれば、その市民団体と場所を提供するであるとか、外の空き空間を利用するとか、そういう連携の仕方とか、そういう三つの機能を合わせてコーディネートと言っている。
(委員長) つなぐというのは、主に資料面で、例えばここにないような資料の場合、どこどこがいいのではないかという案内役をしていくことと、ここを使って調べたいという時に、それに答えられるようにするというように市民の資料を見たいという要求があった時にコーディネートをするような役割を果たしてほしいということですね。では、いままでの話をまとめると、全体としては、基本的に何でもかんでもやれる訳ではないので、一つは、いろいろな本に接する機会を提供するという面で、広く薄く資料や本を集めて提供するということをやっていいのではないか。ただし、特定のテーマについては、いくつか市立図書館ならではというような分野をもっていいのではないか。一つが郷土資料、地域に関する資料、こどもの本というのもほかの広島にあるいろいろな施設や団体ができる訳ではないので、図書館がやっていいと思う。漫画も現にまんが図書館があるということでいいでしょうか。後は何かあるか。
(委員) 少し付け足して言うと、広く薄くと言うと誤解を招くので、広く薄くでまんべんなく要求にこたえようというのはわかるが、その場合に予算の関係でも薄くせざるを得ない。だからこそ、良い物を選ぶということが必要だろうし、もう一つは、広く薄く収書したものに対して、やはり高度の要求の人には、うちでは応えられないけれども、先程コーディネートと言われたが情報提供とか、ここへ行けばありますよという学習相談とかレファレンスサービスでつなげていかなくてはいけない。うちではありませんで帰してしまうと、もうそれで来なくなり、学習支援したことにならない。その二つの条件が整った時に広く薄くでもかまわないが、それだけ言うと誤解を招く。
(委員長) よろしいですか、そこで異論はないと思うが。それから、特定部分に厚くという部分では、これも具体的に提言しないといけないが、何か他にどうだろうか。
(委員) 例えば、郷土関係のビジネス、商工関係のものをどの程度文献として持っているかわからないが、地域の起業活動も含めたビジネス関係のニーズに応えられるようなものを含めるかどうか、問題提起になるが、どうだろうか。
(委員長) ビジネス支援というようなことになるが、どうだろうか。
(委員) 起業家を養成するというそういう類のものだろうか。
(委員) いいえ、例えば地元関係企業に関する文献や本等だが。一つのどんなものがと言われたので、あえて提起しただけで、そういうのが市立図書館でふさわしいかどうか。市民がリストラにあう等、そういうものを求めてくるニーズがかなりあるとすれば、大学関係図書館は、就職用の文献をどれだけ持っているかわからないし、本等でそういうものを求めていく読者層がいるのではないか。市立図書館の機能の役割に入るかどうか私も自信を持っていえないが、例えば、そういう視点もあるのかなと思って、あえて問題提起した。
(委員長) そうすると、これから仕事を自分で始めたいとか。
(委員) 例えば、こういう地域活動とか、こういうNPOの活動とか、一つの手探りのいろいろ手立てを探る話と、少しビジネス関係になるが、日常的な何か参考になるようなものがないかとここに来る人に応えられるような蔵書ということが考えられるのかどうかということだ。
(委員) 私は少し広げて、例えばよその地域の人も広島に関するものについて、あそこの中央図書館に行けば、一応全部揃っている、そういう意味では、文学関係は揃えているが、文学のみならず産業や経済等いろいろな面で郷土の発展に貢献したさまざまな人物や企業や事や物やというものを一括してそこに集めればいいと思う。
(委員) その関係では、郷土資料館というのがあるが、そういう歴史的なもの以外の、そことの交通整理も出てくるが。
(事務局) 郷土資料館というのは、現物資料いわゆる民具等の物を中心に集めていて、こちらの図書館が今言われた地元企業の情報や、そういうものは広い意味で郷土資料という範疇とらえて、広島商工会議所の名鑑や商業統計という形のものは網羅的に広島資料室の方で収集している。やはり従来から重点をおいて収集している。
(委員) 今言っているのは、そういう一般的なものではなくて、例えば、電子関連ではどういう企業がどういう産業があってというような本がありますか。
(事務局) そういう本が出版されているかどうかわからないが、もし、出版されていたら、収集している。
(委員) それぞれ大きい企業は出していると思うが、もっときめ細かいものも一つの対象に加えるかどうか、そういうものも集めているのか。
(事務局) 社史等は当然収集の対象である。情報がなかなか集めにくいというのがあるが、経済レポートや新聞等は、毎日担当が全部目を通し、郷土に関する新刊情報というものをもとに集めるようにしている。
(委員) そういうものを求めてくる一般の閲覧や貸出は多いか。
(事務局) 社史等は結構利用はあるし、人物はどこどこの社長さんの経歴を知りたいとかそういうものはある。その方を取り上げて本にしたいというので地元の方等お見えになったりする。
(委員長) 資料的にはかなり集めているのではないか、見た印象では行政関係資料もかなり集めているようだ。
(事務局) 広島市が出版した刊行物については、中央図書館と公文書館に、納本しなくてはいけないという市の規程がある。郷土資料室が浅野図書館にできた時から重点的に集めており、こちらの図書館でも広島資料室という部屋をおいて、今約8万冊ぐらいある。広島で出版されたもの、あるいは、広島のことについて書かれている本は集めるようにしている。これは原爆関係の資料もそうであるし、広島文学資料室の資料も広島の文学者の資料も極力そのようにして集めている。
(委員長) 問題は、資料的にはすごく集めていると思うが、その後のそこをいかに活用する体制をつくるかなんです。その辺は、次回のこととなるが、ここは、一見、施設的に本当に資料がないような印象を与えるような建物になっている。わざわざ資料が少ないように印象をもたせるように見える。実は、随分持ってい ると思う。広島関係も本当によく集めていると思うし、ただそれが本当に知られていない。活用する体制ができていない。待っていてサービスをするというのでは、今ひとつ足りない感じもする。
(委員) 古い図書館の形で、要するに資料の保管という概念で、そのコンセプトで作るとこういう形になるんですね。
(委員長) 資料は持っていてほしいので、ここが捨ててしまうともうどこにもないから、基本的には、資料を持っている。それから蓄積という機能を、情報の蓄積をいかに活用するか、それをいかに作り出していくかということが、図書館のすごく大事な仕事なのだろうと思う。その話でいうと、厚くという部分をどこの辺りにいくかということは、まだ、回数があるので考えていくということにしたい。それからもう一つはゆとりのある、ここに来て気楽に楽しめるということ。つまりいろいろと役に立つというだけでなく、ゆったりと過ごせる場所であるということですが、そういうものがほしい。これは、たぶん施設の問題が大きいと私は思うが、そういうものもあってほしいのが一つ。それからもう一つは、先程来、出ている支えることについてやっていく。これがいろいろさらにサービスを広げていく上で大事な話である。こども(図書館)の場合はある程度、いろいろやっている話が出ていたが、公民館との事業ともいろいろ連携をとっていることも出ていたが、もっといろいろな団体といろいろと連携が取れないかという話がでていた。この辺で補足する話はないか。
(委員) 利用者の面で考えることがあると思う。60歳以上の利用が多くなればもっと利用しやすくすることが大切である。建物にも問題がある。階段が多すぎるし、ハードの面ともてなすというソフトの面でもがんばっていく必要がある。建物内の気配りが必要で、元気な者でも階段は、きついものである。
(委員長) 高齢者のことを考えても施設的にいうと、これほど起伏の多いところはない。図書館にとっても使いにくいだろうと思う。部屋から部屋に資料を持っていかなければならないが、普通ブックトラックで運べるが、階段等があると通れない。高齢者の図書館利用について何かあれば、これがだんだん大事になって くる話である。
(委員) 館外貸出でのともはと号等があるが、そこでの利用はどういう状況だろうか。
(事務局) 館外活動である地域サービスであるが、一つは「ともはと号」で巡回をする。場所は公園や小学校等へ出かけていって一時間の利用時間の中で利用してもらっている訳だが、公園等へ行くとやはり地域に住んでいる方が来られるのでお年を召した方の利用が多い、学校等へ行くと子ども中心になる。学校等でも前半は、地域に住んでおられる方が利用し、授業が終わり休み時間になると子どもが中心になる。
(委員長) 図書館が出かけていくということについての話でいうと、子どもを対象としては、学級訪問があり、図書館の方が出かけていっているが、他の年齢層の人たちの所へ出かけていくということはあるのか。例えば高齢者の場合、ボランティアの方々が直接、本を届ける。届けるだけではなくいろいろと話をきいたり、結構大事な話になってくるが図書館としてはまだですか。老人ホームや高齢者の施設には既に実施しているようですね。
(事務局) 例えば、神田山荘や原爆養護ホーム、あるいは、これは子どもたちになるが、院内学級等へ配本を行っている。
(委員長) そうすると、そういう来た人をつなぐということもあるが、もう一つ支えるという話で言うと図書館の方から出かけていくという連携の形があってもいい。具体的にはどんなところにどんなふうに出かけていくかということがあるが、次回にする。
(委員) 支えるというところでボランティアの役割が求められると思うが、こども図書館も中央図書館も以前ボランティア講座を実施しており、その講座を受けた人がどういう活動をしているか、活動の受け皿を図書館が用意しているのか、受講者がどのようにボランティア講座を受けたものを生かしているか、お聞き
したい。
(事務局) こども図書館のボランティア養成講座は平成元年度から実施しているが、これはおはなし会のボランティア養成である。卒業生の方には、こども図書館や地域の学校・公民館・集会所で活躍されている。また、先程の外に出かけるという話だが、保育園や幼稚園の保育士を対象として話をしたり、施設の保育士を対象とした研修会に出かけたりしている。
(事務局) 中央図書館では図書館ボランティア養成講座というのを平成11年度から開始し、毎年10数名の受講者を養成している。例えば、窓口に返却された本を所定の書架上に返していただくとか、あるいは、書架の乱れを直していただくとか、そのような窓口業務の補助や、資料整理面で言うと本の受入・登録等で、ラベルを貼っていただいたり、フィルムを本にコーティングしていただいたりしている。地域サービスの場合、読書普及活動で行事を行うとき、例えば読書会のテキストを用意したり、補助教材の準備をしていただいたり、また、地域サービス係で使う本の受入等でご協力いただいたりしている。図書館から打診して、こういう作業があるがどうかということで毎月スケジュールを組み、活動してもらっている。
(委員長) 他に何かあれば、お願いしたい。
(委員) 先程、本の電子化の話をさせてもらったが、本を丸ごと入れてそれを公開情報として出してしまうということは、著作権上のこともあり、無理であるが、保存という意味では、いろいろな方法があると思うので技術をうまく使い、スペースの問題や古くて読めない資料の劣化を防ぐということ等、研究していけばよいと思う。
(委員長) 電子化との関わりというのは、もう少し議論して、例えば危機的な問題だという話も出ていたし、結局、今までの図書館が扱ってきた資料の中で資料整備やどちらかというと経営管理にかかわる話だと思う。他に何かないか。なければ、事務局の方で今日の議論をある程度まとめていただき、その上でそれをベースに次回は補足や今日出てこないことがいろいろあると思うが、見た感じでは、本日事務局の方で用意していただいた資料「21世紀の図書館の役割 -広島市の図書館のめざすもの-」のキーワードのところであげられている話が出てきていた。ただ、まとめ方がかなり違うということで理解した。例えば、つなぐとか選ぶとか、図書館として大事だという話や役立つと言った時の話で、どう役立つか、それをつなぐことによって役立つとか、あるいはいろいろな問題について連携をとる。そういう形で、それを通じて図書館の存在というのをアピールする。それからいろいろな年齢層の人たちに対して、きちんとしたサービスを提供するということもある。その辺は今からだが、そこは一定の分野については厚くするというようなことで、もし時間があれば次回準備していただきたい。というようなことで、図書館が言ってみれば、本とか資料・情報の入り口だという印象を持った。入り口であるということをいろいろなことでつないだり、図書館の方から連携を取ってみたり、あるいはアピールしていったりという形で核になるというのか、そこに選ばれたコレクションがあるというイメージなのだろうか。そんなイメージで図書館を考えていけばいいと思う。それをいろいろなところへ出かけていくあるいは、つなぐ形でサービスをいろいろな人にひろげていく、そういうイメージで今日の話を伺った。もう一つゆとりのスペースであるが、何よりもくつろげる場所であってほしいというようなことが出てきた。その辺を事務局の方でまとめていただき、次回はそれを下敷きにして、修正や付け加えることがあれば、また議論していきたいと思う。さらに経営に関わる問題で具体的にそういう図書館を実現するにはどうすればよいか、大事な話であるが、次回はそういう話をしてみたい。最後に、今後のすすめ方について事務局の方から少し提案があるということなので、お願いする。
(事務局) 前回、「今後の委員会のすすめ方」というのを配布したが、その予定でいくと次回は7月18日の木曜日になるが、本日、図書館像についていろいろご議論いただいたことを事務局の方でまとめたものを再議論していただきたいし、それを踏まえた具体的な施策等を次回お願いしたい。前回、あわせて図書館網を、施設として各区に図書館が今あるが、果たしてそれでいいのかどうかということ、もっと整備すべき地区があるのではないかとか、施設的な面での話、前回計画をお示ししたが、アンケートの結果も次回には出したいと思っている。そこでふたついっしょに議論するのは、非常に無理があるように思うので、次回は図書館像を踏まえた具体的な施策についてアンケートを参考にご議論いただきたい。そこで申し訳ないが、できればもう一回当初の予定より本委員会を増やし、かわりに小委員会をカットし、本委員会の方でみなさまにご議論いただきたい。次回は7月18日の木曜日に「図書館像を踏まえた具体的な施策」を、それからできましたら少し勝手ですが、8月1日の木曜日に図書館網の話をご議論いただきたいが、いかがだろうか。
(委員長) すると、一つは小委員会を作って案をまとめるということではなく、全員で考えてはどうかということか。そのかわり集まる回数がふえるということだが、よろしいか。できれば、みなさんご意見をお持ちですので、なるべく全員の意見が出るような形でまとめられるということでよろしいか。
(委員) (異議なし)
(委員長) では、小委員会ではなくて全員で議論をすすめていき、全員で案をとりまとめていくというかっこうで、すすめていきたいと思う。第3回が7月18日でいいと思うが、その次は8月1日でよいか。なるべく、全員が出るような形がよい。
  (7月29日からの週で順じ希望を聞き、7月30日火曜日に決まる。)
  7月30日の1時半からということにしたい。今日はこれで終わりとする。
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