畑耕一翻訳 M・R・ジェイムズ怪談集
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いのに、びくっと頭をもたげ、両手で耳を、ぴしゃりとふさいだ。 ―いま、人形屋敷は、ディレット氏が、海岸へ出発した日、召使のコリンズの手で、ていねいに荷造りされ、厩の二階裏へ運びこまれたままになっている。そして、大西洋の彼方〔アメリカ〕からの寄贈申込みを待っているのである。 ― 100 ―

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